こんにちは!

先日、医療基本法の制定に向けた議員連盟(仮称) 設立総会が開催されました。

 

現在、医療に憲法の理念を反映させた法律がありません。重要分野には政策の基本理念を定めた基本法が概ねあります。

 

憲法13条で個人の幸福追求権を、14条で法の下の平等を、25条で健康で文化的な生活を営む権利を保障しています。「医療基本法」は、この理念を医療で実現させるための医療の法律の最上位の「親法」になります。

 

「基本法」とは、日本国憲法が掲げる理念を個別の法律に反映させるためには必要不可欠なもので、憲法と個別の法律の間を繋ぐものです。 

 

これまでに、医療に関する個別の法律はいくつかつくられましたが、医療の主体者である『患者の権利』について定めた法律はありません。1997年に医療法が改正されたとき、インフォームド・コンセントについて明文化されました。

 

また、個人情報保護法との関連から、2004年に患者の診療情報の提供等に関する指針が決議されたりしましたが、それは重要な改正ではありますが側面的でしかありませんでした。               

 

『患者の権利』について明文化した法律をつくることは、医療制度の原点や本質を明らかにすることでもあります。

 

日本医師会では、医事法関係検討委員会答申として「医療基本法」の制定に向けた具体的提言を“最終報告”として平成26年3月に発表し、その後平成28年6月には「医療基本法」が制定された後の医事法制の整備等について諸問題を検討しその結果をまとめました。

 

この答申は、医療基本法(仮称)が制定された後の医事法制の全体像をどのように再整備すべきであるかを中心的課題とし、医療基本法(仮称)をめぐる医事法制上の諸問題について、主としてその議論の過程を示すことにより、本委員会における検討の到達点を報告したものです。

 

医師会では、医療側の立場から「現行の医療関連法が旧態依然としたままで、医師と患者の信頼関係を阻害しており、医療政策の根本原理を明示する医療基本法が必要」と主張しています。

 

昨今,医療をとりまく状況がますます複雑化するなかで,医療提供者と患者の関係も,少なからずその影響を受け,数々の問題が指摘されるようになったと思います。

 

医療は医師・医療提供者と患者の信頼関係に基づいて営まれるものであり,両者の関係をいかに良好に保ち,発展させていくかは,医療全体の命運を決すると言ってもよいのではないかと思います。

 

そうした意味で、患者の声をいかに医療政策の決定プロセスに反映させるかということは、極めて重要だと思います。

 

今回の議連立ち上げのように医療基本法をめぐる動きが活発化していると思いますが、その内容をみると、医療の基本理念を定めることを念頭に置くものから、患者の権利を定めるものまで様々です。関係者の間でさらに議論を進めることが必要だと思います。

 

高齢化の進展の中、医療の充実を図っていくことが必要であり、またその前提として社会保障改革推進法では医療の効率化を図ることが定められています。

 

どのような充実、あるいは効率化を図っていくのかを考える上でも、医療の基本が国民合意の下に、双方的な視点、さまざまな権限への配慮もされた上で定められるのであれば大変望ましいことだと思います。

 

自民党厚生労働部会長代理

衆議院議員 石崎徹