私が乳房再建をするかどうか悩んでいた時、そう遠くはない、でもそんなに近くもない未来を見据えて、両胸全摘手術と同時に再建を決意した。
心身共に傷が癒えた時に好きやった温泉に行く事、自分の体を鏡で見て本物じゃないとしても落ち込まへん為、色んな感情とか思いがあって再建をした。


生きてれば誰にだって癌のリスクは存在するけど、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の場合は更にリスクが高い。
医師にも卵巣がんの怖さについて言われたし、ネットで調べても、気付いた時には進行してて転移してる事が多いらしい。

だからか、例えば再建手術3年後に命が尽きると分かってた場合、乳房再建はしたんかな?とふと考えたりもする。
手術から丸1年くらいは元通りとは言われへん感じやった様に思うし、それやったら再建せずにおったんやろうか?と。

再建する、しないに関わらず辛いものは辛い。
でも再建した場合、手術時間は長いし、術後の生活は想像以上に大変やった。
でも、その大変さは期限があるから頑張れたわけやけど、期限の分からへん事に関しては頑張れへん事だってある。
期限の有無に関係なく選べる事、頑張れる事って結構難しい。

じゃあ、何年の為になら頑張れるんやろう?とも考えるけど、結局は分からへんから自分の中で遠くも近くもない未来を設定して進むしかないんかな。


そんな事を考えてると「明るい未来って何だっけ?」と口走ってた。
あれ?これ何やったっけ?と検索するとミスチルの「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-」やった。
そんなにタイトルが長いとは思わんくてキョトンとしたけど、歌詞を見て気付かされた。


「皆 病んでる」


「必死で生きてる」

せやった、せやった。
必死で生きようとしたから両胸全摘して再建手術までしたんやった。
その時の精一杯がその決断やったな、と数年経つと不安やら不満が出てきて、当時のピュアさが行方不明になってた。
タラレバを並べる今の私に何発もドロップキックかまして欲しい。
どんなキックか知らんけど。


んだ。んだ。
必死に生きよう。