皆さん,こんばんは。

「JR東海の列車運行」,第2回目のテーマは東海道線静岡地区です。

 東海道線は東京~神戸間(589.5km)を結ぶ日本の鉄道路線です。JR東海が受け持つのは熱海~米原間(341.3km)です。

 JR東海受け持ち区間のうち,豊橋を境に運行系統が大きく変わります。

 豊橋から三河国(大トヨタ帝国)に入り,尾張国(大名古屋帝国)を経由して,美濃国(岐阜)まで名鉄(迷鉄)との壮絶な列車運行抗争が繰り広げられています。そのため,快速系種別(快速新快速特別快速)の列車が高頻度に運行されます。

 前置きが長くなりましたが,ここから中身に入っていきます。

①東海道線静岡地区の概要

 東海道線静岡地区では終日,普通列車の運行が主体である。

 優等列車は身延線直通の特急「ふじかわ」が静岡~富士間,朝夕の着席保証列車「ホームライナー」が沼津~浜松間で運行されるほか,寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」が運行されている。

 「サンライズ瀬戸・出雲」は,下り列車が熱海・沼津・富士・静岡・浜松に停車し,上り列車は静岡・富士・沼津・熱海に停車する。

 短距離ではあるが,熱海~三島間はJR東日本の特急「踊り子」号が乗り入れて,三島から伊豆箱根鉄道駿豆線に入り,修善寺まで運行している。

 

静岡駅にて停車中の特急「ふじかわ」号

373系が充当されている

②基本的な運行系統

 (1)熱海~静岡~島田

  熱海発の列車は沼津行き,静岡行き,島田行きが多く運行されている。

  沼津行きの場合は,終点の沼津駅で静岡行きor島田行き(三島始発or沼津始発)に接続が取られている。

  静岡行きの場合は,終点の静岡駅で島田行き(静岡始発or興津始発)に接続が取られている。

  島田行きの場合は,途中の静岡駅で浜松行き(興津始発or静岡始発)に接続が取られている

  この区間では,三島~沼津間のみを運行する超短距離運行の普通列車も設定されている。

 

熱海駅にて停車中の普通列車静岡行き

211系6両編成(3両+3両)

 

熱海駅にて停車中の普通列車沼津行き

211系5両編成(3両+2両)

 

熱海駅にて停車中の普通列車島田行き

211系5両編成(3両+2両)

 

 (2)興津~浜松

  この区間のうち,興津~島田間は国鉄末期に「するがシャトル」と呼ばれる静岡市周辺の都市部における短編成・高頻度運行の普通列車が運行された区間である。

 現在は「するがシャトル」という名前は使われていないが,その運行形態を引き継いだ普通列車が多数運行されている。

 興津発の列車は島田行きor浜松行きであることが多い。

 島田行きは静岡駅に同駅で終点となる沼津・熱海方面からの列車との接続を取る。

 浜松行きは静岡駅で島田行きの列車と接続を取り,静岡以東から菊川・掛川・浜松方面へ普通列車で移動する乗客を輸送している。

 

静岡駅に入線する普通列車浜松行き

313系8000番台・3両編成(静岡車両区・S1編成)

 

 (3)掛川~浜松~豊橋

  この区間では静岡・興津方面からの浜松行きが多数を占める。浜松駅で豊橋行きの列車に接続する。

 これとは別に毎時1本,掛川~浜松間or掛川~豊橋間を運行する列車も運行されている。

  

掛川駅に入線する普通列車浜松行き

313系3両編成(静岡車両区・T16編成)

 

浜松駅にて停車中の普通列車豊橋行き

211系3両編成(静岡車両区・LL11編成)

 

③型破りな長距離運行

  (1)熱海発浜松行き

  朝と夕方(日中にも1本)に運行される列車で,一日に8本ある。152.5kmを約2時間40分~2時間50分かけて運行される。この区間,新幹線「こだま」号では約1時間10分~1時間16分である。

熱海駅にて停車中の普通列車浜松行き

6両編成(211系3両+313系3両)

 

  (2)三島発豊橋行き

  朝方に2本運行される列車で,172.9kmを約3時間10分かけて運行される。この区間,新幹線「こだま」号では約1時間15分である。

  (3)熱海発豊橋行き

  夕方遅くに2本運行されている(うち1本は土休日,浜松止まり・浜松で豊橋行き接続)。

  運行距離189.0km,所要時間は3時間16分である。豊橋駅には深夜帯の到着となる。

 「青春18きっぷ」を使い慣れた旅行者であれば,この列車で22時台~23時台に豊橋駅に到着し,ホテルで寝て夜を明かし,翌日の始発列車(05:47発「新快速」大垣行き)で東海道線を西へ進むと考えられる。

  (4)静岡発岐阜行き

  「型破りな長距離運行」枠の中で,最もズバ抜けた狂気の長距離普通列車である。

  この列車は05:29に静岡駅を出発し,東海道線を各駅に停車して岐阜駅まで直通する。岐阜駅には09:49に到着する。

  静岡駅から岐阜駅まで216.1km,この途方も無い長距離を4時間20分かけて走破する。この列車には大垣車両区所属の313系4両編成(J1~13編成orY1~Y15編成)が充当されている。 

 この列車は豊橋駅に07:17に到着する。

豊橋駅乗り換えの快速系列車(+主要駅の到着時刻)は,次の通りである。

【平日】

07:20 「快速」大垣行き

→08:18 名古屋

→08:41 岐阜

→08:54 大垣

07:29 「特別快速」大垣行き

→08:29 名古屋

→08:53 岐阜

→09:06 大垣

07:39 「快速」名古屋行き

→08:41 名古屋

【土休日】

07:23 「特別快速」大垣行き

→08:16 名古屋

→08:37 岐阜

→08:50 大垣

07:39 「特別快速」米原行き

→08:30 名古屋

→08:51 岐阜

→09:03 大垣

→09:40 米原

07:53 「新快速」大垣行き

→08:45 名古屋

→09:06 岐阜

→09:18 大垣

 

 参考までに,静岡駅を06:07発の「こだま763号」に乗車し,07:09に名古屋駅に到着した場合の所要時間も検討してみる。

 名古屋駅の乗り換え時間は,朝ラッシュの混雑を考慮して10分と見積もる(『JR時刻表』では7分を標準乗り換え時分としている)。

 平日であれば07:22発の普通列車岐阜行き(名古屋始発)に乗り換えて,07:50に岐阜駅に到着する。

 土休日は07:20発の普通列車岐阜行き(岡崎始発)に乗り換えて,07:46に岐阜駅に到着する。

 

静岡駅を発車する普通列車岐阜行き

313系4両編成(大垣車両区・J10編成)