手術を受ける人は、打ち合わせの時は強がっていられても、帰宅すると一気に恐怖、不安が押し寄せてきて、じっとしていられなかくなる。
手術で患部をとりましょう、それはわかる。
終わったら、すっかり取れましたよ、成功でしたと言われるだろう。
医師は手術が終われば、ミッションコンプリート。
しかし、自分には、それからの人生が待っている。
それは、引き返すことができない、片道切符。
笑って手術のことばかりに関心を振られ、言っても分かってくれない。
命があってこそ、生きているからと言われても、その後の人生。
場合によっては、仕事を失い、術後の管理でそれだけで毎日が終わる場合もある。
どうして生きているのと考えてしまうこともあるかもしれない。
生きているだけで丸儲けなのか。
生きているからまだ経験が積めると言って喜べるのだろうか。
アメリカ留学の際に、タイからの女性の留学生と話しているときに、
タイではバイクに乗る人が多い、自分の知り合いで事故に会った人がいる、
事故で死ねれば良かったけど、たまたま生き残って、それからが大変。
ベッドから起き上がれないし、首から下は全く動けない、まわりも世話で大変、こんなことになるなんてと
事故に会ったら死んだほうが楽だと、しみじみ言っていたのを思い出します。
手術する医者のほうは、どう切るか、どのようにつなぐかばかりが話題で、それ以外に関心を持つ人が少ない。
いやほとんどいない。いや、いないと思われる。
手術にミスはなかった、成功、それだけに集中。
そして、退院を迎えて、笑顔で送り出すが、それからが大変。
手術した後に起こることが不安で相談するが、さえぎられて、手術に集中しましょう、生きていれば何とかなるということなのかもしれない。
あくまで手術する側、たいして受ける側は別の次元。
人は人のことが分からない、人は人を変えることはできない。
医療は一時しのぎにしか過ぎないのだろうか。
患者がたくさんいるから時間を割けないのか、気づかないのか。