久々にブログを書きます

久々になったのは、ブログネタが無かったからです。

久々に、19世紀のボンボン時計の依頼がありました。

刻印を見ればわかるのですが、

1878年9月8日~1879年11月11日の製造品です。

アメリカのイングラハム社の時計です。

以前、私が2006年に修理した時計で、最近止まることがあるとのことでご依頼です。

修理屋の立場からすると、17年修理していないのはちょっと長すぎる感じです。

5年前後のオーバーホール間隔がちょうどいいと思っています。

修理の間隔が開くと油切れ状態での作動になり摩耗が進んでしまうからです。

5年で止まるような修理をしようと思えば出来るのですが、プロとしてはそんな仕事はしたくないので動き続けてしまうのです。

この時計の不具合原因は、油切れによる摩耗でした。摩耗したところを修正してきれいに洗浄して組み上げて注油しました。普通の修理で完了でした。

 

 冒頭でブログネタがないと話しましたが、19世紀時計は1年ぶりくらいです。最近は昭和30年代以後の柱時計とウエストミンスターのホールクロックが多いのです。

今回のような4つ丸や八角のボンボン時計はほとんど修理依頼が無くなってきました。

昔はボンボン時計の依頼が多くて、昭和30年以後の30日巻の柱時計の修理依頼は少なかったのです。昔はクロックの修理職人がたくさんいたので私どもに修理が集中しなかったのだと思います。今は、クロック職人さんが殆ど死滅して名古屋には、クロック専門の技術者は私だけになってしまいました。それでも、クロックの修理依頼は減ってきています。

 今年は2023年です。日本が今の暦になったのは1873年の明治改暦からです。今年は明治改暦150年です。それ以前は日の出を明け六つ日の入りを暮れ六つといった旧暦太陰暦でした。だから今のように均等に時が進むようになったのは明治改暦以後です。その前は夏と冬では一刻の長さが違っていて今のような時計は使えなかったのです。

 今から30年前、1993年に犬山の明治村で改暦120年のイベントがあったことを思い出しました。私の父が、明治村で改暦120年のイベント用の時計を三重県庁舎で修理をしていました。私も父と一緒にかなりの本数の時計を直した事を思い出しました。その時計は八角尾長・四つ丸時計がほとんどでした。その改暦120年イベント以後、父と私は明治村から手を引きました。その後は一度も明治村にいった記憶がありません。あの時直して動体展示した時計は今でも動いているのか全く分かりません。