本日、自民党人工知能未来社会経済戦略本部が開催され、私は本本部事務局長として、進行を務めました。まず内閣府から、平成31年度予算について説明を受けました。

 

平成31年度予算案は、人工知能(AI)関連予算が総額約1,167.3億円です。30年度予算の1.5倍となり、初めて当初予算で1千億円を超えました。また30年度第2次補正予算案にも290.4億円が計上されました。AI分野での技術革新を促し、成長につなげる狙いがあります。

また、これは我々本部でこれまで政府に予算増を働きかけてきた成果でもあります。

 

この予算額は、各省予算分を内閣府が集計したものです。AI関連予算は29年度が5755千万円、30年度は、7704千万円と大幅に増額し続けています。

 

具体的な事業の一つをあげると、農業分野では、AIやモノのインターネット(IoTを活用して生産や物流などを管理する「スマート農業」の技術開発、実証実験に31億円が計上されています。

 

このようにAI関連予算が増えている背景には、研究開発予算で米国や中国に大きく水をあけられているとの危機感があります。

 

政府予算の説明の後、経団連から「Society 5.0提言について」、続けて東京大学 高大接続研究開発センター 教授の白水始さんから「AI時代の教育について」それぞれお話を伺いました。

 

経団連のプレゼンテーションでは、AI活用原則として、①AIよるSociety 5.0 for SDGs(持続可能な開発目標)の実現②多様性を内包する社会のためのAI③社会・産業・企業のAI-Ready化を④信頼できる高品質AIの開発を行う⑤AIに関する適切な理解を促進する。

 

これらの原則の上で、AIの活用、展開を迅速に行うためには、企業、個人、制度といったあらゆる階層でのAI-Ready化の推進が必要、ということでした。

特に、強調されていたのは、

・リベラルアーツの人材育成が重要。AI×個別領域 ダブルメジャーが必須。

・データのオープン化。民間のデータは企業。保険・教育・行政のデジタルガバメントかを早急に。

・地方の外国人材不足。切れ目のない医療を日本でも外国でも提供する体制整備。母国の家族を日本で医療、戻った後にデータの連結性がないから、来なくなってしまう。

といった点でした。

 

白水始さんからは、多様性を内包した持続可能な社会の作り手の育成に向けて「子どもはいかに学び、いかに成長していけるのか」の学びモデルの構築の必要と、その学習観に基づいた実践を展開し、AIIA両方の人工知能活用を通してビックデータを収集することが必要とのことでした。

 

3つの重要な視点

・コンテンツを覚えるだけでなく、しっかり理解する。

理解するからこそ疑問が生まれるという学習のモチベーションを体感する。

・コンテンツの学びを基盤に、他者と学び続ける学び方を学ぶ。

 

協調学習の今後の3つの視点

  1. 日本の強みとの認識

  2. 授業研究を海外輸出

  3. 他者との学び方を学ぶ

     

     

    AIは、日本の将来にとって社会課題の解決やイノベーションを目指すには不可欠な基盤技術になっています。文科省での基礎研究から経産省や国交省などでの実用化や普及まで府省庁に広く盛り込まれています。私たち政治家は、シームレスな施策となるか、散在的になるか、省庁を超えた相乗効果をしっかりと検証していく必要があります。

     

    世界を視野に入れつつ、産業界とも連携した教育や雇用の改革、世界の人材をひきつける研究開発環境の構築、健康・医療・介護、農業等、各分野の将来像を描いた上でのデータ連携活用基盤の構築を省庁が連携して加速するよう後押しして参ります!

     

    自由民主党人工知能未来社会戦略本部 事務局長

    衆議院議員 石崎徹