「東京タワー」も「ネバーランド」も時間があわず、
内容も出演者も知らずにチケットを買ったのが
この『インストール』だった。

待ち時間の間に売店のパンフをのぞいてみたら、
上戸彩主演。

原作は綿矢りさ。

女子高生と小学生が、人妻になりすまして
ネットでエロチャットのアルバイトをする、という話。

なかなかよかった。


学校へ行くことをやめた高校生の、
現実と妄想とセンチメンタル。

17歳という若さ特有の感性が、
私のゆるゆるの感性の表面を、
ザラザラザラ~~ っと削っていくような感触のある映画だ。

確かにあの頃、
自分のこと、学校のこと、
大人のこと、性のこと
をあんな風に見ていたことがあった。

綿矢りさの文体 (読んでいないので、勝手にそう思っているだけだが)を、
主演の女子高生を演じた上戸が自身でナレーションするのだが、
これがまた、なかなかいい。

上戸彩というと、
バリバリのアイドル。
顔自体はそんなにアイドル顔じゃないけど、
長~いマツゲがかなり印象を変えている。
というくらいの認識だったが、

彼女はむしろ「映画的」な女優だ、と認識を新たにした。
(あのスクリーンのドアップにたえるキレイな肌だけでもさすが。
いいなー、若い肌。)

そしてそして、
なんともいいのが、やっぱり神木隆之介くん。

「ハウルの動く城」などにも声の出演をした
大活躍中の子役さんですが、
彼は本当に素晴らしい。

原作の存在を知らなければ、
この映画は彼のためにつくられた、とさえ思ったかも。
彼なしには、この作品の雰囲気はでなかった。

うまいなー。
それにかわいいなー。

上戸彩と神木くんは、
以前TVドラマ「涙をふいて」でも共演してたな。
姉弟役で。
2人そろって、素敵に成長してる。


それにしても、唯一気になったのは、
映画館のお客さん。
どー見ても上戸ファンの、
さえない感じの30歳前後の男性一人客。

私は映画観てて「エロ発言」とかについ笑っちゃったりするんだけど、
彼らは無言。反応なし。

神聖なる僕らの彩ちゃんのエロ発言を、
そんな風に笑うな、
という無言の圧力を感じる。(勝手に、だけどね)

まさに、映画の中にでてきた、
「バーチャルな恋愛、バーチャルな性を求める男たち」
が、現実にここにも、ということか。

それはそれで、リアルなことだな。


映画後、
納豆を買って帰宅する。