久しぶりです。
東海時計クロック井上です。
前回♯5で書いたキンツレーチャイムの続きです。
時計は現在修理完了して精度確認中です。
お客様が、修理完了は来年で良いと言ってくれたので来年まで動かし続けて精度を調整してお渡しするつもりです。
ゼンマイが切れかかっていると前回書いたのですが切れかかっているゼンマイの写真がこれです。
このまま使い続けるといつかは切れます。切れる瞬間にゼンマイを巻いていると手に衝撃あり怪我をする危険がかなりあります。そのため悪い部分を切って穴をあけて直します。その分ゼンマイが短くなるのですがほとんど持続時間には影響はありません。
この時計の脱進機は釣テンプといわれるもので、天真が無くて渦巻き状のひげゼンマイがつるしてあるのです。
アンクルが激しく変形していましたが直しました。
時計の修理の基本は一番良い状態に戻すことなのです。一番良い状態とはメーカーさんが出荷した時の状態です。
それほど難しいことではないのです。
釣テンプ時計の精度調整は、微妙ですほんの少し緩急レバーを動かすとものすごく進み遅れが出てしまうのです。
最初、修理した直後は2時間に1秒くらいの遅れでした。つまり1日12秒くらいの遅れ1週間で1分半くらいの遅れです。
緩急レバーをメモリの1/4ほど進みにして、ゼンマイを全巻きにしました。1週間後の来年1月4日に30秒くらいの進みになっていたらそのままお客様に修理完了の連絡をします。それ以外の精度ならば緩急レバーを動かしてまた1週間待つのです。
作業完了後の精度調整に時間が掛かるのです。
来年もよろしくお願い致します。
皆様方には来年2020年が良い年になるように念願しています。
東海時計サービス社 代表 井上峰一