震災から2年、 日比谷公園でPeace On Earth! | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

震災から2年、 日比谷公園でPeace On Earth!

初夏のような日差しに恵まれた10日、全電源をソーラーで賄った特設ステージで、去年佐藤タイジさんのソーラー武道館で歌った「愛と死のミュゼット」、私のオリジナル「New Revolution」をセッション!一気に盛り上がったのはいいけれど、なんだか突然の砂嵐が巻き起こり、「ゴーッ」とテントに風がぶつかる音も。

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吹き飛ばされそうになりながら、聴衆も私も踏ん張ったよ!
佐藤タイジの後を受けて、福島の南相馬から来てくれた高橋美加子さん、陸前高田の河野美津枝さんのお話を聞き、さらに私の曲「青いこいのぼりと白いカーネーション」「Revolution」を歌い、最後は「Power to the People」で大合唱になった。

震災から2年、聞こえてくるのは、高さ16メートルの防潮堤の建設とか、5メートルのかさ上げ工事とか、巨大な予算をかけたゼネコン主導のプランばかり。
商店街の77パーセントの方が亡くなったという陸前高田では、そんな奇想天外な計画が、実情に合っていないという声が上がっているそうだ。
今は一関に工場を移して醤油の生産を再開している河野さんと、南相馬の高橋さんたちは、小さな商店や中小企業が手を結んで、横のつながりを作って地域を支えようとしている。

復興に地元の意見が反映されないのが問題だが、地元の意見もまちまちで、なかなかまとまらないのが、これまた現実のようだ。

翌11日も、同じステージに辻信一さん、C.W.ニコルさん、坂本龍一さん、他たくさんの人が集まった。ニコルさんは、高い防潮堤は、津波を防げないばかりか、かえって海岸線を破壊する危険があること、真水が海に流れこむ豊かな漁場を台無しにすること、さらにそのためにたくさんの山が削られることを、必死に訴えてらした。自然を破壊せずに活かしながらの復興を、と!

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2時46分の黙祷の前、3000人近くの人に舞台前が埋め尽くされた。
私は、娘のYaeと「アメージング グレイス」を歌った。伴奏をして下さったのは、ウオン・ウィンツアンさん。彼のピアノソロの優しい響きに、この日の澄みきった空が心に染みた。

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黙祷の後、私は仙台に向かい、その夜、宮城県と河北新報主催の3・11の記念イベントに参加。「わせねでや」をレコーディングした「みちの空」のメンバーと歌った。「命結-ぬちゆい」「わせねでや」「風歌」の三曲。
「閃雷」の太鼓と笛が会場を一気に熱くする!何度歌ってもこのメンバーとのセッションは気持ちがいい。

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このイベントには、詩人の和合亮一さん、歌手の畠山美由紀さんも出演され、「ありがとう」の詩を新聞で募集、その入選作が朗読で発表された。

震災から2年、全ては混沌の中にある。未来もなかなか見えないが、それでも大切な節目にこうして集まり、流されずに「今」という磁場を踏みしめることは大切だ、と思う。

失われたかけがえのない命が、どれほど大切なものだったかを、思い起こし、今生きているすべての命もまた、かけがえのないものであることを、忘れずに!