中国北京・天津出張では、ナイトタイム観光として、天津市内を流れる川のクルージングを行いました。
街中プロジェクションマッピングを見ながらのクルージングはとても迫力がありました。プロジェクションマッピングが高層ビル一棟毎に違っていたりして多様なやり方でした。街全体がエレクトリカルパレードの様相で大勢の外国人観光客でクルージングは賑わっていました。
更に感心したのが、この費用は税金ではなく、市が運営するクルージングの利用料と広告費でその電気代を賄っているとのことでした。
しかも、毎日行っているとのこと! クルージングも遅くまでやっていました。
日本では、レストランや居酒屋、バー、クラブなどは諸外国に劣らず夜遅くまで営業していますが、例えばミュージカルや音楽ライブの夜間公演、夜間の美術鑑賞やスポーツ観戦など、夕食を終えた午後8時ぐらいから楽しめるエンターテインメントが少ないのが現状だと思います。多くの訪日客は娯楽やイベントが充実していない日本の夜をもの足りないと感じ、日中こそ観光に忙しいが夕食後は時間を持て余しているとも言われています。
外国人観光客からは、日本は、深夜まで営業する娯楽・文化施設、交通機関が少なく、夜が楽しめない、という声も聞きます。
文化施設の開館時間を延長し、カフェ・バーを併設することや、鉄道の営業時間延長と週末の終夜運転、主要バス路線の深夜バス営業、夜の観光情報を発信するための多言語サイト開設など色々と手は打てるのではないでしょうか。
例えば、ロンドンのナイトタイム市場は、英国全体に年間約4兆円の経済効果をもたらしているといわれます。
ナイトタイムエコノミーの振興は、イベントや音楽ライブの企画・制作、映画や演劇の興行、アミューズメント施設の運営をはじめとするエンターテインメント業界、および居酒屋・外食産業等にとって追い風となるのではないでしょうか。今後、カジノを含む統合型リゾート(IR)が開設されることも見込まれており、その動向ともあわせ注目されます。
訪日客が夜に1万円多く使えば、2020年には、4千億円の経済効果を見込めます。ナイトタイムエコノミーの活性化が観光立国を更に後押しするのではないでしょうか。
訪日外国人観光客が日本の夜の観光スポットや娯楽を楽しめる環境整備について議論を深めてまいりたいと思います。
ナイトタイムエコノミー振興議員連盟 衆議院議員 石崎徹