私が中国共産党の暴走を懸念する理由 | tokaiama20のブログ

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 私は、中国の本質と必然性は、魯迅の阿Q正伝と、パールバックの大地を読めば理解できると考えている。中国は、阿Qの時代から、たぶん一歩も進歩していない。
 あらすじは以下のウィキリンクをみれば、ある程度理解できる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BFQ%E6%AD%A3%E4%BC%9D

 『阿Q正伝』は魯迅の小説。1921年12月4日から1922年2月12日にかけて新聞『晨報』の週刊付録に一章ずつ発表されたもので、魯迅唯一の中編小説である。
 (志賀直哉の「暗夜行路」と同時期)

 主人公は、観念操作で失敗を成功にすりかえる「精神勝利法(英語版)」、面従腹背、卑屈と傲慢の二面性など、封建植民地社会内における奴隷性格の典型といえる人物で、その後「阿Q精神」は、このような性格の代名詞ともなった。

 時代が清から中華民国へ変わろうとする辛亥革命の時期、中国のある小さな村に、本名すらはっきりしない、村の半端仕事をしてはその日暮らしをする日雇いの阿Qという男がいた。

 彼は、働き者との評判こそ持ってはいたが、家も金も女もなく、字も読めず容姿も不細工などと閑人たちに馬鹿にされる、村の最下層の立場にあった。そして内面では、「精神勝利法」と自称する独自の思考法を頼りに、閑人たちに罵られたり、日雇い仲間との喧嘩に負けても、結果を心の中で都合よく取り替えて自分の勝利と思い込むことで、人一倍高いプライドを守る日々を送っていた。

 ある日、阿Qは村の金持ちである趙家の女中に劣情を催し、言い寄ろうとして逃げられた上に趙の旦那の怒りを買って村八分になり、仕事にもあぶれてしまう。
 食うに困って盗みを働き、逃亡同然の生活を続けるうちに、革命党が近くの町にやってきた事を耳にした彼は、意味もわからぬまま「革命」に便乗して騒いだ結果、革命派の趙家略奪に関与した無実の容疑で逮捕される。

 無知ゆえに筋道たてた弁明も出来ず、阿Qは流されるままに刑場に引き出され、あっけなく銃殺されてしまう。集まった見物人たちは、銃殺は斬首より見栄えがしないなど、不満を述べたてるのだった。

 背景
魯迅は日本に留学し、仙台医学専門学校(現東北大学医学部)で解剖学を学んでいた。ある日、教室で日露戦争の記録映画が上映される。その中にロシア側のスパイ容疑で日本軍に捕まった中国人が銃殺されるシーンがあり、刑場の周囲で同胞の銃殺に喝采する中国人民の無自覚な姿に、魯迅は衝撃を受けた。この体験や心境の変化は、魯迅の小説『藤野先生』に描写されている。

 あのことがあって以来、私は、医学などは肝要でない、と考えるようになった。愚弱な国民は、たとい体格がよく、どんなに頑強であっても、せいぜいくだらぬ見せしめの材料と、その見物人となるだけだ。
 病気したり死んだりする人間がたとい多かろうと、そんなことは不幸とまではいえぬのだ。むしろわれわれの最初に果たすべき任務は、かれらの精神を改造することだ。そして、精神の改造に役立つものといえば、当時の私の考えでは、むろん文芸が第一だった。そこで文芸運動をおこす気になった。(竹内好訳『阿Q正伝・狂人日記』(1955年)岩波文庫)
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 一部引用以上

 私には、阿Qや大地に共通する中国の本質は、序列主義をもたらしている儒教の反映のように思える。
 儒教の創始者孔子といえば、論語に以下のような男尊女卑思想が描かれている。
「唯女子与小人為難養也」 (女と小人ほど扱いにくい者はない)
 「女人頭髪長、見識短」 (女は髪の毛が長いが、見識が低い)

 生涯に妻を4回追い出したと記録されている。いずれも「メシがまずい」というようなDV夫特有の理由らしい。早い話を女性を見下しているわけだ。
 男女差というのは生物学的な役割としての男女差であって、女は男のような論理的・攻撃的思考があっては子供をうまく育てられないため、人を情緒的に理解するように母性がプログラムされている。

