皆さん,こんばんは。
本日は小田急の通勤型電車「3000形」について書いていきたいと思います。
3000形は2002年に就役した通勤型電車です。
2000年代に旧4000形,旧5000形,2600形の置き換えとして多数製造され,一部編成は6両編成と8両編成に中間車を組み込んで10両編成に組成変更された編成もあります。
10両編成は平成22(2010)年に登場しました。主な背景は,10両貫通編成による列車の需要が増えたことです。先述の通り,3000形の既存編成(6両編成・8両編成の一部)に中間車を組み込む形で10両編成化が行われ,12本が10両編成になりました。
軽量ステンレス車体にIGBT-VVVFインバータ制御を装備して,小田急の全線で各停から快速急行まで幅広く活躍しています。小田急の通勤型電車における最大勢力が「3000形」です。
編成の内訳は,次の通りです。
・6両編成×27本
・8両編成×8本
・10両編成×12本
車輌製造メーカーは次の3社です。
・東急車輌製造(現・総合車両製作所)
・日本車輌製造
・川崎重工業
それでは,「3000形」の画像を御紹介致します。
海老名駅に入線する3254F
各停 小田原行き
第1次車として登場した編成で,6両編成です。
2000形と同じ1600mm幅の側扉を有していますが,扉間の窓配置は2000形とは異なる配置です。画像の3254Fは登場当初,種別・行先表示が3色LEDでした。後年,フルカラーLEDに更新されました。
南林間駅に入線する3256F
各停 藤沢行き
第2次車として登場した編成で,6両編成です。
側扉が1300mm幅になり,扉間の窓配置はJR東日本のE231系に近いものとなりました。画像の3256Fも3254Fと同様,登場当初は種別・行先表示器が3色LEDでしたが,フルカラーLEDに更新されました。
南林間駅を発車した3265F
各停 相模大野行き
第3次車として登場した編成で,6両編成です。
側扉の幅と扉間の窓配置は第2次車と同じですが,側面の種別・行先表示器が大型化しています。
海老名駅に入線する3651F
各停 新宿行き
第3次車として登場した8両編成です。
編成の特性上,新宿~本厚木間の各停に運用されることが多いです。今でこそ新宿~本厚木間の各停は8両編成が大多数で,一部列車は10両編成で運行されていますが,かつては6両編成で運行されていたこともあります。
相武台前駅に入線する3652F
各停 新宿行き
3651Fと同じ第3次車として登場した8両編成です。
これまでに御紹介してきた編成と同様,種別・行先表示器が3色LEDからフルカラーLEDに更新されています。
列車種別が増えて色分けが多数必要になってきた事情を踏まえると,フルカラーLEDにするのが良いと考えられます。
南林間駅を通過する3095F
快速急行 藤沢行き
3279F(6両編成)に中間車4両を組み込んで誕生した10両貫通編成です。
10両貫通編成による運行のメリットは中間運転台によるデッドスペースが無くなることです。編成の中間に運転台があると,その部分だけ乗客が入れないため,ラッシュ時間帯における詰め込みが効かなくなります。
小田急における10両編成の列車運行は昭和50年代から実施されていましたが,当時は小田原・片瀬江ノ島までの各駅が全て10両編成対応のホームというわけではありませんでした。
そのため,10両編成の列車運行は列車種別と運行区間が限定され,途中駅での分割併合が頻繁に実施されていました。
主に,相模大野で小田原方面と片瀬江ノ島方面に分割併合する急行が運行され,小田原方面は6両編成,片瀬江ノ島方面が4両編成という組み合わせでした。
平成10(1998)年8月のダイヤ改正から一部の急行列車が10両編成で運行開始されました。
分割併合は車両基地のある相模大野や海老名が主体でしたが,10両編成による運行区間の延長により分割併合実施駅は変わり,新松田で分割併合が行われるようになりました。最終的には全線通しで10両編成の急行・快速急行を運行するようになり,急行列車の分割案内放送も過去のものとなりました。
その過程で「3000形」は中間に増結車を組み込んで10両編成が作られました。