降り積もる雪は無情にも | 雑踏水族館 -Crowd Aquarium-

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寒さの中で震えていた

寒い、寒い


僕はここにただ一人

きっと僕が温かくなれる術なんて無いんだ


ねえ、貴女の笑顔は仮面だったの?

それとも、貴女が嘘だったの?


最後に貴女がくれたもの

それ、今も傍にいるキミ

けれど、温かくなんてない


だって、撫でてはくれない

抱きしめてはくれない

何もしてはくれない


求めるばかりの僕が悪かったの?

なら、僕が全て悪くていい

貴女が僕の傍から消えたのも僕が悪かったから

そう、僕が悪い子だったんだ



でも、お願い
お願いだから僕が生まれたことが悪かったなんて言わないで
生まれてからの罰は受けるから

僕の一番の罪が生まれてきたことだって思いたくない



思いたくないよ



貴女の温度はもういらない

それがきっと僕への罰だから

貴女がくれたキミの温度で生きていく


そう心に決めても寒いんだ

昨日までここにあった温かさはもうここには無い


雪が降り積もっていく

溶けることのない雪が次々に積もっていく

寒いと口にしたって、誰も助けてはくれない

きっと、それも僕への罰なのかな

でも、涙を流すことくらいは許してくれるよね


温度のないキミを抱きしめると、何でだろう?

キミは温かくなってきた

ああ、これがそうだったんだ



そんなキミに微笑みかける僕

そして僕は目を閉じた

僕の上には、まだ雪が降り続いていた