 もし男女が完全に同じで、女性特有の情緒性が与えられなかったとすれば、人類はとっくの昔に、子育てを放棄して絶滅していただろう。
 それは犬猫や動物たちの我子への愛情=母性を見れば、簡単に理解できる本質だ。
 この生物学的プログラムに対し、孔子は、男の侵略的論理をタテに女性を無能で下劣な存在と決めつけ、人間界の最初に、男女の差別序列を設けた。

 孔子の体系化した「儒教思想」を一言で言い表せば、それは「序列」である。
 人には生まれながらにして能力の序列があり格差がある。序列が下の人間は、上の人間を敬い、従順に従うことが国家の安泰にとって一番大切な本質というわけだ。

 この序列思想は、国家権力を正当化しようとする為政者たちに驚喜して受け入れられた。以来、2500年間、あらゆる国家権力は儒教思想を宝石のように大切にした。
 日本でも、最初、奈良時代以前に百済から秦氏とともに帰化した王仁が、広めたとの記述が日本書紀にある。しかし、これを国教思想として全国に強要したのが、徳川家康だった。

 家康は、国家安泰のための思想として、「二分化対立」というシステムを産み出した。日本中のあらゆる力のある勢力、例えば山伏とか大工とか木地屋とかを、ちょうどアメリカにおける民主党・共和党の二大政党制のように、必ず二大勢力に対立させて互いに競わせ、その争いを上から調停する体で、権力支配を正当化するというものだった。

 次に、林羅山らに命じて、全国の藩に「藩校」という思想教育施設を作らせ、「人間関係は序列を守ることで安定が生まれる」という儒教=朱子学の思想を全国民に洗脳しようとした。他方で、士農工商の身分差別を政令で定着させた。
 もう一つ、「五人組」という、個人身分を保証する連帯共同体を作らせたことも重要で、ここでも身分制度の教育が行われた。
 これが人類史最長の、江戸幕府264年の安定政権を保障した本質である。

 さて中国に戻るが、私は1970年前後は、日中友好協会正統本部の若年活動家だった。1971年名古屋で行われた世界卓球大会のときも、中国選手を、当時凶暴だった右翼勢力から守る親衛隊組織に加わっていた。
 それが直後に、歴史的なピンポン外交に発展するとは夢にも思わなかったが。

 当時、文革の最中で、偉大なチャンピオンだった荘則棟や林美群などの中国選手は、たぶん紅衛兵派だったと思う。しかし、紅衛兵による膨大な殺人は一切、情報がなく、彼らの精神の純真さが手に取るように理解できた。
 後に、荘則棟が大会の通訳だった日本人女性と結婚し、批判されて死に追い込まれたことを知った。

 私は、当時、毛沢東語録を懐に忍ばせ、バッジをつけて街を闊歩した。「愚公山を移す」などの内容は、すらすら思い出せた。
 私が文革の身の毛もよだつ恐ろしさを知るようになったのは、毛沢東の後継者と見なされていた林彪が毛沢東の指示によって撃墜殺害されたこと。そして、敬愛していた周恩来が、毛沢東の指示によって癌を治療されずに病死させられたことを知ってからだ。

 この頃、私は冒頭で紹介した阿Q正伝や大地を読みながら、中国の本質を朧気に理解することができた。
 中国社会の本質は、儒教による序列だったのだ。そして序列を守るための見栄だ。自分の実力以上に大きく見せたがる見栄が社会の原動力になっていると思った。

 私の姉の夫は当時、日中旅行社にいて日本の僧侶たちを中国に連れていっていた。(今は自分が住職になっている)
 彼が紹介してくれた中国人たちは、一様に暗い顔をしていた。人間的な温かみを見いだすことのできない人が多かった。

 中国人たちの顔を見て、「中国は不幸な国なのだ」と思った。
 その理由は、阿Q正伝が見事に語っている。そして魯迅を高く評価した毛沢東が、中国の歴史的な悪を自分自身で体現していた。

 中国では、2014年段階で、人口の3倍に迫る、誰も住まない「鬼城」と呼ばれるマンション群を際限もなく建設し続けていた。
 https://president.jp/articles/-/63560?page=1
 これは2014年当時のデータなので、建設が事実上止まった2023年まで、おそらく50億人分近い人の住まない鬼城が建設され続けただろうと思う。
 初期のオカラ建築マンションは、すでに取り壊されたものも少なくない。

