中国における生活実態からかけ離れた投機目的のマンション群が建設されはじめたのは、おそらく1990年代、鄧小平・江沢民・李鵬政権時代だろう。
鄧小平は、自身が文革で弾圧された「実権派」とされたことで、長い不遇時代を経験した。毛沢東の死後、最高実権を得てやったことは、中国を「中国共産党のヒモのついた資本主義国家」に変えることだった。
これによって、鄧小平資本主義は、中国共産党官僚たちの企業利権の狩場になってしまった。
これが、いわゆる改革開放路線である。これは江沢民にも引き継がれた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%B9%E9%9D%A9%E9%96%8B%E6%94%BE
鄧小平自身は、中国を豊かにし、「結果、豊かになった者は貧しい者を助けよ」とトリクルダウン式のビジョンを描いていたが、現実は、凄まじい格差の拡大だけになった。豊かになった者は、貧しい者をますます激しく搾取する時代がやってきた。
中国共産党は、土地私有制を否定し、基本的に「土地は国家の財産」であるとし、国家と個人の間で、(40年~)最大70年間のレンタル契約しか認めないとしている。
これは、当初、地主による土地独占を排除し、民衆の土地利用の平等性を担保するというタテマエだったが、現実には、土地を与える中国共産党官僚の巨大な利権と化した。
https://www.y-history.net/appendix/wh1601-095.html
この土地貸与利権によって、中国共産党幹部は、経済特権階級の地位を確立し、非常に深刻な賄賂特権社会が成立したといっていい。
共産党最高幹部クラスでは、数兆円規模の海外隠し財産があるのが普通であり、習近平自身も最近数千億円の私財をタックスヘイブンに隠している事実が暴露されたが、公表された金額は少なすぎる、最低でも30兆円は隠しているとの評判になっている。
以下のリンクで、総額で20兆米ドル=3000兆円の、中国共産党幹部の海外退避資産があるといわれる。中国共産党幹部は、いつ失脚させられても、海外に退避した資産で、悠々自適の老後を確保するための保険を、密かに用意していたのである。
このため、子弟を海外留学させ、いざというときの逃亡先を準備させているのが普通といわれる。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/14913
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-35984040
土地私有制のある国家では、ほとんどの国で、私有制を法的に保障する代償として「固定資産税」を徴収している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%81%E7%9A%84%E6%89%80%E6%9C%89%E6%A8%A9
だが、中国では土地は国家資産であるため土地固定資産税はない。代わりに貸与契約があるが、詳細は以下のリンクにある。
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=63593?site=nli
70年のレンタル期間が終了すると、基本時価の3~4割を更新料として徴収されるようだ。
「土地使用権」の法的概念が確立したのは、」1990~95年あたりなので、70年更新期日は2060年あたりになる。
ちょうど、この頃から、中国全土で改革開放派(資本主義派)によるマンション群の乱造が始まった。
理由は、土地使用権の実務を担う地方政府が、マンション建設によって巨額の認可・使用権貸与などの利権を得られることに味を占めたからと考えられる。
2023年段階で、中国には34億人の人の住むアテのない(電気ガス水道などの生活インフラが存在せず箱物だけの)「鬼城」と呼ばれるマンション群が建設された。
34億人分の新築マンションを建設?!暴走する中国の都市開発―香港紙 Record China 2016年7月19日
https://www.recordchina.co.jp/b145111-s0-c30-d0042.html
なぜ、資本主義の需給原理から外れた、こうした虚構建築が巨大規模に行われたかというと、第一に地方政府幹部たちが土地利用、マンション建設の許認可、使用権貸与契約で、味をしめてしまったこと。
それは野生動物の熊を餌付けしたようなものだった。許認可の餌を求めてどんな無謀、無計画なことでも暴走するようになったのだ。
次に大問題なのは、宮崎正弘の解説によれば、ドイツ銀行がマンション建設に介在し、建設された区分所有権に、ちょうどサブプライム債権に似た債権を設定し、たくさんの不動産を切り貼りして、理財商品として世界の金融機関に売りさばいたことだった。
高金利なので、経営状態の悪い世界の金融機関は、切り貼り債権に飛びついて、超巨額の利益が、マンション建設企業に転がり込んできた。
これを、世界のどの金融機関がどれほどつかまされているのかは、ドイツ銀行自身でも、あまりに複雑で規模が大きすぎて分からないのだという。
この債権は、現在、大半90%以上が不良債権と化しているのだが、大元のドイツ銀行が倒産したという話を聞かないのが、世界の金融七不思議である。
