「収監の作家・文化人 中野刑務所1910〜1983」 を見て来ました。 | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

「収監の作家・文化人 中野刑務所1910〜1983」 を見て来ました。

10月30日から11月25日まで中野区立中央図書館で特設コーナー「収監の作家・文化人 中野刑務所1910~1983」が開催されている。その中に河上肇や三木清、小林多喜二などと並んで藤本敏夫の著書が並べられている。終わりに近づいた23日やっと見に行けた。

$加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

偉大な歴史上の人物と同列に藤本敏夫の本が置かれているのは、何か不思議な気がしたが、この棚の下の方に大杉栄の著書があるのを見て驚いた。

彼は大正9年(1919年)にこの中野刑務所の前身、豊多摩監獄に収監されていたのだ。
大杉栄は、私が20歳の頃、夢中になった恋人だった人!
誰より好きな思想家だから、何よりうれしかった!!
おまけに豊多摩監獄の建設は1910年に始まり5年後の1915年落成。
奇しくも、父の生まれた年が1910年、1915年大正4年は母の生まれた年だ。
この偶然も何だか不思議!!

建築物としてもとても美しく、大杉栄は獄中から伊藤野枝に送った手紙の中に、
「あのベルグマンの本の中にある絵、そのままのものだ。まだ新しいので気持ちがいい」と書いている。
藤本が入所していた1972年には、老朽化した建物にねずみがいっぱいいたらしいけど…。
今日は思いがけなく、20歳の頃の興奮がよみがえり、立ち読みした藤本の言葉にも新鮮な気持ちでふれることが出来た。
中野の街には気持ちよく風が吹き、本当に良い一日だった。
このコーナーは25日まで開催されているので、よかったら行って見て下さい。

その前11月22日にも、大きな出逢いがあった。
宇都宮に住む上野長一さんという農家の方が、長崎の浦上天主堂近くで1945年8月9日投下された原爆に被爆したイネを毎年、種を獲り育て続けていると聞き、そのイネを鴨川でも育てたいというので、頂きに行った。
「私にとってはお米を作ることは、平和を育てることでもあるんですよ」とおっしゃって素晴らしい魅力にあふれた方。
86歳のお父様も素晴らしい方で、いっしょに記念写真を撮らせて頂いた。

$加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba
手前の白く弱々しい穂が被爆イネ

$加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

原爆イネは遺伝子に損傷を受けていて籾に半分しか実が入らない。
このもの言わぬ証言の力はすごい。
このイネをたくさんの人に手渡し、あちこちで育てて行けたらと願わずにはいられない。アメリカやチェルノブイリ、それに劣化ウラン弾の投下されたアフガニスタンやイラクとも結んでいけたらと…。

さて、今週末の11月28日は廿日市のコンサート。
いよいよ「ほろ酔いコンサート」の初日。何だかわくわく!!
その同じ日の午後1時35分からNHK総合テレビ「イマジン“愛と平和”のメッセージ~ジョン・レノン没後30年~」に私、出演します。
「イマジン2001~2002」というアーカイブス作品を見て、ジョンを語る番組です。私の歌っている「イマジン」の日本語の朗読も…。
今年はジョンの没後30年、生誕70年の年だけに、ジョンの17歳までを描いた映画「ノーウェアボーイ」の上映もあり、ジョンがぐっと近くに感じられるような気がする。
今年の「ほろよい」のプログラムに「イマジン」を加えました。
廿日市のコンサート当日のこの番組是非是非見て下さい!!

大杉栄やゲバラやジョン・レノン!!
理想に燃えた人の存在は永遠に消えない!!
そのことに大きな感動がある!
今日はいい一日だった!!