その6
「でどうだった。弁護士さん、何か良い知恵を授けてくれた」翌朝早く、梅田さんからまた電話
『そう、あなたの言っていた事を話して、今後どうしたら良いか聞いてみたわ。
でもそれほど丁寧に教えてくれたわけじゃないから、どれほどお役に立つか分からないけど。
先生がおっしゃるには、「この件は、盗品と言う可能性がある事を知りながら、それを告げないで、梅田さんの所へ売ってよこしたのは、明らかに不当行為である。だから、民事で争えば、支払ったお金は戻ってくる可能性が充分にあると思う」
「この程度の金額の係争は、争うとしても、少額訴訟と言う事になりますが、この件は、そんな手間とお金をかけないで、フクフクの太田川店や、本店に、掛けあって、裁判まで持って行く前に、お金を取り戻すようにした方が良いのではないでしょうか」
「フクフクの方だって、これが表ざたになれば、お店の信用に傷が付く事になりますし、それに本店だって、共同責任は免れないということはわかっているはずです。
だから此方の覚悟が、伝わるように交渉しさえすれば、あちらさんから、折れてくると思います。
ただその為には、交渉している間は、その問題の品物、この場合は、絵画ですが、それを、梅田さんの手元に置いておく必要があります。
取引を白紙に戻し、お金を返してもらう為には、お金と交換に、この問題の作品は(梅田さんが買った作品)、相手に渡さなければなりませんから」
『従って、警察に対しては、「本件は、売り主と係争中であるから、今すぐの、任意での証拠品としての作品の提出には応じられません」と言って、その作品の提出は出来る限り引き延ばしておいて、その間に交渉を終わらせるよう持って行く事です』とのことでした。
『ようするに、「お金取り戻したかったら、さしあたっては、貴女が自分で頑張ってみなさい。梅田さんのやりかた次第で、お金は、戻ってくる可能性が強いと思いますから」
「もし万一、交渉だけでは、どうしようもなく、裁判で争うより方法がないということになった時は、力になりますから、またその時、相談して下さい」と言うのが弁護士さんの意見のようでしたよ』
「フーン。やはり自分で頑張るより仕方がないということなのかー。大変だなー。
どうして私が、こんな目に遭わなきゃならないのよ。癪に障る・・・・」
以下次号に続く