ジープの機能美展 2014年http://homepage2.nifty.com/CCV/JEEP2014.html
実用車編となったその2 からの続きです (・ω・)/
あいにく小雨が降る日曜日ですが、会場の入間市博物館は多くの人でにぎわっております。
“機能美”さえあれば車種は問わないので今まで2CVやジムニーなども展示されました。
しかし虚飾を廃したという意味では軍用車にかなうクルマは無いと思います。
というわけで機能美のカタマリともいえるこの車を紹介せずにいられようか。いやいられない。
WILLYS MB "JEEP" (1945年)
1945年式のウィリスMBジープで、現在クライスラー・ジープ所沢 の所有です。
オリジナルに方向指示器や制動灯などを追加して公道を走れるようにしてあります。
そもそもジープとは…
えーっと、話すと長くなるのでこちら をご覧ください。たぶん合ってます (笑
えっ!それもマンドクサ?(´・ω・`)
まあザックリ言うと…
1940年に米陸軍の要求で作られたアメリカン・バンタム
の試作車を元に(中略)ウィリス・オーバーランド
が製作したウィリスMAを採用・改良、(中略)フォード・モーター
も生産に加わって大戦中の5年間に60万台以上も作られた四輪駆動多用途車… それがジープです。
結局、2社が統一の仕様に沿って製造したのですがウィリスはMB
、フォードはGPW
と呼んでいて細部に微妙な違いが見られます。フォードはパーツにマークを入れたり、コソッと改良したりしてますが、ウィリスMBとの互換性は保たれてます。
そのため現在残っている個体も戦場での修理や改造で両者のパーツが交じり合っている場合が多いようです。
なのでマニアの中にはフォードGPWのレストアには「Fマーク付きのパーツ」を使うという、マニアならではの楽しみ方(苦しみ方?)もあったりなかったり
そもそもジープは必要に応じてワイヤーカッター やラックを増設したり、救急車に改造したり線路を走ったり… 何でもありな車。
官給品なので勝手に改造するのはダメなはずですけど、現場優先ということなのかな?
まあそこは陽気なアメリカーという事でおk
おぉ!それこそまさに機能美ではないか!( ´艸`)
そんな大戦型のジープは今年2台が出展されていて、こちらもウィリスMBでした。
WILLYS MB JEEP(1942年?)
上記のジープと違ってフロントがスラットグリルになった初期モデルを再現してあります。
この見慣れない顔つきについてちょっと説明を
正式採用されたMBジープ、当初はWILLYS MA の面影が残るスラットグリル(左側)でした。
が!生産性が悪いということでフォードが提案したプレスグリル(右側)に変更になりました。
以降、ジープといえばこちらの顔つきをイメージする方が多いかと思います。
しかし、希少なスラットグリルジープに似つかわしくないこちらのイラスト。
オジサン世代には懐かしい未来少年コナン
に出てくるJimsy(ジムシー)ですな
ええ、もちろん時代考証は全く無視ですが…
ん!?ジープにジムシー?(-ω-`) ≡ (´-ω-)
どこかで見たことあるなと思ったら、以前大塚康生
氏が所有していたジープのようです。
当時描かれていたイラストを現オーナーが再現してあるんですね。
大塚氏といえばルパン三世 (1st)やムーミン、侍ジャイアンツ ほか多数のアニメ作品の作画監督やキャラクターデザインをした大御所的存在です。
そして軍用車両の研究家としても有名で、MVJ(ミリタリービークルジャーナル) を発刊しております。
創刊号より購読してきましたがVol.13以降、休刊状態なのが残念(終刊では無いと信じてます)。
そして何と!
機能美展に大塚氏がお見えになられたそうで、グローブボックスの裏にサインを描いてもらっています。
オーナーさんがパカッ!と開いて見せて下さいました。ありがとうございます。こりゃぁ家宝ですな♪
MVJをひっくり返して読み直してみると写真が載っていました。
たぶんこのジープだと思いますが、当時はかなり盛っていたようです (´∇`)
プレスグリルだったものをわざわざ「スラットグリルに付け替えた」とも書かれています。
そのため忠実にレストアしたというよりは、大塚さん流に楽しく仕上げたおもちゃ箱 とでもいえるジープといえそうです。
ん!?(-ω-`)
本によると「MBのエンジン、フレームにオチキス のボディを乗せた」ともありました。
オチキス社は戦後ジープのライセンス生産(日本で言うと三菱ジープみたいな感じ)していて外見はオリジナルジープそのもので、エンジンや細部に違いがあるとのこと。
…ってことはこれもオチキスボディだったのかな?
もっとよく細部を見て話を聞いておけば良かったですね。失敗失敗 (´ω`;)
そしてこちらのクリッとした大きな目玉のジープは戦後作られた民間用モデル。
WILLYS CJ-3A(1951年)
上記のMBジープ同様、クライスラー・ジープ所沢 からの出展です。
大戦後ウィリス社が民間向けに作ったシビリアンジープ(CJシリーズ)のひとつ。
実はこちら、鶴ヶ島にあるTIGER AUTO(タイガーオート) がレストアしたジープです。
(レストアの記録はこちら )
…で、シートに立てかけられてあったパネルをご覧ください。
そう、このジープはI.T.F.
代表の石川氏が以前所有していたあの青いジープですよ ヘ(゚∀゚ヘ)!!
~2012.6.10 撮影~
ここまで綺麗になっているとオフロードを走るのはもったいないですねぇ。
いや、ジープなので走らせないともったいないとも言えますが。
まあ、今まで十分に働いてきた車だと思うのでゆっくりと休んで欲しいです (-人-)
こちらはベトナム戦争でも活躍したジープ…いや、マット。
AM General M151A2 MUTT マット
オートジャンクション がレストア中のもので、ボディーはサーフェイサー姿です。
足回りとエンジンが別展示されていてとても見やすかったです。
M151というと "フォード・マット" というイメージですが、AM Generalになってますね。
これは製造がフォード → カイザージープ → AMゼネラルというふうに変わったためですな?
M151はモノコック構造になってデフがボディ側に付いていると聞いていたのですが、なるほどこういう構造になっていたんですか
A2の特徴であるリアのセミトレーリングアームもご覧のとおり、非常に分かりやすい展示です。
初期のモデルがサスペンション型式の問題で横転しやすいという事を受けて改良されています。
エンジンも単体で車体脇に展示。
ケーブルや配管が繋がっていないので、これだけで見るとすごくシンプルな印象でしたよ。
綺麗に仕上がった車も魅力的ですが、こういうレストア途中の過程を見られるのは貴重な機会ですね。
そういえば昨年もJ3ジープのじぷた(消防ポンプ車) が素晴らしかったです。
今回も機能美展にふさわしいお見事な展示方法でございました (´∇`)♪
そしておまけの子供用ジープ。
デパートの屋上で見かける遊具ですが、正式名称はなんていうんでしょうねぇ。
お金を入れなくても動くようカスタマイズされていて実際にグイングイン動いてました♪
以上、会場内の展示車両の様子でした。
今年は珍しく三菱ジープの展示がありませんでしたね。
三菱ジープというと持ち主の創意工夫が詰まった車というイメージがあって、見ていて楽しいんですよ
そういう楽しい車は例年駐車場で見られるのですが… 今年はあいにくの雨模様。
時どき駐車場に出て廻ったのですが例年ほど多く見かけられず残念でした
たぶんトラブルを心配して普通のクルマ(笑)で来場していたものと思われます
というわけでその4 では会場内の展示資料などをアッサリとご紹介したいと思います。
では、ゆるゆると続く ゚+。(*′∇`)。+゚
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