1.歴史

唐紙とも呼ばれる襖は間仕切りとして、書院造りが流行した室町時代に発生したと考えられています。それまで部屋の区画には屏風や几帳(きちょう)・衝立(ついたて)が使われていましたが、障子より丈夫で光を遮断する襖は部屋を仕切る以外にも、押入れや戸棚の戸など活用の場を広げていきました。

   桃山時代の書院造りでは武士家の好みを反映し、華麗な襖絵が描かれるようになり、江戸時代には庶民の間にも広がっていきました。今日でも襖は実用と装飾の役目を担っています。

 2.現代   

   住宅の洋風化が進み、設備が完備している現代でも襖が馴染み深い理由に、引き戸がドアにとって変わることのできない機能を備えていることがあげられます。欧米化された住宅やマンションにも和室が設けられ、仕切りのほか押入れや袋棚に用いられるのはそのためです。

   襖には縁の有無や張り方で種類が分かれますが、その素材は多様化し、昔ながらの紙や高級感のある布製のほか、子供部屋などに適した丈夫なビニール製も出回っています。


次回は、茶室です。!!

障子

 1.歴史

   障子の原形は住宅の内部を仕切る際に使われた衝立(ついたて)と考えら 

   れ、奈良時代は板戸で仕切っていたものが、襖が登場した後、平安時代

   の末期に入って外光を採り入れるための紙張り障子(明かり障子)が考案されました。

   室町時代になると板戸明かり障子を組み合わせた腰高障子が出現し、桃山時代に移って茶室建築が盛んになると桟の配列などにデザイン的要素が加わる一方、水に強い油障子などが考案されますが、庶民の住宅に普及するのはずっと後のことです。

 2.現代

   部屋を閉ざしながら室内に光を採り込む障子は、日本の代表的建具であり、和室の美しさを象徴する要素といえます。

   現代では紙張り障子のほか、夏に用いるすだれ障子や紙の代わりにガラスを入れて両面で、違う印象を与える東障子など、用途に応じてさまざまなものが考案されています。障子に使われる和紙は外光を和らげるほか、適度な通気性と断熱性を備え、汚損しても張り替えられる利点もあり、今日では洋室に用いられることもあるようです。


次回は、襖です。!!

天井

 1.歴史

   古代では、天井は承塵(しょうじん)と呼ばれ、塵や雨漏りを防ぐために竹や丸太を井の字形に組んで、その上にむしろや板を敷いたのが始まりで、この形から格天井が発生したと考えられます。

   当初は素朴な機能的要素から考え出された天井は、やがて装飾的な構成美が求められると共に、軽く見せたい要求が生じて細い材質の竿を平行に並べた竿縁天井が生まれました。室町時代からは格天井、竿縁天井ともに多く見られるようになり、後に竿縁天井が主流となっていきました。

 2.現代

   現代に入ると、単純さを求める傾向から目透かし天井が主流となり、断熱・防火・遮音・照明の手段としての機能的意味が大きくなって、空間

   構成のための意匠的役割は影をひそめました。

   しかし、空間意匠として美しくなる高さは重要で、実用上不都合がなく心理的な抵抗感のない高さを設定することが大切です。

   昔は天井の高さが格式を表すと考えられていましたが、今日では暖房の

   効率なども考慮され、低めになる傾向がみられます。


次回は、障子です。!!



 1.歴史

   古くは「古事記」に記述がみられる畳は、当初たたむことを意味し敷物すべてを指していたと考えられます。平安時代までは屋敷全体が板敷きであり、使う時のみ用いる「置き畳」が、床の一部に敷かれるようになったのは鎌倉時代に入ってからのことです。

   やがて室町時代で広まった書院造りとともに、畳は室内全体に敷きつめられるようになりました。江戸時代には、畳敷きが広まりましたが、これは武家屋敷に限られ、庶民の住居に普及したのは明治以降でした。

 2.現代

   畳は、わらとイ草に少量の布や紙、木を加えたもので形成することにより耐久性を発揮する、日本独特の床材ですが、現代住宅の欧米化に伴い、床面積における畳の割合は減ってきました。

   しかし、日本人の皮膚感覚によって発明された畳は弾力性に富み、断熱・

   吸湿・吸音効果に優れ、日本の気候風土や生活習慣に最も適しているといえます。最近では畳の良さが見直され、和室以外でもインテリアとして利用したり、畳素材の小物が人気を集めています。

次は、天井です。!!


書院

 1.歴史

   書院とは、床ノ間に接して設けられた障子窓を指さしますが、鎌倉時代

   に描かれた「法然上人絵伝」に見られるように、一間の幅だけ壁を濡れ 

   縁に張り出して窓を設け、机を置いたことに始まります。自然光を入れて学習するために考案され、出文机(だしふつくえ)とも呼ばれていましたが、やがて室町時代に入ると机としての実用性を失い、文房具などを

   飾る場所へと変化して建物全体が書院造りと呼ばれ、後に桃山時代から

   江戸時代にかけて広く普及していきました。

 2.現代

   書院には、本書院または出書院と呼ばれる机状の出窓である付け書院と、

   明かり書院と呼ばれる略式の平書院があります。いずれも書見のための自然採光が目的で、照明設備の整った現代住宅では室内装飾の一部と考えられています。書院を造るには八帖以上の広い部屋が効果的であるため、今日では純和風の床ノ間や接待用の和室以外では少なくなりましたが、障子で書院の雰囲気を演出するなど、現代的アレンジの中にも伝統を生かす工夫がみられます。


次は、畳です。!!