こんばんは!

外国人労働者の受け入れ拡大に向けた改正入管法が、8日未明の参議院本会議で採決され、自民、公明両党と日本維新の会、無所属クラブの賛成多数で可決され、成立しました。

この週末は、あちこちでこの法律って何?と聞かれましたので、ブログに少し詳しくまとめてみます。

まず、この法律は来年4月1日に施行されます。外国人労働者の受け入れ数の上限をはじめ制度の詳細は今後定める政省令で示されます。

 

法案の審議では、外国人労働者から選ばれる国に向けた制度設計において、外国人の受け入れ規模や、その業種、社会保障制度のあり方などの3つが主な論点となりました。

 

その1 外国人の受け入れ規模について

政府は、現時点で5年後に14業種合計で1455千人の人手が不足すると仮定し、194月から5年間で最大345150を受け入れる見通しです。

 

この背景には、「生産年齢人口の減少」があります。生産年齢人口とは15歳から64歳の年齢層のことで、2008以降はこの層が減少の一途をたどっています。具体的にいうと、1990年代前半には約8,700万人いた生産年齢人口が2016年には約7,600万人まで減っていて、この25年ほどで1,000万人もの人口が減少しています。

 

その2 受け入れ業種について

新しい在留資格「特定技能」を設けるのは、人手不足が深刻な農業や建設、宿泊などの14業種となります。政府が指定した業種で一定の能力が認められる外国人労働者に対し、新たな在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」を付与することが柱となります。高度な試験に合格し、熟練した技能を持つ人に「特定技能2号」が与えられますが、2の「ハードルはかなり高い」との答弁がありました。

 

〇特定技能1

条件:生活に支障のない会話ができる、一定の知識や技能を持っている

在留期限:最長5

家族の帯同:不可

 

〇特定技能2

条件:生活に支障のない会話ができる、熟練した技能を持っている

在留期限:更新可能

家族の帯同:可

 

その3 外国人の増加が社会保障制度に与える影響について

日本は、国籍や職業、所得にかかわらず、日本に住む人は公的な医療保険と年金制度に加入し、平等に医療や一定の年金を受け取れる制度となっています。手術や入院などで高額な医療費がかかった場合に個人負担を軽くするための高額療養費制度は医療費を圧迫するとの懸念も審議の中で議論されました。

 

外国人の医療保険の適正な利用を確保することは重要な課題だと思います。私が部会長代理を務める自民党厚生労働部会は、党内の法案審査段階で、外国人材の受入れ拡大に際して、①公的保険制度への加入状況や保険料の納付状況の確認の厳格化②他人の保険証を流用する「なりすまし」事案等への対応強化―などを柱とする決議を行っています。

 

外国人労働者の受け入れ拡大に伴う社会保険への様々な影響については、今回の入管法改正には盛り込まれていません。これらは、来年の通常国会以降へ提出される見通しで現在検討中という状況です。

 

以上が、国会での主な論点でした。詳細な制度設計や全体像がこれから示されますので、私も注意深く見守って参りたいと思います。

 

日本の労働市場は、少子高齢化と国際化で激しく変化してきています。今後の日本にとって、外国人の方々が日本で働く環境を整えることは必要だと思います。日本人の雇用環境を守りながらも、外国人労働者の労働環境を整えていく二正面作戦が必要ではないでしょうか。


新潟でも、介護、飲食業、建設に関わる企業の皆様からの人手不足の悲鳴を聞いておりましたので、1つの政治的な答えになったものと確信しています。

 

自由民主党厚生労働部会長代理

衆議院議員 石﨑徹