殿山泰司「Jam Jam日記」にも出ているロバート・アルトマン監督「ナッシュビル」が新宿の武蔵野館で上映中です。殿山さんは、「ハリーとトント」のような映画なら日本でも作れるだろうが、ザ・フー「トミー」と「ナッシュビル」のような映画は日本で作れないだろう、というように書かれています。それもあって、見たかった「ナッシュビル」がようやく見られるということで行ったのですが、同じような人が多いのか、席の数は多くはないスクリーンで上映だとはいうものの、満員でした。
音楽がもちろん素晴らしいし、いろいろなタイプの女性が登場しますが、どのかたもみんなが個性的でカッコいいです。大人だなあ、と思わせるし、ふざけてんじゃないか、と思われるような、いかれっぽい女性も、最後に大活躍で泣かされます。
「M☆A☆S☆H」でもそうですが、監督は国とは何なのか、というようなことをいつも考えていらっしゃるようで、「ナッシュビル」では、国のあり方、政治のあり方は、個人には関係ないと思いがちですが、実は、女性ひとりひとりのあり方とも大いに関係しているということを言いたいようです。
ラストに、歌手を目指していて、ルックスは良いものの歌はヘタクソという女性が壁の花となり、カメラが遠くに引いていって、だんだん小さくなっていっても、彼女の姿から目が離せなくなるのが印象に残りました。
国とは、結婚とは、芸能とは、政治とは、たくさんの疑問に向き合い、ブラックなユーモアを交えながら、多層的に様々な性格の人たちが織りなすストーリーから目を離せなくなります。
加えて、70年代に興味があるなら、この映画は最高に素敵な70年代を映し出しているので、必見です。