 なんで、そんな信じられない無謀なことを続けたかといえば、マンションができれば、それが債権になるのだ。これを資産債権として世界に売りつけて、地方政府や共産党幹部たちが濡れ手に粟のボロ儲けができる仕組みなのである。
 ちょうど、サブプライム証券のように切り貼りされた理財商品として世界に売りさばいたのはドイツ銀行だった。

 中国共産党は、このボロ儲けの行く末が国家崩壊に至る必然性が頭のなかで分かってはいても、もはや誰も止めることはできなくなっていた。
 中国というのは、共産主義思想で成立している国ではない。序列主義の見栄が原動力なのだから、本当は利己主義しか存在しない。全体の未来を考える指導者など皆無なのである。

 さて、鬼城理財商品を売りさばいた相手は誰だったのか? 中国国内の投資家たちだろか? 違う、高利に釣られた世界中の投資家、投資銀行、地方銀行などが買っている。おまけに、レバレッジやCDSという爆弾まで含まれている。
 だから日本の金融機関への影響が小さいというのはウソだ。ドイツ銀行の倒産だけでも日本の銀行は凄まじい混乱に陥るだろう。

 中国の債務総額は、おそらく2京円という途方もない宇宙的金額になるといわれている。その1割が、外国金融機関の不良債権に化けたとしても全地球経済を根底から揺るがす恐ろしい事態が約束されている。
 https://gendai.media/articles/-/91583?page=1

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884987864/episodes/16816927860775668908

 日本のゆうちょや農林などの銀行や、年金基金投資財団などが、高金利の中国債権に手を出していないことはありえないことだ。
 最近、年金投資の財務報告がほとんど報道されないことに気づいている人がどれほどいるだろうか? 五頭のクジラについても、ほとんど報道されなくなっている。
 なぜか? 報道されては困る事情があるからだ。中国がらみの不良債権は、日本の年金財団など投資クジラを凍死させるほどの恐ろしい金額に膨れ上がっているからだ。

 さて、超追い詰められている中国共産党だが、その瓦解、崩壊の日が目前に迫り、最後に何が起きるのかといえば、中国人の性格として、「見栄を守る」ことが命よりも大切である。自分の命や国家の行く末など、習近平指導部にとっては大きな話ではない。
 自分の見栄をどこまでも正当化することが、生きている第一義の命題なのだ。習近平は、阿Qの発想と何一つ変わらないのである。

 そこで、現在10億国民のうち6億人が事実上の失業に追い込まれているなかで、能力のある若者たちがメシを食ってゆける職場を作り出すのが喫緊の課題となっている。
 彼らを縛り付けるのに、手っ取り早いのが軍隊だ。
 中国人民解放軍という共産党の私兵集団を、現在の何十倍もの規模に膨れ上がらせて、メシだけを食わせておく。

 軍隊が膨れ上がれば、やることは一つしかない。それは軍事侵略だ。幸い相手には事欠かない。台湾・日本・インド・ベトナムなどだ。
 軍事侵攻に成功し、勝利を収めれば高額の賠償金をふんだくれる。一番簡単なのが日本だ。なぜなら、中国に10万人を超える人質がいるからだ。
 日本政府は人質を見捨てることが許されないから、中国に敗戦が約束されている。
 おそらく何百兆円という賠償を要求されるのではないだろうか?

 ジュネーブ条約で人質戦争が禁止されているとはいうが、残念ながら5条には、中国内でスパイ活動を行った外国人には条約上の人権が保障されないことになっている。
 このため中国は、おそらく日中戦争に備えて、在中邦人を人質化する目的で、スパイ防止法を改悪したのだろう。

 台湾からも巨額の賠償金を取れるので、とりあえずは侵攻勝利によって一息つけることになる。
 現在、中国共産党が、他に延命手段を見いだせるだろうか? たぶん絶望しかない。
 だから、中国の軍事侵攻は避けられないと私は思う。

 アメリカは大統領選が終わるまで身動きがとれない。いわば政治空白ができている。
 おまけに、バイデンの認知症によって、トランプ再選の目が大きくなっている。
 トランプは、習近平と取引をすると公言しているのだ。
 中国製品に高額の関税をかけるが、尖閣諸島への安保適用を拒否し、中国に引き渡す可能性がある。
 日本には10万人の人質という巨大な足枷があるので、もう結果は見えている。

 中国共産党の暴走が、もはやとどまるところを知らず、あらゆる強欲を実行しはじめることになる。このとき、日本政府はもっとも弱い立場を強いられるのだ。