国の予算審議には地域の声を確認するプロセスがあり、これを地方公聴会といいます。本日は、与野党の予算委員のメンバーの皆さんと静岡県に日帰りで伺って参りました。

 

まず、味も見た目もおいしい介護食・病院食・給食を生産する全国NO1企業の(株)ウェルビーフードシステムの製造現場を視察しました。写真のとおり、見た目はお寿司にそっくりで味もお寿司に近く、それでいて介護を受ける方にとっても栄養価・満足度の高い素晴らしい食を提供される企業でした。全国に、全世界にこの食を広めようと敢えて特許を取らずに1日16000食を製造しており、古谷社長はじめ従業員一同、社会貢献を経営理念に添えてから会社の成長が始まった。

なお、グルテンフリーの給食製造にあたっては、新潟の米粉もぜひと社長にPRも致しました。

 

 

 

その後、静岡県の経済界、教育界のリーダーの方から以下のご意見を直接伺いました。

 

〇静岡県経営者協会会長 中西勝則会長

働き方改革が1年位前から地方で潮目が変わってきた。特に経営者の意識が、戦後の働き過ぎ環境を長時間労働の削減など含めて改善しようという意識に変わってきた。有効求人倍率が改善し人手不足状況。子育て環境の改善。介護の問題など、働く人を取り巻く環境に目を向けるようになってきた。取引先の納入要請が厳しいと働き方改革を中小企業では進めにくいため、全国的な取組みを行ってほしい。

(なお静岡は県税も10億円+見込み。企業立地件数が平成28年、29年、全国NO1.)

中小企業の企業の枠を超えた働き方改革の連携も重要。M&Aなどの企業再編などもやっているが、事業承継出来ないところが生き残ることも出来る。

 

〇前湖西市長・脱原発をめざす首長会議世話人 三上元氏

火力・水力を動かしてから、原発で良いのでは。静岡の浜岡原発から静岡西端の湖西市まで60km。人為的なミスもあるだろう。原発テロが危ないのでは。北朝鮮から日本の原発にミサイルが飛んでくる。ビルゲイツが研究中のテラパワー社の次世代原発に注目しよう。日本のメガバンクも投資しようとしてないのでは? ロイズ再保険も日本の原発だけは受けないのでは? 廃炉32兆円、除染30兆円、賠償8兆円。元国土交通省竹村局長の説で、ダムの底に口を空ければ底の土砂も簡単に除ける。ダムのかさ上げを1割すれば2倍の能力になる。

(下記、酒井陳述人は、価格よりもまず安定的な電力を望むといった意見が後ほどあった)

 

〇静岡商工会議所会頭 酒井公夫氏

身の丈にあったITの導入や人材育成など、生産性革命における人づくり革命の取組みのいて、中小企業の生産性向上、特にサービス業の生産性改善が必要。国の平成30年度予算において、ものづくり・サービス・商業補助金が手厚くしてくれたのは有難い。また固定資産税減免などの税制措置にも感謝。4割の企業がワード・エクセルすら導入していないため、IT導入については、画一的な人材育成は難しいが、税理士会・商工会と一緒に、経営指導員などを活用して経営者に気付きを与えることが出来るよう一体として取り組む。ソフトウェアの簡素化も役に立つのでは。ガラケーレベルのIT導入の必要性。

事業承継税制については、抜本的に改善し、画期的な取組みと感謝している。地方の声が国に届いた。(20年間で経営者平均年齢が47歳から66歳へと単純にシフトしただけ。廃業になった企業の半分が黒字だった。単純に後継者がいないだけだった。)この事業承継についても、経営者への気付きについても、商工会議所として後押ししたい。

観光産業は99%が中小企業。インバウンドの不満は、言葉や習慣ではなく、Wi-Fiが繋がらないというインフラの問題が圧倒的。エリアにおける面的な整備が必要。総務省の予算で静岡県は整備出来た。全国的にも稀な例。国際観光旅客税などを活用して欲しい。クルーズ船整備についても、富士山を観ながら入港する清水港へのクルーズは倍増しているため、国として港におけるWi-Fi整備などを行ってほしい。DMO含めたソフト開発への支援も合わせてお願いしたい。国の制度の周知の徹底も必要。

(中心市街地活性化についても、2核1モールという発想で中心部の賑わいを維持してきた)

 

〇静岡大学人文社会科学部教授 鳥畑与一氏

国立大学への運営費交付金の削減は今後の未来投資戦略において改善して欲しい。高等教育における公的支出が国際的にも少ない。多くの家庭が貯蓄を取り崩して子どもも進学を支えている。文教予算を増やしてほしい。所得増からの税収増加、失業率の低さによる社会保障費の減少などを通じて公財政にも大きく貢献する。給付型奨学金の選別なき拡大もお願いしたい。授業料の引き下げも訴えたい。就職時期も早すぎる。実質3年生大学となっている。若者の大都市への流入阻止などにもっと取組み、地域に人材を提供する大学にしたい。生産性の高低だけではなく、地域循環型経済において果たしている役割を評価したボトムアップ型の中小零細企業支援の充実(信用保証制度の100%保証の充実)をお願いしたい。

なお、大学独自の魅力アップの努力もこれらの学習環境の改善と併せて取組みたい。

中小企業の生産性が低いから経済停滞というのは理解出来ない。価格引き下げ競争の中で、中小企業は価格低下に耐えられるように頑張っている。

外から来た学生で静岡に残る学生は20%。残りの80%に対して地元の中小企業の良さを伝えるセミナーなどを開催している。

 

以上、委員会室での審議だけでなく、実際に国の予算が届く地域・団体の方々のお声を直接伺うことは、予算の質の向上に繋がる重要なプロセスであると改めて認識しました。

(昨年は沖縄県で基地問題や観光政策について伺いました。)

 

私も地元選挙区で国の予算について丁寧に説明したいと思います。

 

 

 

衆議院議員 石崎徹