皆さん,こんにちは。

本日は「妄想旅行」記事として,「1964年10月 東海道線で行く名古屋旅」をお届け致します。

 時は東京オリンピックと東海道新幹線開業を迎えた1964年10月,「行楽の秋」ということで東海道線で名古屋までのんびり列車旅を楽しんでみようという妄想企画です。

 それでは,藤沢駅からスタートすることにします(本稿では,主人公は「藤沢市在住・都内勤務のサラリーマン」という設定で話を進めていきます)。

①藤沢→沼津(811M)

 普通列車 沼津行き

 藤沢駅の下り一番列車は5時16分発の沼津行きで,隣の大船駅を5時10分に出発する列車です。沼津駅までの所要時間は1時間26分で,6時42分の到着です。

 茅ヶ崎駅で乗り換えの相模線,国府津駅で乗り換えの御殿場線はいずれも非電化で,相模線は気動車,御殿場線では気動車と機関車牽引の客車列車が運行されていました。

②沼津→豊橋(565M)

 普通列車 豊橋行き

  沼津駅では5分の待ち合わせで6時47分発の普通列車・豊橋行きに乗り換えです。

  豊橋駅までの所要時間は3時間24分で,10時11分の到着です。

富士駅では身延線,清水駅では清水港線,掛川駅では二俣線,終点の豊橋では飯田線にそれぞれ乗り換えです。

 現在では身延線と飯田線が存続,清水港線は廃線となっています。二俣線は第三セクターの天竜浜名湖鉄道として再出発し,運行されています。

③豊橋→名古屋(525M)

 普通列車 米原行き

 最後,豊橋駅からは11時03分発の普通列車・米原行きに乗車です。

沼津からの豊橋行きが10時11分に到着し,米原行きの発車が11時03分で,52分の待ち合わせです。この間に駅弁を買って列車を待つこととします。名古屋到着は12時28分で,所要時間は1時間25分です。

 豊橋駅ではいなり寿司,助六寿司,ちくわ弁当,うづら弁当,うなぎめしが駅弁として販売されています。いなり寿司は豊川稲荷が近いことから販売されています。ちくわは豊橋の名産品,うなぎは浜名湖で養殖されていて,豊橋から近いこともあり,駅弁として「うなぎめし」が販売されています。

 今回,私が選んだのは「助六寿司」です。いなり寿司と海苔巻きの詰め合わせで,列車の中で食べやすいと思い,選択しました。

  ボックスシートに身を預け,列車に揺られながら食べる駅弁は旨いものです。いなり寿司は甘辛に煮付けられた油揚げと適度に酢が効いた酢飯の組み合わせが心地よく,海苔巻きは酢飯の酸味とカンピョウの甘辛味,海苔の歯ごたえが絶品です。

 助六寿司を味わいながら1時間25分,列車は名古屋駅に到着です。

名古屋駅で準急,急行,特急といった各種優等列車を写真に収めて,16時頃に今宵の宿に入るとします。

 夕食は住吉町の「スパゲッティハウス ヨコイ」で「あんかけスパゲッティ」を食べることにします。当時は名古屋市民における「あんかけスパゲッティ」の認知度が低く,「あんかけスパゲッティ」のオーダーは同社では稀なことだったそうです。

 宿に戻り,翌日に備えて就寝。

 

 二日目は5時に起床し,名古屋駅へ入ります。帰りの切符(藤沢まで)を買っているので,途中下車可能な状態です。8時半過ぎまでホームで列車を撮影し,9時13分発の列車で熱田駅へ。熱田神宮を参拝し,昼食は「あつた蓬莱軒」で「ひつまぶし」を食べることに。「あつた蓬莱軒」は「ひつまぶし」発祥の店と言われており,満員御礼の盛況ぶりです。こんなこともあろうかと思って事前に電話予約を入れておいて正解でした。

 13時03分発の列車で名古屋駅に戻り,再び撮影。

帰りは15時30分発の準急「東海4号」に乗車し,熱海駅で普通列車・東京行きに乗り換えて20時39分に藤沢駅到着。夕食は名古屋駅で駅弁「さばずし」を購入。往路と同様,列車の中でも手軽に食べやすい寿司の弁当は駅弁の王道だと思います。昼食が「ひつまぶし」だったので,帰りはサッパリと寿司でも食べたい気分でした。そこで,値段も手頃な「さばずし」を選択しました。

 帰宅後は酒を飲んで今回の旅の思い出に浸り,就寝しました。

 

〔参照〕

『時刻表完全復刻版 1964年10月号』(JTBパブリッシング・2019年10月)