ぐるっと東葛・松戸①「森の広場に松戸の歴史を訪ねて」 | The northwest-master blog

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The northwest part of Chiba area including cities of Abiko, Kashiwa, Nagareyama, Noda and Matsudo are so called TOKATSU area. ~東葛人の日常徒然日記~

野田・流山・我孫子・柏と続いた「ぐるっと東葛」シリーズ。

前回「常盤平さくらまつり」の話題も出ましたので今回は松戸です。

今回は常盤平からも近い「21世紀の森と広場」で松戸の歴史に触れてみます(^O^)/。

「21世紀の森と広場」とは松戸市のほぼ中央に位置する
「千駄堀地区」に50.5haの広大な敷地面積を持つ首都圏でも有数の市営都市公園です。
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↑「21世紀の森と広場」

松戸市制50周年を迎えた平成5年(1993)4月に開園しました。

東京近郊にもかかわらず、広大な園内には数多くの野生動物が生息して、バードウォッチングが出来きる自然観察舎や、縄文の森には竪穴式住居、木もれ陽の森アウトドアセンターでは野外バーベキューが楽しめます。
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他にも広い芝生の広場、自然散策路、池のほとりのパークセンターにはカフェテラスがありのんびりと遊ぶことができます。

また松戸の古代と都市化の歴史を知ることができる
「松戸市立博物館」や大規模なコンサートが行われる
松戸市文化会館「森のホール21」、隣には「県立西部図書館」などの施設があります。

公園の正面にシンボル的に存在するのが松戸市文化会館
「森のホール21」です。
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森のホール21は松戸市の市民文化都市のシンボルとし計画され、音楽を主体とした大ホール(1995席)演劇を主体とした小ホール(516席)他にリハーサル室、スタジオ、練習室、レセプションホールなどの機能を持っています。
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地域会合や子供のお遊戯会などでよく訪れますが、非常に立派な施設です。

2005年には東葛映画祭のオープニングがあり、柏や松戸の
東葛地区を舞台にした映画「SISTER」を観ましたが音響も素晴らしかったです。
特徴でもあるガラスの外壁は半径105mの円弧が140mにも渡るモノで公園の光の変化と自然のうつろいを写し出すスクリーンとなっています。

21世紀の森と広場を貫く道路の下のトンネルをくぐり
松戸市立博物館へ。
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松戸市立博物館は森のホール21の反対側にある博物館。
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ここは旧石器・縄文時代から松戸が都市化に至る団地の誕生までの三万年の歴史を体験できる常設展示や特定のテーマについて開催する特別展・企画展が展示されています。
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総合展示室 「狩と採集のムラ」。
展示室に林が再現されています。

入口からエントランスに入ると一自治体の博物館としては驚くほど豪華なつくりで、チケットを売る人の3m先にチケットを切る別の人がいますΣ(~∀~||;)(笑)。

また数m毎に学芸員さんが立っていて展示物の説明をしてくれます。
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市内には貝ノ花貝塚や河原塚古墳などがあり市内から出土した土器などが展示されています。
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縄文時代の竪穴集落の想像模型です。
すごく精密で驚きます。 
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常設展示も映像や模型を駆使してわかりやすくなっています。
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↑戦国時代、東葛地域最大の勢力領主・高城(たかぎ)氏

特に精密なジオラマ模型が多くて、歴史をあまり知らない人でも楽しめます。
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↑松戸宿から江戸川、三郷方を望む

江戸時代の水戸街道・松戸宿のジオラマです。
現在の松戸駅周辺にあたりますが、当時の様子を精密に再現しています。
当時の松戸が水運や交通の要所だったことが伺えます。
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↑恐るべき松戸市立博物館クォリティー(笑)!人や野菜の一つ一つまで再現!


時代をたどって、ついに、昭和、そして戦後の展示となります。
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松戸市の誕生
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↑新京成の開通。松戸駅の写真


感動したのが、実家がある昭和30年代の新京成常盤平駅

(当時は金ヶ作駅)北側の巨大ジオラマ!

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特別場所は書いていなかったのですが、道路など地理があまりに似通っているため学芸員さんに聞いてみるとまさにそのあたりでした。
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小さい頃遊んだ神社やお寺、農家の周りの小道など…
一番近い商店までこの脇を通っていったっけ。
懐かしすぎて涙が出ますね(゚ーÅ)。

敷地内の小屋まで忠実に再現されていて思わず見入ってしまいます!

お話によると当時の航空写真や現地調査に基づいているらしく恐るべきこだわり方!
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↑現在の金ヶ作中学校のあたりからちょうど柏の南増尾との境を見てみます。
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↑現在の金ヶ作育苗圃、県道市川柏線(増尾街道)の方向から常盤平駅方向を見てみます。
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↑現在の金ヶ作自然公園と加藤ぶどう園のあたりです。
左方面に行くと柏南逆井に行く小道です。
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「おじいちゃん家もないし周りも何もないよ」(子供たち)

「このちょっと後くらいに東京から越してきたんだって。
でも道の広さは今もあまり変わらないね」(パパ)

この辺りは今でも東葛の典型的なムラの面影が残されている場所でもあります。
ここはまさに東葛の原風景が再現されています!

