皆さま、こんにちは。
 
昨日、1月からずっと審議を行ってきた国の平成29年度予算案が衆議院本会議で可決され、参議院へ送られました。憲法の規定で予算に関しては衆議院が優越していますので、年度内の予算成立が確実となりました。

私も予算委員の一人として、座席も質問者の真後ろであり、総理をはじめとする閣僚と質問者の議論を目の前で拝聴する機会に恵まれました。多くがテレビ中継のなされる重要な委員会ということで、連日朝9時、早い時で8時から夕方までほぼ毎日約1ヶ月審議に関わってきましたが、与党・野党の質問次回配分が1:5以上と、圧倒的に野党の質問時間が長く、もっと与党の若手議員に質問時間を分けて欲しいとか、質問の質に疑問を感じることも多々ありましたが、今後の私の国会議員人生において大きな糧となる貴重な経験をさせて頂きました。
 
別添の写真のとおり、議長役も2日間させて頂きましたし、沖縄の航空自衛隊の基地視察及び沖縄の行政・民間の方から直接ご意見をうかがう機会にも恵まれました。

以前にもお伝えしましたが、予算の中には、国民生活にとってもっと重要な課題、政策に関する事項が多数盛り込まれています。審議の中では、なかなかこうした前向きな政策について取り上げられることは少ないので、せっかくの機会ですので、今回は今年度予算の特徴をいくつかご説明します。

平成29年度予算の規模は、97兆4547億円です。歳入のうち税収の規模は、57兆7120億円、公債金の歳入は34兆3695億円であり、その依存度は35.3%程度と、今年度よりも下がっています(第二次安倍政権の発足直後に予算編成を行った平成25年度予算では、46.3%でした)。歳出から見ると、国債費が23兆5285億円であり、一般歳出は58兆3591億円、地方交付税交付金等は、15兆5671億円です。
 

一般会計歳出の中で最大のものは、社会保障32兆4735億円です。その中身は以下のようなものです。
ⅰ.保育士等の処遇改善 
全ての職員を対象に2%の処遇改善(平成25年度以降、人勧分も含めて合計10%の改善)を行うとともに、①副主任保育士等については月+40,000円、②職務分野別リーダーについては月+5,000円、の処遇改善を実現

ⅱ.介護・障害福祉人材の処遇改善
月額平均+10,000円相当(平成29年度に臨時の報酬改定を行い、「キャリアアップの仕組み」として、「経験」、「資格」又は「評価」に応じた昇給の仕組みを設ける事業者に対して、報酬を上乗せ)
 
ⅲ.保育の受け皿の拡大
待機児童解消加速化プランに沿って受け皿拡大を着実に実施

ⅳ.育児休業制度
保育所に入れない等の場合の最大期間を1歳6か月から2歳までに延長 

ⅴ.雇用保険料の軽減
時限的に3年間▲0.2%引下げ(労使折半) ⇒平均的なサラリーマンの年収(420万円)の場合、年額4,200円の負担軽減
 
 
さらに、教育関係予算は5兆3567億円で、平成30年度から給付型奨学金の創設が決まりました。私立大学に自宅外から通う学生など一部については平成29年度から、一部先行して実施されます。

公共事業関係費では、5兆9763億円を計上しており、豪雨、台風、地震等の災害を踏まえた防災や減災のための対策を実施するとともに、民間の投資を誘発し、日本の成長率を高める事業などへの重点化を推進します。

そして、その他にも今回の予算案は、農林水産政策、外交・防衛政策、地方創生策等様々な分野での施策が織り込まれたものです。

特に、中小企業向けの各種補助金制度や、女性の起業家の皆さま、若手起業家の皆さま、若手農業者向けの皆さまへの支援金などなど、各種事業者向けサポート事業も多数ございますので、別途情報提供させて頂きます。
 
皆様にも、ぜひこういった報道では触れられない、予算案の本当に重要な部分をぜひ汲み取って今後の日本について考えて頂ければ幸いです。私も、衆議院予算委員の一人として、今後も真摯な議論を行って参ります。
 
また、個別に様々な国のサポート事業などを発信して参りたいと思いますし、ご不明な点・ご要望などありましたら、地元小選挙区選出の私まで何なりとお問合せくださいね。
 

衆議院予算委員会委員
衆議院議員 石﨑 徹