「うどん」と「蕎麦」を比較しても仕方が無いのですが、
説明をする上で便利なので、これで行きます。
「手打ち蕎麦」に対して、「手打ちうどん」という料理が有ります。
この美味しい「手打ちうどん」を提供するお店の献立には、
どのようなものがあるでしょうか?
ざるうどん、ぶっかけ、釜揚げ、つけ麺などが、
シンプルにうどんを味わうメニューですね。
では、この「うどん」の味を進化・向上させましょう。
どうなりますか?
わかめ・昆布・月見・きつね・肉・天ぷら・カレー・・・
どんどん、味を足していきます。
ですが、「うどん」という麺は、自分を見失わない。
もっと言うと、鍋焼きうどんのような旨味たっぷりな出汁を持ってしても
うどんは自分の特性を失いません。
それは何故か?
うどんは、歯ごたえや食感、舌触り・のど越しなどを楽しむ麺であって、
原料である、小麦粉の旨味を楽しむものではないからだと思います。
またもう一つの特徴として、「旨味は他から持ってくるもの」があると感じます。
出汁がそれであって、種や薬味もまたその役目を担っています。
これが、「蕎麦」と決定的に違うところです。
蕎麦は、その麺そのものに「旨味」を有します。
そしてその旨味は、壊れやすく、
また他からの味にたやすく消されてしまいます。
今では、見かけなくなりましたが、以前の関西での「ざるそば」には、
必ず「うずらの生卵」が付いてきました。
もしも、美味しい手打ち蕎麦の場合、このうずら卵によって
見事に蕎麦の旨味は奪われることでしょう。
うずら卵があった方が旨いざる蕎麦は、蕎麦の不味いざる蕎麦です。
つづく