ブータンコンサート、無事終了! | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

ブータンコンサート、無事終了!

一年前に始めてブータンを訪問し、街にも人にもぞっこん惚れ込んで、コンサート実現を夢見てから、たくさんの方々からのお力添えで、見事実現したブータンコンサート!
気持ち良く晴れ渡る空の下で、思い切り歌って来ました!

去年のブータン旅行の後、ブータン国王が来日され、その御結婚をお祝いするレセプションパーティーに私も出席。ブータンでコンサートをしたいという夢を直接お話ししたのでした。
今回、幸い国王様、妃殿下様に宮廷でお会いすることが出来、コンサート実現の報告、去年の震災へのご支援に対するお礼、そして、ご結婚一周年のお祝いも、お伝えすることができました。

さて、ブータンは清々しい刈り入れどき。
パロではその真っ最中の風景があちこちに見られました。
小さな稲刈り機も導入されている。これはクボタからの支援だそうで、ブータンの人たちはよく働くこの機械に感謝して、ろうそくをたてて拝むのだそうです。近代化が進む中にも、そんなブータンらしさが、嬉しい!

$加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

コンサートは、空港のあるパロから一時間半ほど車で行った首都のティンプー。
時計台広場に作られた特設ステージには、国王夫妻の写真と、私の写真が並び、眩しいばかりの明るい色の看板が飾られており、本番当日の三日前からもう準備万端。
今回は、観光は無しで、共演するジグメ・ドゥッパさんとの打ち合わせ、一緒に歌ってくれるペルキルスクールの子供達との練習にと駆け回った。

20日の土曜日、いよいよコンサート!
晴れ上がった午後の日差しの中、「花」「島唄」で開幕。
のびのびと澄みきった空に響き渡り、本当に気持ちが良かった!
続いては、曼荼羅の国に贈る、久しぶりの「アジアンダンス」そして心に染み渡った「イラヨイ月夜浜」。
チベット仏教の国、ブータンの音楽は、どこか日本の音楽と似ている。その風土にはまる歌が、やっぱり想像以上に力強く聴こえる。

今回のコンサートは去年の東日本大震災の時のブータンからの熱い支援に感謝の気持ちを伝える意味合いもあり、そこからは、ギターの弾き語りで、「今どこにいますか」を歌い、続いて「この空を飛べたら」を歌った。
言葉の意味は伝わらないかもしれないけれど、真剣に聞いてくれている人の中には、何年も日本を離れブータンで仕事をしている人、ブータンの人と結婚し家族と共に定住している人など、私の歌を楽しみにしてくれていた日本の方もいらっしゃる。
様々な想いに涙が溢れそうで、本当に困るくらい!

感極まりそうになったあとは、今回のハイライト。
ブータンの音楽家の第一人者、ジグメ・ドゥッパさんとのジョイント。
彼が校長先生をしているアーナンミュージック、スクールのメンバーと、私のオリジナルを3曲。「ひとり寝の子守唄」「シララの歌」そして、リズム感がピッタリだった「色即是空」。
何と言ってもすごかったのは、ドゥッパさんの大ヒットソング、「クーズザンポウ お元気ですか」のセッション!
客席もスッカリ解け合って、大合唱になった。

$加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba


コンサートの大詰めは、この秋発売になる新曲「風歌」、「知床旅情」「百万本のバラ」へと一気に盛り上がった!
客席も歌い、ブータンの人たちもしっかり手拍子!
もちろん客席を走り回った私。
本当に素直に喜んでくれたみんなの表情が嬉しかった!

$加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

最後は、小学校から高校までの一貫校、「ペルキルスクール」のみんなと歌った「愛love peace」。英語の部分をブータンのゾンカ語にしてのびの歌ってくれた。みんなの屈託のない表情や、若者らしいカッコ付けはの表情は、日本と変わらないが、みんながひたむきで、力一杯歌ってくれたのがとっても新鮮!若い国の息吹がビンビンつたわってくる!

ブータンは、この一年で大きく変わり、首都ティンプーには400棟以上のコンクリートの六階建てが建ち、8000台の車が街に増えた。コンクリート建築はすべてインドからの労働者が働き、報酬もインドルピーになるため、外貨不足から金融危機が起こり、今年の3月、バブルが崩壊、今は、ローンの貸し出しを止めているそうだ。
のんびりとしたブータン人の暮らしぶりに大きな違いは感じられないが、田舎から都会への若者の流れは止められない!
GNPよりGNHを前面に押してきたブータンだが、お金の力に振り回されることにならないよう、どう国が舵を切るのか、今が正念場。

ともあれ、ブータンは、ブータン。水の清々しさに、山の気高さに、心が洗われる!
滞在最後の日は、パロのタクツァン寺院に登った。
標高3150メートルの聖地。
テクテクと歩き、一日がかりで、同行した登紀子倶楽部のメンバーと頂上を目指し、達成した!

$加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

本当に心から充実した旅だったと思う。
清々しい風はきっといつまでも変わらないだろう。
この地球からこれ以上聖地を失わせてはならない、と願いながら帰途についた。
旅行者がブータンを傷つけていることも確かだけれど、外からの力で守らなければならないものもある。良い旅行者であるよう、しっかりと肝に命じなければ!

登紀子