試乗記 4台目「プジョー 407SW Executive3.0 」 | 記憶の中のイメージについての回想、とクルマのことも。
車体色 モンテベロ・ブルー


東京を走る宇宙船。
ゆったり、夜の幹線道路をくじらが行く。
ワタシ、トウキョウノコト、ヨクシラナイ。
ダケド、ヨルデモアカルクテ、ハシリヤスイヨ。

浮遊しているような感覚。
それが第一印象だった。
ヒタヒタとよく走る、滑る。

重たい車であることは確かだけど、そのゆったりした感じが心地よい。
大きな湖の上を滑る小船のような感じ。
緩やかに体を揺らしながら。

もうひとつの特徴は室内が明るいことだ。
ガラスの面積が広くて、開放感がものすごい。
夜でもまぶしい六本木を通り抜けて感動した。
車内に光が降り注いできたからだ。
それは、とても車に乗っている感覚ではなかった。

郊外へ向かう幹線道路に乗って確信した。
これは宇宙船だ。
ガラスに囲まれて、明るい空間に座って、静かに移動する乗り物。
大海原を回遊するくじらの体内にいるような錯覚を覚えた。

騒がしい外界から隔絶されて、ひとり静かな夜を楽しむ。
街灯もネオンも、夜を明るくして、407SWをタイムマシンにしてくれる。
宇宙と宇宙を結ぶ光速シャトルみたいだった。

操縦してるみたい。
運転じゃない。
ドライブでもない。
移動するような。

運転手は自分なのに、ハンドルを切ってもアクセルを踏んでも、ブレーキを踏んでも、とことん浮遊感がつきまとう。ゆったり、スムーズ、違和感なし。こんなに心を包んでくれる優しい車があったなんて、知らなかった。