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そしていよいよ松戸市立博物館の目玉でもある常盤平団地の展示が現れます。
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昭和35年の住宅公団が最初に開発した常盤平団地を再現したという展示。
博物館の中に、団地の建物がそのまんま切り取られたようにそびえています。

常盤平団地は市の北西部に位置し、首都圏の住宅都市として先駆けとなりました。


すぐ近くの柏の光ヶ丘団地と並んで、旧日本住宅公団による初の大規模団地造成でもありました。


当時はダイニング・キッチン・水洗トイレを備えた最新の住宅で、「団地族」という言葉が流行するほど注目を集めたそうです。

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まずは常盤平団地の案内図。

はいはい、こういうのが実際にありました(^O^)/。
団地にも友達がたくさんいて団地内の公園でよく遊びましたね。
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ベランダから団地のとある一室に侵入可能なように順路が組まれています。
階段を上って中に入るとそこはまさに昭和30年代の家族が住んでいたであろう部屋が完全再現!
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再現されている部屋は非常にリアルで、間取りや小物などもそうとう凝っています。
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室内の再現ぶりには、博物館だということを忘れてしまいそうです。

レトロな家具や家電、あの時代独特の柄、くずかごから茶碗のひとつに至るまでこだわりまくり、まさに昭和30年代の団地の一室の空気そのものが再現されています。
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電気釜、オーブン、ミキサー…。家具もイスも当時のものです。
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本棚の本、食器棚の中の器にまで時代考証が及んでいるというからすごい。
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食卓の上には派手な色合いの当時らしいケーキが並び、畳敷きの部屋にカーペットを敷いて洋間として使っているところも笑えないくらいのリアルさ。

置かれている白黒テレビでは昭和35年当時のニュース映像やバヤリースのCMなどが流れています。
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風呂やトイレの中も覗けるようになっていますf^_^;。
ここにも細部にわたる松戸市立博物館クォリティーが!
桶の中に石鹸まであります。

当時、最先端のモダン住宅、常盤平団地はいままでの日本の住宅にはなかった2DKという間取りと、ダイニングキッチンが大きな特色でした。
いすでの生活や、パンや肉・卵をたくさん食べる生活は若い世代の羨望の的であったそうです。

その再現があまりにもリアルなために、雑誌やメディアなどで多く取り上げられ今でも「ALWAYS三丁目の夕日」的なファンが多く松戸市立博物館を訪れるそうです。
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常盤平団地の誕生は当時一農村にすぎなかった松戸が有数の都市として急激な成長を遂げる契機となりました。
ここはまさにタイムスリップした感覚が味わえます。

さらに先へ進むと松戸の細かい展示があります。

松戸が原産の二十世紀梨の原木が展示されているコーナーがあります。
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今では鳥取が名産ですが、二十世紀梨は明治21年(1888)松戸覚之助という人によって松戸で発見されました。
二十世紀時代の品種となるだろうとの意味で、明治37年(1904)に命名されました。
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↑二十世紀梨の原木


以後全国に苗木が普及し、青梨の二十世紀は赤梨の長十郎とともに、二大品種となりました。
その原樹は、昭和10年(1935)天然記念物に指定されましたが、第二次世界大戦中の空襲で焼け、枯れてしまいました。


また隣には「虚無僧寺一月寺」という展示室があり、「虚無僧」の歴史を学ぶことができます。
「虚無僧」とはカゴのようなものを頭にすっぽりかぶり、尺八を吹いて歩く姿がイメージされると思います。
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展示室に足を踏み入れます。

中央に立つ虚無僧像。

やや薄暗い照明の中に浮かび上がるその存在感は強烈です。
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虚無僧が生まれたのは17世紀のこと。

浪人やかぶき者の中から尺八を吹いて托鉢修業する者が現われそれが「虚無僧」と呼ばれるようになりました。


その宗祖であった「普化宗」の総本山「一月寺」があったのが松戸の小金です。

普化宗ではお経のかわりに尺八を吹くことが修行とされたいたと言われています。
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虚無僧の中には貧窮した武士や罪人なども含まれていたため、顔を隠す必要が生じてカゴ(「天蓋」と呼ぶ)を被るようになったとか。

展示室内には尺八についての解説やビデオ上映もあり、虚無僧に詳しくなれること間違いなしです。

博物館の入り口にある受付ではなんと「虚無僧ストラップ」が売られていました。

実際つけるかどうかは別としていずれ手にしておきたい一品です(笑)。


建物を出て博物館の裏手にある、縄文時代の竪穴式住居を再現している縄文の森を訪れます。
3棟の内、1棟が開放されており中に入ることができました。
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内部で学芸員さんが薪を焚いています。

煙が充満してさながら縄文人気分です。
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市立の博物館としてはちょっと立派すぎる感はありますが、松戸の歴史をじっくりと学ぶことができます。


松戸「松戸市立博物館」
http://www.city.matsudo.chiba.jp/m_muse/
松戸市千駄堀671

一般300円
高校生・大学生150円
小学生・中学生100円

休館日
月曜日(ただし祝日にあたるときはその翌日)
館内整理日(毎月第4金曜日) 年末年始(12月28日~1月4日)

JR武蔵野線新八柱駅・新京成線八柱駅下車
松戸新京成バス小金原団地行「公園中央口」下車徒歩1分


最後に「21世紀の森と広場」の公園内を覗いてみます。


光と風の広場です。小川が流れていて水遊びができます。
肌寒く、平日の午前中なので今日はあまり人がいませんが、休日ともなると広大な芝生の広場でフリスビーやバドミントンなど、のんびりとした休日を過ごす家族が目に付きます。
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↑光と風の広場
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開園記念モニュメントです。光と風の広場近くの中央口付近にある、21世紀の森と広場の開園を記念したものです。
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東京ドームと同等の広さで、豊かな水を湛えている千駄堀池
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千駄堀池の畔にあるパークセンターに入ってみます。
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松戸市周辺の自然に関して展示しています。館内には図書スペースもあり、学習・研究などにも利用で来ます。
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カフェテラス『プレリュード』で一休み…。
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「21世紀の森と広場」は四季折々の花々も美しく、今度は天気のいい日にきちんとルポしたいと思います(^-^)/。

ぐるっと東葛、松戸編①でした。


松戸市千駄堀269

アクセス 松戸市立博物館と同じ