日吉大社の次は、祓戸四神の総本山と言われる、佐久奈度神社に来ました。
祓戸四神
・瀬織津姫命
・速秋津姫命
・気吹戸主命
・速佐須良姫命
【祓戸神について】
今までのこのブログにおける祓戸神とは、大祓祝詞より以下の解釈であり、
・瀬織津比売(せおりつひめ)
こうして祓い清められた全ての罪は、高い山・低い山の頂から勢いよく流れ落ちて渓流となっている急流にいらっしゃる瀬織津比売と呼ばれる女神が大海原に持ち去ってくださるだろう。
・速開津比売(はやあきつひめ)
このように瀬織津比売によって持ち出された罪を、今度は人が近づけないほどの大海原の沖の多くの潮流が渦巻くあたりにいらっしゃる速開津比売という勇ましい女神が、その罪をガブガブと呑み込んでしまわれることだろう。
・気吹戸主(いぶきどぬし)
このように速開津比売によって呑み込まれた罪は、今度は海底にあって根の国・底の国へ通じる門(気吹戸)を司る気吹戸主といわれる神が根の国・底の国(黄泉の国)に気吹によってフゥーっと息吹いて地底の国に吹き払ってくださるだろう。
・速佐須良比売(はやさすらひめ)
このように気吹戸主によって吹き払われた罪は、今度は根の国・底の国にいらっしゃるパワー溢れる速佐須良比売という女神がことごとく受け取ってくださり、どことも知れない場所へ持ち去って封じてくださるだろう。(消し去り無くしてしまうという意味に取りましたが・・・。)
・瀬織津比売=渓流の神:川から大海原へ洗い流す
・速開津比売=海底の神:大海原に飲み込む
・気吹戸主=黄泉の門番の神:黄泉の国に吹き飛ばす
・速佐須良比売=黄泉の神:消し去り無くす
つまりは、瀬織津姫命(渓流)、速秋津姫命(海底)、気吹戸主命(黄泉)でそれぞれ纏めた
罪咎穢れを、速佐須良比売が消し去り無くしてしまうことが本質にあると感じます。
でも、日本の昔からの傾向として、陰に関係する神は極端に記述が少なく、隠す傾向にあり、その最も大切な役割をもつ、速佐須良比売(破壊・再生の神)も例外ではないと感じます。
物理的に言えば、水の流れに沿って人々が溜めた罪咎穢れを川を介して海へと洗い流し、塩の力で海水で浄化し、それが蒸発して空のエネルギーでまた再浄化され、綺麗な再生された水として雨となり降り注ぐ。循環システムそのものを具現化し讃えているようにも感じます。
塩は古来日本から用いられる、酒と並ぶ浄化アイテムでありますし、感染症の対策としても塩素が用いられます。
塩自体が人体にも欠かせないミネラルであり、日本に於ける最も重要なパワーストーンとも言えそうです。
また、これら祓戸の浄化の神は、神社における神事の殆どの祝詞で用いられているようで、実質上日本神道に於いても最も重要な神様ではないかと感じるわけです。
日本の神社がそれぞれ清涼なエネルギーを保っていられるのも祓戸大神のお陰であるとしても過言ではないでしょう。
さて、前置きが長くなりましたが、神社のレポに進みます。
【佐久奈度神社(滋賀県大津市)】
前回レポにも書いた通り、山王山・比叡山(日吉大社)や、比良山(白髭神社)を含む山々の川から琵琶湖に注がれ、その出口となる瀬田川沿いにこの神社が配置されています。
神社鳥居
案内板
天智天皇8年(669年)創建、神事・祭祀を司る中臣氏が祀ったようです。
祓戸四神の唯一の記述として残る大祓祝詞を作った、中臣鎌足(生614年~没669年)の没年に祀ったのには意味があることなのでしょうか。
現在の社地は天ケ瀬ダムに伴い、旧社地が水没してしまうため、昭和39年に移転したもののようです。
稲荷社・八幡社
手水舎
参道・境内
広い境内にはホワホワとした祈りのエネルギーが感じられます。
拝殿全体
祓戸の神の総本山としては、こじんまりとした造りのようにも感じます。
右側の狛犬
獣っぽいのにニカッと笑ったような表情が素敵です。
この画像の左側に見える摂社として、焼鎌神社(天御柱大神)・敏鎌神社(国御柱大神)があるのですが、当日は見落としてしまいました。残念。
大祓祝詞にあるように、”焼鎌・敏鎌により穢れを打ち掃う”という役割もあるのかもしれませんね。そして、鎌により命を刈り取るという意味もあるのだとしたら、やはり破壊・再生の神でもあるのだと感じます。
宇宙の全てのものの原理である、一つの点からの拡大・収束の振り子運動のような循環サイクルの収束の部分に相当するのだと思います。すべてのものが消え去りひとつの点となりそこからまた再生し広がっていく運動といいますか・・・。
創造と破壊の神はセットであり、生み出されれば、最終的にはまた消し去られるということでして。
今までの神社仏閣巡りの中で、鎌を感じた神と言えば以下の2社があります。
・幸稲荷神社/東京タワー(東京都港区)
https://ameblo.jp/tohya0109/entry-12281037700.html
⇒運命を刈り取る循環を司る存在
・二岡神社②(御殿場市)と時空の渦
https://ameblo.jp/tohya0109/entry-12502403976.html
⇒無限回廊を司る時空の子神
いずれも、時空や運命などと関連した陰っぽい神でした。
それらと繋がるのかもしれませんね。
その後、耳鳴りが起き、
”焼鎌・敏鎌 打ち掃い給え”
ということばを受信しました。浄化・禊ぎのために使える祝詞ということでしょうか。
普通の祓詞に加え、大給祝詞にて挨拶をしました。白い雷のようなバチバチしたエネルギーを感じました。
社務所
今まで見たこともない、祓戸四神が別々になった御札を発見しましたので頂くことにしました。
次に旧社殿付近に向かいます。
旧社殿付近は砂利道の駐車場になっており、全体からホワホワした清涼なエネルギーを感じます。
1,400年ほど込められた祈りの土地で在るわけですから、蓄積されたエネルギーは相当なものでしょう。
瀬戸川
この川がご神体とも言えるのかもしれません。
清涼な祈りのエネルギーを感じます。
イチョウと案内板
全ての社殿や木々を伐採したのち、ただ一つ新しい芽が吹き出し、再生した命。
旧社殿の祈りの集積体の依代になっているのかもしれません。
(2020.10.25)