もし欧州最大級のドイツ銀行が潰れたら、その影響はEU全土に及ぶだろう。EUと中国は一蓮托生なのだ。
ドイツ銀CEO、中国リスクに言及 「独の景気後退不可避」とも By Reuters 2022年9月7日
https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2Q80VA/
とりわけ、CDSやレバレッジを引き受けてるローカル銀行は、事実上「おまえはすでに死んでいる」状態だろう。負債情報がネット上に出てこないので、誰が中国鬼城債権を購入しているのか、ほぼ分からない。
ドイツ銀行関連の情報は、あきらかに隠されている。まだこれからの問題だ。
2013年段階で、34億人分の利用するアテのないマンションが建設されたわけだが、これが、建設の行き詰まった2022年いっぱいまで続いたといわれるので、おそらく、40億人分を超えるマンションが建設されたことだろう。
一世帯3~4名としても10億人分以上であり、現在の中国総人口は大紀元が暴露したところでは約10億人前後といわれるので、10億戸以上が、幽霊の住む鬼城になっているわけだ。
ところで、今日、この話題を書いている理由は、昨夜、友人のY氏から電話があり、恐ろしい話を聞いたからだ。
Y氏は、中国関連の仕事をしていて中国語も堪能な上、上海や香港、台湾を頻繁に訪れていて、現地の事情に詳しい。
Y氏によれば、10億戸の空き家が林立する鬼城マンションについて、電気水道ガスもなく、トイレも使えず、エレベータも動かない高層マンションの区分所有権だけ持っている人々が、この空室を何に使っているかという情報だった。
それは「墓場として使用されている」というものだった。
鬼城(幽霊)マンション群に、遺体がそのまま安置され風化に任せている。文字通りの鬼城になっているというのだ。
新型コロナ禍で、膨大な死者の出た中国では、火葬が間に合わず、火葬場前に順番を待つ行列が数キロも続いて、十日ほども待たされることもあったというのだ。
だから、死者を抱えた人々は火葬を諦め、遺体を鬼城マンションに入れて風化に任せているというわけだ。これでは、マンション群が再生されて人が住む街になることは不可能だろう。
実は、似たような事例がアメリカ・ニューヨークでも起きたことがある。
かつて、100年近く前、裕福なユダヤ人の居住区だったサウスブロンクスは、やがて劣化し、スラム街へと変貌し、毎日のように強盗や殺人が起きる危険な街となった。
マンション群が劣化したことで、修理再生を行おうとしても、業者たちが拒否する。行けば殺されると恐怖していたのだ。
数十年前に、どうなっているのか視察をレポートを試みたジャーナリストがいたが、空き部屋は糞尿の貯め場になっていた。生活インフラもないので、マイナス20度の寒気を逃れて、ただ寝るだけの場所になっていたそうだ。
そして、殺人被害者が倒れていても、救助する人も、始末する人もいないので、至る所に死体が散乱しているという状況だったらしい。
(現在は、取り壊されているようだ)
中国の鬼城マンション群も、似たような状況になりつつあるようだ。
コロナ禍で亡くなった人々の遺体が散乱しているのだという。だが、中国共産党は、この種のネガティブ情報を完全にシャットアウトし、削除しているので、外部には一切情報が伝わっていない。
もちろん、中国で唯一利権を享受している中国共産党員の富裕層は、こんな恐ろしいマンション群に住むはずがない。
みんな豊かなので、日本やシンガポール、タイなどのタワマンを購入し、移住している。
各国とも金持ちは大歓迎なので、すんなりと移住、永住権を認めているようだ。
今や、東京お台場のタワマン群の多くが、中国共産党員(富裕層)御用達地域になっているらしい。
https://mainichi.jp/articles/20240325/k00/00m/020/054000c
湾岸タワマンの「中国ニューリッチ」増殖の実像 東京の「豊洲」を中国人パワーが席巻している
https://toyokeizai.net/articles/-/696814
中国の富裕層は、自分たちでさえ住めないマンション群を40億人分以上も建設し、それがゴーストタウンになると、日本のタワマンに逃げてきた。
私には、中国人が東京のタワマンで、中国人社会を作ったとしても、それが繁栄するようにはとうてい思えない。
やがて、彼らの購入したマンションに。遺体が散乱する日が遠くないようにさえ思う。
日本に来た中国人富裕層は、例えば在日華僑総連会長、ラオックス会長の羅怡文は、妻の李吐に、東京博善という葬儀会社を経営させた。
そして、東京の火葬場の8割以上を独占し、火葬料金を暴騰させた。
札幌市は無料、名古屋市は5000円、横浜市でも1万数千円なのに、東京で火葬を行うと、料金が9万円に、骨壺を半強制で買わされ10万円以上かかることになった。
東京は、中国人富裕層に乗っ取られつつあるのだ。日本人が追い出されてゆく……。
中国人が火葬場を買い占め、凄まじい料金値上げを始めた 2024年06月10日
https://hirukawamura.livedoor.blog/archives/6139608.html