本日、自民党本部で憲法改正推進本部の全体会合が開催されました。自衛隊の明記など憲法改正4項目の方向性や課題などをまとめた「憲法改正に関する取りまとめ」が提示されました。この4項目とは、 ①安全保障に関わる自衛隊 ② 統治機構のあり方に関する「緊急事態」 ③ 一票の較差と地域の民意反映が問われる「合区解消・地方公共団体」④国家百年の計たる「教育充実」です。それぞれの基本的考え方が明記され、解釈が分かれている論点整理がなされました。

 

憲法9条については、自衛隊がわが国の独立、平和と安全、国民の生命財産を守る上で必要不可欠であるとの見解に異論はなく、その上で、(1)1、2項を維持した上で自衛隊を明記するにとどめるべき(2)2項を削除し、自衛隊の目的・性格をより明確化する改正を行うべき、との意見の2案が示されました。なお、「自衛権の発動はこれを妨げない。」との項目を追加すべきといった新たな案も一部議員から出されました。

 

緊急事態条項については、国民の生命と財産を守るため、何らかの緊急事態に関する条項を憲法上設けることについて、(1)国会議員の任期延長などの特例規定案(2)緊急時に政府の権限強化を盛り込む2案が記されました。合区解消・地方公共団体と教育充実については、概ねこれまでに党内で決定された方向性が記されました。

 

 自民党は来年の通常国会で改憲案を示す姿勢を崩していませんが、具体的な条文作りに向けた党内議論は、マスコミ報道の通り、当初想定されていた予定よりも遅れているのではとの印象を持っています。

 

最近、憲法改正に関して、拙速とのご意見も頂戴しますが、国会では、平成12年1月に衆参両院に憲法調査会が設置され、報告書が作成・提出。平成17年9月には、衆議院に日本国憲法に関する調査特別委員会が設置され、その後平成19年に憲法改正国民投票法が成立するとともに憲法審査会の設置がなされました。衆議院憲法審査会のホームページをご覧頂くと、これまでの国会内での憲法に関する多くの議論や大量の調査資料があり、その分量に誰もが驚かれると思います。ページのアドレスは以下になります。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/index.htm

 

私は、憲法改正に関して、過去の国会での経緯、議論、諸先輩議員の努力を踏まえて、憲法解釈の前提となる概念を整理し、党内の意見集約を進めて、国会内で各党会派を交え、そして何より地域で国民の皆さんと共に真摯に建設的な議論をしながら、前に進めていくことを期待しております。
 
衆議院議員 石崎徹
 
下記写真は、先日新潟県民の皆さんが多数ご参集した憲法推進県民集会の様子です。