今年春に私が財務金融委員会で金融庁に要望させてもらいました、第四銀行・北越銀行統合に関する金融庁としての地元での統合説明会を10月31日に開催して頂いたことにまず感謝を申し上げました。

金融庁としては表向きは個別事案という扱いですが、10年後、20年後を見据えた地銀統合の環境整備について頑張ってくれていると思います。

しかし、第四・北越銀行は統合を半年間延期すると発表。地元でもなぜ延期するのか不安や憶測を呼ぶ結果となりました。

この延期の理由に公正取引委員会の審査が遅れているという事情があったため、この委員会で金融庁・公正取引委員会に質問をさせて頂きました。

 

Q:私は、地銀の再編・統合は経営力を高め、地方創生に資すると考えています。公正取引委員会の統合審査の遅れが見られますが、地元で不安の声をよく耳にします。また、銀行の信用力に関わるのではないかという問題意識を持ちます。何で審査が遅れているのか。伺うと、企業統合課の人員は40名で国内案件のみならず、海外企業による日本企業の買収案件などの審査にも時間をかけていると聞いた。人員拡充など含めて、その問題解消措置等について伺います。

 

A:公正取引委員会からの答弁要旨

本件経営統合については、詳細な審査を行う必要があると認められ、本年7月に報告等の要請をおこない、第二審査を開始しました。独占禁止法上問題があるかどうかの判断については、公正取引委員会は、当事会社から全ての報告等を受理した日から90日以内におこなうことになっていますが、本件については、まだ全ての報告等を受理していない状況にあります。個別具体的なお答えは控えますが、第二審査に進んだ案件については、競争事業者また利用者に対してヒアリングやアンケートなどおこないつつ、この企業結合により当該会社の取引先や利用者にとって十分な選択肢が確保できなくなる状況になるかどうか、といった競争の与える影響について慎重に審査を進めているところです。またこれまで過去10年間に地方銀行の統合案件は16件ありますが、これらの内14件については、第一次審査の段階で問題ないと判断されています。公正取引委員会としては引き続き、ご指摘の通り迅速かつ的確に企業結合審査を進めるため、態勢の拡充の検討を含めて必要な対応に努たいと考えます

 

これに対し、私からは、「新潟県内には7000社に及ぶアンケートを実施したと聞いているが、事務的な確認作業の膨大さで、前向きに取り組んでいる銀行の準備を妨げないように、審査にスピード感を持って取り組んで欲しい」と指摘しました。

 

 

Q:続いて、地域経済や顧客への貢献という観点から麻生金融担当大臣に伺いました。

 

A:麻生金融担当大臣からの答弁要旨

一般に地域銀行の経営統合と言うのは、その経営統合それ自体が目的ではありません。長崎の場合では、人口が減少していて、貸出先も随分減りました。そういった経営環境が厳しくなっているので、将来に渡って継続していくと、いわゆる金融機関の機能の健全性がシステムとして維持されるのは難しいのではないかと大きく懸念されています。金融機関の企業間の仲介機能が上手くいかないということは、経済活動に大きな支障をきたすので色々な事を考えないといけない。これが第一前提で、加えてそれを利用されている企業とか顧客がおられるので、そういった方々の利便性とかさらに考えねばなりません。地域の活性化がこれによって抑えられるのは困ります。

 

例えば、統合する銀行同士で取引先を紹介しあって顧客の販路開拓を支援する事例とか、銀行店舗の重複を解消することで、人員も場所も余るので、そういった人を取引先の経営支援にまわす、そう言った事例がいっぱいあります。

今、石﨑先生が言われたように、地域経済とかそこにおられる顧客の方々への貢献につながっていくということを私どもは考えて推進すべきということです。

いずれにしても、こういった地域経済のことを考えないとなかなか難しいなと思って、今後、どういった対応がいいのか、いろいろまだ検討中のところもありますので、今この場でこういうふうになりますということをお答え申し上げる段階ではありません。

 

私からは、「公取は、経営統合が独占に当たる基準や要件などは個別事案ということで示していないので、過去の他行の合併の効果や、地域経済のことを考えた上での地方銀行再編についての方向性・指針のようなものを検討することは重要である」といった趣旨のコメントを述べました。

 

以上、今回の質問のやり取りを少し詳しくアップしましたが、今後も両行の合併に向けて、様々な角度から見守って参りたいと思います。

 

衆議院議員 石崎徹