皆さん,こんにちは。本日は「東京~名古屋間の列車所要時間を調べてみた」シリーズの第7回目ということで,1988年3月改正のダイヤを見ていきたいと思います。前年(1987年)の4月に国鉄分割民営化・JRグループ発足が行われてから最初のダイヤ改正です。

 この改正では青函トンネル開通,瀬戸大橋開通といった鉄道網の充実,東海道新幹線に「請願駅」として新富士,掛川,三河安城の3駅が開業しました。

 それでは,中身に入っていきたいと思います。

1 普通列車・快速列車乗り継ぎ

 ① 東京→静岡

 列車番号:323M(普通列車 静岡行き)

  東京   (発)05:20

  小田原  (着)06:44 (発)06:45

  熱海   (着)07:08 (発)07:15

  沼津   (着)07:34 (発)07:36

  静岡   (着)08:32

 ② 静岡→豊橋

 列車番号:741M(普通列車 豊橋行き)

  静岡   (発)08:33

  浜松   (着)09:41 (発)09:46

  豊橋   (着)10:18

 ③ 豊橋→名古屋

 列車番号:2127M(快速 大垣行き)

  豊橋   (発)10:25

  大府   (着)11:14 (発)11:15

  名古屋  (着)11:30

総所要時間:6時間10分(乗り換え・待ち合わせ時間を含む)

 この改正では東京駅からで静岡まで普通列車(323M)で行くと静岡で1分の接続で豊橋行きに乗り換えて,豊橋では7分の接続で快速列車に乗り換えというダイヤです。乗り換えがタイトな印象を受けます。これは前回(1978年10月改正)の「普通列車乗り継ぎ」パターンと同様です。普通列車と快速列車の最短・最速乗り継ぎという点では,かなり精巧に作られたダイヤですが,あまり使いたくないダイヤだと思います。静岡駅で浜松・豊橋方面行きの列車を1本ずらすことも考慮したほうが良いと思います。

 

2 急行「東海」・普通列車・快速列車乗り継ぎ 

 ① 東京→静岡

 列車番号:301M(急行「東海1号」 静岡行き)

  東京   (発)07:15

  小田原  (着)08:28 (発)08:29

  熱海   (着)08:47 (発)08:48

  沼津   (着)09:07 (発)09:09

  静岡   (着)09:53

 ② 静岡→浜松

 列車番号:751M(普通列車 浜松行き)

  静岡   (発)10:15

  浜松   (着)11:27

 ③ 浜松→名古屋

 列車番号:3133M(快速 大垣行き)

  浜松   (発)11:30

  豊橋   (着)12:03 (発)12:05

  大府   (着)12:44 (発)12:45

  名古屋  (着)13:00

総所要時間:5時間45分(乗り換え・待ち合わせ時間を含む)

 急行「東海」と普通列車・快速列車の乗り継ぎで行くと,静岡駅での接続は22分の待ち合わせで普通列車(浜松行き)に乗り換えできるダイヤです。22分あればお弁当とお茶を買う時間も充分にあります。静岡駅でお弁当とお茶を買って,浜松からの快速列車の中で食すということが出来ます。

 総所要時間は1978年10月改正との比較で55分短縮です。静岡地区における普通列車の運行が高頻度化したこと,名古屋地区の列車増発によって,乗り換え・待ち合わせ時間を含めた総所要時間の短縮につながったと考えられます。

 

3 新幹線利用

 ① 「ひかり21号」 博多行き

  東京   (発)06:00

  名古屋  (着)07:51

所要時間:1時間51分

 ② 「こだま401号」 新大阪行き

  東京   (発)06:16

  名古屋  (着)09:12

所要時間:2時間54分

 新幹線も所要時間の短縮に向けて高速化が少しずつではありますが,進んできました。下り初便の「ひかり21号」(博多行き)は1978年10月改正時に2時間01分を要していましたが,この改正で1時間51分に短縮されました。

 この年代は100系新幹線電車の登場により東海道新幹線に新しい仲間が出来たことが特筆されます。2階建て車両,個室グリーン車など,豪華な設備が設置されました。新幹線利用にあたって,眺望や快適性に関するオプションが選べる特別感が高まっていた時代と言えます。

 

【参照】

『時刻表完全復刻版 1988年3月号』(JTBパブリッシング)