皆さん,こんばんは。

来年(2026年)の11月に東海道線(東京~神戸間)全線電化から70年の節目を迎えるに当たり,12/19(金)に神保町の「書泉グランデ」で『時刻表アーカイブス鉄道黄金時代①』を購入しました。

 そこで,まずは同書籍に収録されている東海道本線の時刻表を当ブログで取り上げてみたいと思います。

 本日は1956(昭和31)年11月の東京駅発・東海道線列車時刻表を御紹介させていただきます。

 

【普通列車】

〔5時〕 大00 沼41
〔6時〕 大10 小33 藤43
〔7時〕 沼00 浜35
〔8時〕 伊03 京20 熱42
〔9時〕 沼・伊21 米45
〔10時〕 熱21 京45
〔11時〕 伊22
〔12時〕 名00 沼21
〔13時〕 熱21 米35 小51
〔14時〕 熱15 門20
〔15時〕 沼・伊21 岡30
〔16時〕 伊06 小21 浜36 沼51
〔17時〕 浜00 沼21 御30 
小36 沼51
〔18時〕 
熱06 伊21 静35 沼51
〔19時〕 小06 静21 熱51
〔20時〕 富21 伊51
〔21時〕 熱21 大50
〔22時〕 小21
〔23時〕 小30 大35 大40

▲・・・土曜運休

▲・・・土曜・休日運休

藤・・・藤沢行き

小・・・小田原行き

熱・・・熱海行き

伊・・・伊東行き

御・・・御殿場行き

沼・・・沼津行き

富・・・富士行き

静・・・静岡行き

浜・・・浜松行き

岡・・・岡崎行き

名・・・名古屋行き

米・・・米原行き

京・・・京都行き

大・・・大阪行き

門・・・門司行き

 当時の東海道線普通列車は長距離便が多数運行されていました。

東京駅を発着する東海道線の普通列車で最も遠い行先が,門司行き(14:20発・111列車)です。東海道線と山陽本線を全線走破して,関門トンネルを抜けて北九州の門司まで直通運転していました。

 この列車に乗って当日中に到着できる主要駅の最終地点は名古屋で,23:04の到着です。京都には翌日の04:00,大阪05:10,神戸06:15,姫路07:46,門司には22:01の到着です。所要時間は31時間50分で,24時間以上走り続ける長距離普通列車でした。

 東京駅を朝一番に出発する普通列車は05:00発の大阪行き(121列車)で,横浜05:31,大船05:50,藤沢05:57,小田原06:43,熱海07:14,沼津07:49,静岡09:10,浜松10:53,豊橋11:52,名古屋13:21,米原15:26,京都17:28,終点の大阪には18:16の到着でした。大阪では,18:20発の姫路行きに接続がありました。大阪で接続の姫路行きに乗ると,姫路に20:23に到着するというダイヤ設定でした。

 東海道線は全線電化されていましたが,浜松~豊橋間と大垣~米原間では「電車」が運行されていませんでした。そのため,121列車(05:00発・大阪行き)を含め浜松以西に直通する列車は機関車牽引の客車列車であったと言えます。

 

【準急・急行・特急列車】

※括弧内に列車名を表記

〔8時〕 大50(さくら)
〔9時〕 大00(つばめ) 大30(なにわ)
〔10時〕 熊00(阿蘇) 佐30(西海)
〔11時〕 西00(高千穂)
〔12時〕 大30(はと) 修・伊55(伊豆)
〔13時〕 鹿00(霧島) 伊25(はつしま) 長30(雲仙)
〔14時〕 修・伊00(たちばな) 修・伊30(いこい)
〔15時〕 修・伊00(いでゆ) 名05(東海)
〔16時〕
〔17時〕
〔18時〕 
博30(あさかぜ)
〔19時〕
〔20時〕 
大00(明星) 大15(彗星) 博30(筑紫) 広45(安芸)
〔21時〕 神00(銀河) 宇15(瀬戸) 大30(月光) 鹿45(さつま)
〔22時〕 社15(出雲) 湊30(大和)
〔23時〕 鳥00(伊勢)
緑色・・・準急

赤色・・・急行

橙色・・・特急

伊・・・伊東行き

修・・・修善寺行き

名・・・名古屋行き

鳥・・・鳥羽行き

湊・・・湊町行き

大・・・大阪行き

神・・・神戸行き

宇・・・宇野行き

社・・・大社行き

広・・・広島行き

博・・・博多行き

長・・・長崎行き

佐・・・佐世保行き

熊・・・熊本行き

鹿・・・鹿児島行き

西・・・西鹿児島行き

 準急は,主に伊豆方面(伊東線・伊豆箱根鉄道線直通の伊東行き・修善寺行き)の列車が午後に運転され,定期列車が「伊豆」「いでゆ」,週末運転の「たちばな」,「いこい」,「はつしま」(下りのみ)が設定されていました。ダイヤ設定は旅館・ホテルのチェックイン時間帯に合わせていると考えられます。名古屋行きの「東海」は1本(15:05発)が設定されていました。

 急行は大阪・神戸,山陽・山陰方面,九州方面へ運行されていました。九州方面の急行は「阿蘇」が筑豊本線経由,「高千穂」が日豊本線経由でした。広島行きの「安芸」は呉線経由,大社行きの「出雲」は福知山線経由でした。大阪行きの「彗星」は臨時列車でした。急行列車は運行区間が特に長く,大阪行きの「なにわ」(09:30発)以外は夜行列車の扱いで寝台車と食堂車も連結されていました。これに加えて荷物車や郵便車も連結されて,鉄道が重要な輸送機関であったことが読み取れます。

 鳥羽行きの「伊勢」は名古屋に05:56に到着後,07:30まで2等寝台Cが使用可能というサービスがありました。

 特急は大阪行きの「さくら」(臨時),「つばめ」,「はと」,博多行きの「あさかぜ」が設定されていました。

 
 

【参照】

『時刻表アーカイブス 鉄道黄金時代①』(JTBパブリッシング 2009年)

『昭和・平成を駆け抜けた長距離鈍行列車』(フォト・パブリッシング 2020年)