死のキャンプ場 | tokaiama20のブログ

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 飯舘村の超絶的放射能汚染地域(世界では永久立入禁止に相当するレベル)で、村営のキャンプ場が営業することになった。
 私は2011年末から数回、飯舘村を訪れて、各所で放射線を測定したが、4台持参したガンマ線測定器のすべてが、草野付近で完全に振り切れたことを記憶している。
 その測定器は、MAX20マイクロシーベルト毎時(RADEX)や100マイクロシーベルト毎時のGM計だった。
 また、土壌サンプルを持ち帰り、ベクレル計で測ったら、キログラムあたり40万ベクレル、平米あたりで、2600万ベクレルを超える地点が普通にあった。
   http://www.takagifund.org/activity/interview/24_itou/index.html
 【133カ月目の飯舘村はいま】被曝リスクは無視して再開? オートキャンプ場が今週末オープン 村民からは「汚染状況の公開を」との声 2022/04/20 民の声新聞
 http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-643.html

 



 避難指示解除後も放射能汚染が残る福島県相馬郡飯舘村の「あいの沢」で23日、オートキャンプ場の利用が始まる。
 村内の汚染状況を測定し続けている村民からは「放射線管理区域よりも汚染されている場所をオートキャンプ場にするなんて考えられないが、せめて徹底的に測って結果をフルオープンにする判断材料を提供するべき」との声があがり、村議会からも「空間線量を掲示するべきだ」との指摘があるが、村役場は消極的。

 「急ピッチで準備を進めている」とは言うものの、利用開始が迫った今になってもまだ、村のホームページでも現地でも、「あいの沢」の汚染状況や被曝リスクは示されていない。

【奥の林は0・9μ㏜/h超】
 オートキャンプ場がオープンするのは「村民の森あいの沢」。震災・原発事故後は利用されていなかったが改めて15区画整備され、電源も使えるようになっている。23日から利用が始まるが、利用者からできるだけ多くの感想や意見を集めたいとの理由から、利用料は「当面の間」無料。セレモニーなどは行わないという。

 村は「あいの沢」を「観光・交流の拠点」として位置づけており、オートキャンプ場は交流人口拡大策のひとつ。杉岡誠村長は昨年12月10日の村議会で「『きこり・あいの沢利活用検討プロジェクトチーム』を設置し、再開に向けた協議を始めております」と答弁。

 高橋祐一副村長も同月14日の村議会で「まずは令和4年の春から、あいの沢キャンプ場の再開を目指した準備を進めております」、「長期ブランクを経ての再開であるため、施設の管理運営面からすぐに全面オープンすることは難しいと考えており、オートキャンプ場をメインに徐々に活用エリアを増やしていきたいと考えているところ」、「村の重要な観光・交流の拠点でありますので、今後もプロジェクトチームにとどまらず、幅広くご意見をいただきながら検討を重ね、より利用しやすく皆様に喜んでいただける施設となるよう努力してまいりたいと考えております。

 また、村内外に広く情報発信をしながら、交流人口、関係人口の拡大を図ってまいります」と答弁するなど〝復興〟の起爆剤にしたい思惑がうかがえる。
 しかし、問題は原発事故による放射能汚染と被曝リスクだ。

 村民で〝測定の鬼〟と呼ばれるほど農産物や土壌を測り続けている伊藤延由さんの測定では、オートキャンプ場のなかのある区画で空間線量は毎時0・45~056マイクロシーベルト、林に入ると毎時0・92マイクロシーベルトに達した。
  http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-643.html

 それだけではない。少し離れた「自然体験の森」の土壌は1平方メートルあたり39万ベクレルを超えた。これから整備されると思われる旧キャンプ場では1平方メートルあたり500万ベクレル超。「放射線管理区域」の基準値が「1平方メートルあたり4万ベクレル」だから、いかに高濃度の汚染が続いているかが分かる。森には外部被曝だけでなく内部被曝のリスクも存在するのだ。

 23日のオープンに向け、村のホームページでもオートキャンプ場の利用受付開始が告知されている。しかし、広報紙でもホームページでも放射能汚染や被曝リスクに関する記述はない。現地にもない

