先週も、 なんだか重みのあることでいっぱいでした! | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

先週も、 なんだか重みのあることでいっぱいでした!

15日、横浜のNew Grand Hotel のディナーライブでは、作家で、上田の美術館「無言館」の館長、窪島誠一郎さんとのトークがずっしりと胸に残りました。

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ホールにお客さんの入る時に、戦没音楽生、尾崎宗吉の曲が流れる中、無言館の戦没画学生の絵の映像が映し出され、心が清められるようでした。

尾崎宗吉は、私の生まれた1943年に満州で戦死するまでの短い間に、アッと驚くほどの素晴らしい曲を生み出しています。
窪島さんからCDを送っていただいてから、ずっと聞いていて、このまま埋れさせたくない、と思い続けていました。
この日は、2年前の震災への想いを語る中で、戦争という悲しい時代に散って行った若者たちが残した絵の力、音楽の素晴らしさを、もっともっと伝えたいと思いました。

石巻で去年開かれた「無言館」の展覧会に毎日通ってきた人が、「家族をなくし、家をなくし、会社も、従業員も失い、生きる希望を失っていましたが、この絵を見て、生きて行こう、と思いました。」と語られたという窪島さんのお話を聞き、改めて、彼らから託された想いが今こそ伝わる時だと感じました。

生きる、ということは、どんな過酷な運命の中でも、心の中に残された光に向かうことだと。

後半は、「リリーマルレーン」「さくらんぼの実る頃」から、「愛の讃歌」まで、歴史に残された歌との深い縁の中で、今という時への想いを歌いました。
この4月1日からNHKラジオ深夜便で毎日流れる「過ぎし日のラブレター」も、披露。夢のようなレトロなホテルの中で、ゆったりと深い思いに届くことができた、忘れがたい夜になりました。

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さて、その翌日は、郡山、福島で「福島 六ヶ所 未来への伝言」の上映会。

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両会場とも満杯のお客さんで、その一人ずつが、いろんな想いをためているのをひしひしと感じながらお話し、ほんの少し歌も歌いましたが、何よりこの映画に挿入されている私の歌、「今どこにいますか」と「命結-ぬちゆい」が、監督の島田恵さんの渾身の映像の中で、何倍にも伝わってくる事に、感無量でした。
福島原発から遠い街へ避難している母子や、汚染地に留まっている子供たち自身からも伝わってくるあふれるほどのメッセージ、原発を推進している側の人の発言も、しょうがなくはめられてきた住民たちの悔しさも、農民や漁師たちの神々しいほどの言葉、そのくらしを守ってきた先祖とのつながりも、全て現実です。それをありのままにみせて、そこから先の決断を、私たち自身に求めてくる、そんな映画!
これからもあちこちで上映会があると思いますが、是非見て欲しいです。

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日曜日の17日は、東京の笹塚ファクトリー、という劇場で、相馬高校放送局の人たちの演劇、「今伝えたいこと(仮)」を見ました。
三人の女子校生が、津波、原発事故の中で、誰にも言えないそれぞれの思いや、事情を抱え込み、外からの無神経な言葉や、誹謗にさらされている厳しい現実を、叩きつけています。
この演劇を作り上げる過程で、彼女たちはお互いの思いを出し合うことができ、この演劇をたくさんの人に見てもらうことで、伝える可能性を信じることができるようになった、すごいことだ、と思います。
それによって厳しい現実を終わらせることは出来ないけれど、ここから始まる人生を、堂々と主張しながら、生きて行く決意ができたことは大きいですよね。
この演劇は、今回が最終公演だそうですが、これからも強い思いを持って発信し続けて欲しいです!
さて、このところ、ちょっと走りっぱなしだったので、今週はゆっくりするつもりです。いよいよ春休みになりますね。花粉症も撃退しなきゃ!
あ、そういいながら、月曜日、渋谷アップリンクで「書くことの重さ」という映画の上映会に出ます。何と私が役者として出演してるのよ。わおっ!
どんな映画になってるやら。

Tokiko