今週の月曜日から国会で審議されてきました令和元年度補正予算案が、昨日(130日)、参議院本会議で可決され、成立しました。この補正予算案は大きな打撃を受けた台風19号被害からの復旧復興費用などを計上しており、早期の成立を重視してきました。

 

ちなみに、補正予算とは、年度途中に、「当初予算」を補う形で組まれる予算をいいます。本日可決された補正予算は令和元年度途中に令和元年度(当初)予算を補う形で組まれているため、「令和元年度」補正予算となります。

 この「補正予算」は著しい社会情勢の変化、突発的な自然災害対策など、新たな財政需要が発生したときに編成されます。当初予算と補正予算を合わせた金額が当該年度の最終的な予算となります。

令和元年度補正予算は、追加の歳出が一般会計で4兆4722億円となり、災害からの復旧・復興のための費用や、新たな経済対策を実行するために必要な費用などが盛り込まれています。

 

 

●新潟県の港湾関係の予算

 令和元年度補正予算のうち、新潟県内の港湾関係の補正予算として合計10億5800万円が計上されていることを報告させて頂きます。

具体的には、国の直轄事業として、国際拠点港湾の新潟港の港湾整備事業に49000万円が、また、新潟港海岸の海岸事業に48000万円が計上されています。

 また、防災・安全交付金として、新潟港の経済活力の維持・向上に資する港湾整備に2600万円が、また、新潟港海岸の高波等による護岸等の倒壊防止対策や面的防護対策に6200万円が計上されています。

上記の新潟県内の港湾関係の補正予算は、昨年度の補正予算より増額になりました。私も、港湾議員連盟の一員として、昨年数度に渡る港湾関係者の要望活動や集会などを通じて、地元のために奮励努力させて頂きました。

 

●補正予算の全体像

それでは、令和元年度補正予算の全体を見ていきましょう。全体としては、大きく3本の柱から構成されています。すなわち、「災害からの復旧・復興と安全の確保」、「経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点⽀援」、「未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も⾒据えた経済活⼒の維持・向上」の3本です。

 

●「災害からの復旧・復興と安全の確保」

この予算には2兆3086億円が計上されています。この予算は、3つの分野から構成されています。

 

➀「自然災害からの復旧・復興と安全・安心の確保」

これは、公共⼟⽊施設等の災害復旧等事業〔4859億円〕、災害等廃棄物処理〔456億円〕、中⼩企業等「グループ補助⾦」190億円〕、農業⽤ハウス・機械等の再建〔175億円〕等です。このうち、「グループ補助⾦」とは、被災した中⼩企業等がグループを形成して「復興事業計画」を策定し、県の認定を受けた場合に、そのグループに参加する事業者が⾏う施設復旧等の費⽤の⼀部を国が⽀援する補助金をいいます。

 

②「防災・減災、国土強靭化の迅速な推進」

これは、河道掘削や堤防のかさ上げ・補強等の台⾵15号及び19号を受けた治⽔対策〔2,437億円〕、⾬⽔貯留施設等の整備による内⽔浸⽔対策〔673億円〕、道路のミッシングリンクの解消〔898億円〕、無電柱化の推進〔205億円〕、⾼波等による被害の防⽌295億円〕、廃棄物処理施設の整備〔483億円〕、⾃家発電設備を備えた住⺠拠点SS等の整備〔170億円〕等です。

 

③「国⺠の安全・安⼼の確保」

これは、⾃衛隊の安定的な運⽤態勢の確保〔3783億円〕、戦略的海上保安体制の構築等〔402億円〕、学校施設の耐震化・防災機能強化〔964億円〕、矯正施設等の耐震化・⽼朽化対策〔148億円〕、CSFASFなど家畜疾病への対応強化〔133億円〕等です。

 

●「経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点⽀援」

この予算は9173億円が計上されています。5つの分野から構成されています。つまり、➀「中⼩企業・⼩規模事業者の⽣産性向上のための環境整備」(3847億円)、②「海外展開企業の事業の円滑化」(1118億円)、③「農林⽔産業の成⻑産業化と輸出⼒強化の加速」(3428億円)④「地⽅創⽣の推進強化」(693億円)、⑤「就職氷河期世代への⽀援」86億円)です。

 

この中で、➀「中⼩企業・⼩規模事業者の⽣産性向上のための環境整備」は、中⼩企業⽣産性⾰命推進事業〔3,600億円〕、事業承継の⽀援〔64億円〕等です。これらの中⼩企業・⼩規模事業者の⽣産性向上、事業承継の⽀援は、私が「中小・小規模事業者の円滑な世代交代を後押しする議員連盟」(事業承継議連)の事務局次長として常々主張してきたことが反映されました。

 

また、⑤「就職氷河期世代への⽀援」は、地域における就職氷河期世代⽀援加速事業〔30億円〕、新規就農⽀援緊急対策事業〔38億円〕等も予算がしっかりと確保されました。

 

●「未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も⾒据えた経済活⼒の維持・向上」

この予算は1771億円が計上され5つの分野から構成されています。➀「Society5.0SDGsの実現に向けたイノベーションと社会実装の促進等」(4833億円)、②「Society5.0時代を担う⼈材投資、⼦育てしやすい⽣活環境の整備」(2983億円)、③「外国⼈観光客6,000万⼈時代を⾒据えた基盤整備」(305億円)、④「⽣産性向上を⽀えるインフラの整備」(1016億円)、⑤「切れ⽬のない個⼈消費の下⽀え」(1634億円)です。

 

特に、②Society5.0時代を担う⼈材投資、⼦育てしやすい⽣活環境の整備」は、GIGAスクール構想の実現〔2,318億円〕、保育の受け⽫整備〔377億円〕、⼦育てフレンドリーな住宅・都市環境の整備〔117億円〕等です。このうち、GIGAスクール構想の実現とは、小中学生に1人1台のパソコンやタブレットを配備することを目指す事業をいいます。これについては後日詳しくご報告します。

 

また、「外国⼈観光客6,000万⼈時代を⾒据えた基盤整備」は、オリパラ開催を起爆剤にした訪⽇プロモーション〔50億円〕CIQ体制の強化〔49億円〕、⽂化財の防⽕・防災対策〔58億円〕、国際クルーズ拠点の形成〔25億円〕等です。このうち、CIQ体制の強化は、私が「CIQ体制の抜本的強化を図る議員の会」(CIQ議連)の事務局長として、平成25年の議連の立ち上げの時より力強く訴え続けてきたことです。

 

●まとめ

なお、補正予算の財源は、既定経費の減額や前年度余剰金を繰り入れるだけでなく、公共事業などに使いみちを限った建設国債を2兆1917億円発行するなどして捻出します。

 

本日、成立しました補正予算は、上記のように、大きな打撃を受けた台風19号被害からの復旧復興費用などを計上しており、被災された方々を含む国民を勇気づける内容となっています。

 

引き続き、私 石﨑とおるは、国民の皆様が希望をもって生活できる世の中を実現するために、国民の皆様の声を国政に届けることに尽力して参ります!

 

衆議院議員 石﨑徹