 【村議会でも「線量掲示せよ」】
 実は昨年12月の村議会で、「あいの沢」での被曝リスク表示の問題が取り上げられている。
 渡邊計村議は次のように指摘した。

 「線量計をつけられないんだったら、看板を置いて何月何日に線量を測りましたよと。いくらいくらありましたよと。あとはそこで遊ばせるか、遊ばせないかは親御さんが判断することであるわけで、ただ、何も書いていない状況であそこの線量がいくらあるか分からない」

 佐藤八郎村議も「私も自分であいの沢、何度となく何十回も計測していますけれども、数値はすごいものであります。村でも測ったときにすごかったものを実測値として持っておりますので、それより私どもが測ったのはもっと高かったです」として「放射能という目に見えない、臭いがしないものに対する国、東電の情報収集をしながら、村民に寄り添った行政とされているのかどうかが問われるのは、見えるか、分かるかですよ。簡単に自分で計測しなくても分かる、見えるという状況をつくればいいわけであります」と述べた。

 今年3月の村議会では、直接「あいの沢」に言及したものではないものの、横山秀人村議が「ある市では、公園など子どもたちが多く集まる場に放射線量の数値看板が設置されています。子どもたちが集まる施設や公園などにおいては放射線量の数値を伝え、より安心して楽しんでいただくことが大事」として、村民だけでなく村を訪れる人々に対して放射線量を知らせする村の方針や方法について質した。

 これに対し、三瓶真・産業振興課長は「村を訪れる方、特にお子さんがいいる保護者などが放射線量の数値を確認できるようにし、より楽しく飯舘村で過ごしていただける環境を構築していくことは大事であると村も認識しております。
 現在村内には国設置のモニタリングポストが44基、県設置が13基、村設置が90基の計147基あり、その全てが現地でデジタル電光板をご確認いただけるほか、村のホームページ上でも数値をご覧いただけるようになっております。安心して村内に訪れていただき今の村を楽しんでいただけるよう、放射線量の数値公表に努めてまいります」と答弁した。

 しかし、今のところオートキャンプ場を含めて「あいの沢」に空間線量などの表示はない。あるのは管理棟前に設置されたモニタリングポストだけだ。
 村内を測り続けている伊藤延由さんの測定では、オートキャンプ場の空間線量は毎時0・45~056マイクロシーベルト、林に入ると毎時0・92マイクロシーベルトに達した

 【村役場「線量お示しする」】
 伊藤さんは「放射線管理区域よりも汚染されている場所をオートキャンプ場にするなんて考えられない。ましてや子どもを連れてくるなんて…」としたうえで「せめて徹底的に測って、その結果をフルオープンにする。きちんと判断材料を提供して、被曝リスクを理解したうえで自己判断で遊びに来るのは良いと思う」と話す。

 「とにかく情報公開が第一。利用開始を告知している村のホームページでも全く放射能に触れていないし、現地に来てもモニタリングポスト以外はない。飯舘村にある放射性物質は無害だと言うのか?周囲から放射線が飛んでくるような場所が子どもたちも遊ぶ場としてふさわしいとは思えない。『安全・安心・健康』に関しては予防原則に従うべきだが、原発事故に関しては全く無視されている。オートキャンプ場として誘客するのなら、せめて空間線量を表示するべきだ」

 取材に応じた佐藤正幸・村づくり推進課長は「しっかり管理して、空間線量も測っている。結果については受付でお示しする。確かに放射線管理区域より高い部分もあるが、この状況で大丈夫だという方に使っていただきたい。
 引き続き測定は続けており、受付や電話申し込みの際に示せるようにする。図面でも空間線量を表示できるよう指示している。土曜日から使い始めるが現在準備中。初日までにはホームページ上にも掲載できるよう急ピッチで準備を進めている。管理棟に掲示するか、問い合わせの際に案内するか、準備中だがしっかりやります。立て看板や柵なども急ピッチで進めている」と答えた。

