本日は「東京~名古屋間の列車所要時間を調べてみた」第2回目ということで,一気に時代が下って1964(昭和39)年9月の東京駅にスポットを当ててみたいと思います。
東海道新幹線開業直前の時,東京駅を午前中に出発する東海道本線の列車で名古屋方面へ直通する便について書いていきたいと思います。
・普通列車
列車番号:321M
05:20発 名古屋行き(川崎通過)
【主要駅発着時刻】
横浜 05:48着 05:49発
小田原 06:48着 06:49発
熱海 07:14着 07:21発
沼津 07:45着 07:55発
静岡 09:04着 09:12発
浜松 10:57着 11:03発
豊橋 11:46着 11:54発
名古屋 13:34着
所要時間:8時間14分(途中駅停車時間を含む)
・準急列車
列車番号:301M
07:20発 名古屋行き「東海1号」
停車駅:新橋・品川・横浜・大船・小田原・湯河原・熱海・三島・沼津・富士・清水・静岡・焼津・島田・袋井・浜松・豊橋・蒲郡・岡崎・安城・刈谷・熱田・名古屋
【主要駅発着時刻】
横浜 07:45着 07:46発
小田原 08:37着 08:38発
熱海 08:57着 08:59発
沼津 09:18着 09:24発
静岡 10:14着 10:16発
浜松 11:23着 11:25発
豊橋 11:51着 11:52発
名古屋 12:54着
所要時間:5時間34分(途中駅停車時間を含む)
・急行列車
列車番号:101M
08:30発 大阪行き「六甲」
停車駅:品川・横浜・大船・小田原・湯河原・熱海・三島・沼津・清水・静岡・浜松・豊橋・蒲郡・刈谷・名古屋・尾張一宮・岐阜・大垣・彦根・大津・京都・大阪
【主要駅発着時刻】
横浜 08:54着 08:55発
小田原 09:40着 09:41発
熱海 10:01着 10:02発
沼津 10:21着 10:22発
静岡 11:01着 11:02発
浜松 11:57着 12:02発
豊橋 12:32着 12:33発
名古屋 13:27着
所要時間:名古屋まで4時間57分(途中駅停車時間を含む)
・特急列車
列車番号:1M
07:00発 大阪行き「第1こだま」
停車駅:横浜・熱海・静岡・名古屋・京都・大阪
【主要駅発着時刻】
横浜 07:21着 07:22発
熱海 08:17着 08:18発
静岡 09:09着 09:10発
名古屋 11:13着 11:16発
京都 12:58着 13:00発
大阪 13:30着
所要時間:名古屋まで4時間13分(途中駅停車時間を含む)
昭和39年9月は東海道新幹線開業直前の時期で,当時の東海道本線は日本の大動脈と言える大幹線です。普通列車,準急列車,急行列車,特急列車の他に貨物列車も走り,同じ線路を横須賀線(逗子・久里浜方面)の列車も運行されていました。線路容量は限界に達しており,東海道新幹線の開業は必定であったと言えます。
今回のデータでは07:00発の特急「第1こだま」が最速で,名古屋到着11:13です。これに乗れば昼前には名古屋に着けるということです。
しかしながら,当時の特急列車は文字通り「特別急行列車」で,現代の感覚で誰もが「ちょっと急いでいるから課金するかw」というような気軽に乗れる列車ではありませんでした。
ネットもスマホもクレジットカードも無い時代,列車の切符を取るには駅や旅行会社の窓口へ出向くことが必須でした。そして,切符の発行では駅や旅行会社の窓口職員が発行内容を手書きするという時代でした。
時刻表データの出典:『時刻表完全復刻版 1964年9月号』(JTBパブリッシング・2020年)