 「連休などでキャンプをしたいという問い合わせや要望は多い。『いつオープンするんですか?』との声もある。使いたい人には安全性を確認して利用してもらえるよう急ピッチで進め、初日には間に合わせる。今後、ホームページ上にも掲載するよう準備している。表示しないと安心してもらえない。ていねいに対応する。1泊するくらいなら問題ないと考えている?そうではないが自己判断で利用していただく」

 原発事故発生から11年経ってもなお、放射能汚染は続いているのが現実。特に子どもの無用な被曝を避けるために務めるのが大人の役目だ。それを怠っていては真の復興はあり得ない。
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 引用以上

  私が、福島第一原発事故による放射能汚染を告発しだしたのは、事故直後からだが、交通事故によって鎖骨を四カ所骨折していて動けず、現地に測定に入ることができたのは、やっと2011年11月だった。

 それから2年の間に8回福島に入って数百の土壌サンプルを採取し、測定した。多くは現在も残っている。
 その汚染レベルは凄まじいものだった。飯舘村全体が、平米数千万ベクレルという、地球上最悪の放射能汚染地帯になっていたのだ。

 この間、福島県では、現地の人々のなかから、「福島は汚染されていない、風評被害を招くな」という奇っ怪な放射能汚染隠蔽の強い意志が、「ここは危険だ、避難を」という正当な要求を圧殺しはじめていた。
 その多くは、原発誘致派の自民党、保守系の人々のものだった。そして、福島県知事、佐藤雄平→内堀雅雄も、まるで東電から派遣された企業知事のように、被害を隠蔽しまくっていた。

 私も「デマ屋」と罵られ、私の書いたものは全部ウソと決めつけられた。
 その頃、近代史に極悪政権として記録されるであろう安倍晋三政権が登場し、放射能汚染を隠蔽し、存在しないかのように捏造し、福島では年間20ミリシーベルトの被曝を強要することにしてしまった。
 世界の被曝我慢量は、ICRPの設定した年間1ミリシーベルトで統一されていたが、それを一気に20倍にしたわけだ。
 http://www.labornetjp.org/news/2011/0423seimei

 そもそも、核兵器開発のため放射能汚染を軽視し、平然と人権侵害を繰り返す、チェルノブイリ事故当時のソ連でさえ、「チェルノブイリ法」と呼ばれる汚染対策基準を設定していた。これは放射能の強い影響を受けた、ロシア・ベラルーシ・ウクライナ三国に共通する基準である。
  https://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-13030

 チェルノブイリ法では、汚染レベルが三段階に定められた。
 第1ステージ(強制・義務的移住の実施):セシウム137の土壌汚染レベルが555kBq/m2以上,ストロンチウム90が111kBq/m2以上,またはプルトニウムが3.7kBq/m2(平米55万ベクレル以上)以上の地域.住民の被曝量は年間5ミリシーベルトを越えると想定され,健康にとって危険である.

   第2ステージ(希望移住の実施):セシウム137の汚染レベルが185~555kBq/m2,ストロンチウム90が5.55~111kBq/m2,またはプルトニウムが0.37~3.7kBq/m2の地域.年間被曝量は1ミリシーベルトを越えると想定され,健康にとって危険である.

 セシウム137汚染レベルが185kBq/m2以下,ストロンチウム90が5.55kBq/m2以下,プルトニウムが0.37kBq/m2以下の地域では,厳重な放射能汚染対策が実施され,事故にともなう被曝量が年間1ミリシーベルト以下という条件で居住が認められる.この条件が充たされなければ,住民に“クリーン”地域への移住の権利が認められる.
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 上に書かれていないが、セシウム137が平米128万ベクレル以上の猛烈汚染地は、永久に立入禁止との指標が示されている。
 ところが、飯舘村は桁が違う。村中が平米数千万ベクレルの汚染で覆われていたのだ。
 当時、私が測定した村役場に近い草野では、数百マイクロシーベルト毎時が普通だった。仮に100マイクロ毎時としても、そこに住んでいれば、年間で900ミリシーベルト近い被曝を受けることになる。これは、10年以内に、ほぼ全員が癌などの晩発性被曝障害で死亡する値である。

 しかも、それは、あくまでもガンマ線による外部被曝だけを示すもので、ICRPは核兵器開発に配慮して、呼吸や飲食から体内を汚染する内部被曝について隠蔽を決め込んでいた。
 実際には、飯舘村全体が、プルトニウムやセシウム、ストロンチウムなどの粉塵が漂う環境であり、それを呼吸や飲食から摂取すれば、恐ろしい障害が待ち構えている。
 ECRRやアーネスト・スターングラスという被曝医学研究者によれば、内部被曝は、外部被曝の600~1000倍の放射線障害を引き起こすと説明されている。

 https://www.sting-wl.com/yagasakikatsuma7.html

   https://ameblo.jp/pb-onwa/entry-11081049025.html

  http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1363.html

 つまり、飯舘村は、ロシア・ベラルーシ・ウクライナ三国が、チェルノブイリ法によって「永久立入禁止」にした平米128万ベクレル以上(実際には数千万ベクレル)の超絶放射能汚染値のなかで、キャンプ場を営業するといっている。
 すでに準備はほとんど終わって開業を待つばかりだ。

 確かに、飯舘村における空間ガンマ線量だけをとれば、現在、0.2~1.0マイクロシーベルト程度の値になっているが、これには理由がある。
 それは、事故から11年を経て、台風や雨、砂、朽ちた草木などにより、汚染地の上に堆積物が乗って、それがガンマ線を遮蔽するようになったので、見かけの放射線量が減っているだけなのだ。

 それでは、放射能そのものは、事故から11年を経て、どれだけ減ったのか?
 それは、高精度半減期計算サイトで知ることができる。
    https://keisan.casio.jp/exec/system/1300878071#!

 この式に「セシウム137」 100年を代入して計算ボタンを押すと、78%あたりが示される。つまり、セシウムやストロンチウムなどは、事故直後の8割近くが残っていることになる。
 プルトニウムに至っては、実に99.9%以上が残っていて、つまりほとんど減っていない。
 だから、あいの沢キャンプ場で、少しだけ覆土を剥がせば、チェルノブイリで塹壕を掘ったロシア兵のような恐ろしい事態になる。
 https://news.yahoo.co.jp/articles/715259c2222b8adf9efbed4fdfc7555c2ff12c4e

  「急性放射線障害」で入院というのは、チェルノブイリで土を掘り返したロシア兵が、おそらく1~5シーベルト程度の被曝を受けたということで、それ以下では急性障害がほとんど出ない。
 これだけ被曝すれば、ほとんどの兵士が助からないだろう。ちなみに、半数致死量が4シーベルト、全数致死量が7シーベルトである。1シーベルトであっても、脳神経破壊を起こして認知症になったり、多くは10年程度で発癌死亡する。

 飯舘村の汚染誤魔化し用の覆土を剥がせば、間違いなく、チェルノブイリと同じような恐ろしい被曝障害が起きるだろう。
 こんな超危険な場所に、若者を集めてキャンプさせるという飯舘村や福島県担当者の頭のなかは、どうなっているのだろう?
 それは、「福島では放射能汚染が存在しない」という妄想だけを見て、「本当は恐ろしい場所」という真実から目を背け続けている認知症のようなものだ。

 昔、コマワリ君という漫画で、危険が迫ると「私は壁」と思い込んで「見ざる聞かざる」姿になるコマワリ君が描かれていた。ちょうど、ダチョウが危険が迫ると、穴に首を突っ込んで、脅威を見ないようにして、襲われるのと同じだ。


  飯舘村や福島県の担当者は、ちょうど上のダチョウのようなもので、危険や恐怖から逃げたい一心で、それを直視しなければ何も起きないと信じ込んでいるわけだ。
 こんな人物が行政を担っている福島県では、放射能の脅威から逃げている人々を、追い詰めて、家賃を数倍にしたり、賠償訴訟を起こしたり、およそ人間の愚かさ、卑しさという姿の究極を実現しているのである。
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/117909

  「風評被害を許すな!」などと叫んで、それを容認する福島県民も同罪なのだ。