既にニュースになっておりましたが3月29日に、自民党総裁直轄機関として、人工知能未来社会経済戦略本部が立ち上がり、別添のとおり役員のメンバーの一人となりました。
第一回は、喜連川優 国立情報学研究所所長をお招きして講演を伺いました。主に以下のお話を伺いました。
○AI
国立情報学研究所は、コンピューターだけを研究している唯一の研究所であり、国立大学の80%とネットワークでつながる。アカメディアのネットの中枢機関。
先日MSのAIの事件があったが、AIには常識を埋め込むかが大事。また、人類が直面する問題は答えがない問題が多い。AIも問題を作る側になるか、解く側になるか。問題・課題を作るほうが大変。
・オバマ大統領のAIに関するプロジェクトについては、世界中の疾患の数は10000ほど。しかし、一人の医師で対応出来る疾患には限界がある。そこで、IBMのワトソンはヘルスケアに事業シフトした。膨大な医療データを収集する。複雑な疾患である癌などから。画像による判定率の向上など、疾患の有無が相当な確度で理解するようになってきた。
ただし、ワトソンは自分で勝手に学べない。相当手作業で覚えていく。
・刑務所の将来。刑務所の受験者収容人数より圧倒的に多い刑法犯数。軽微な犯罪ではなく極悪犯を確実に、効率よく刑務所に入れることが重要。人工知能を使えば30%効率化が出来る。銀行の与信も一緒。AIを使えば与信審査も早く済ませることができる。
・AIの飛躍を与えているのはビックデータの大きさ。アルゴリズムの緻密さではない。PCに全て情報を入れていけば、AIも高度化していく。投資対効果。ボリュームを大きくすると、精度も上がっていく。
○ビッグデータ
日本は負けていない。急激に最近、情報爆発。ゼタの領域に入った。ただし、国の研究予算配分については、ネットワークそのもの構築のための予算は不要に。ビッグデータ
・看護師さんの仕事の効率化:医療支出の多くの部分は看護師の人件費。41の看護行動を1000日間の間観察したビックデータを取ると、看護師さんの一番多い仕事は、「看護記録(PC入力)」。この部分はAIなどで置き換えることができる。
これは、どんな仕事にも適用できる。モノにも適用可能。ただし、必ずしもデータが残っているわけではない領域も多いため、データをどう集めるかという観点で人材が必要。
BOP最貧国のヘルスケアにおいても、携帯電話が世の中を変えている。グラミンフォン。携帯電話だけで出来るサービスの限界が見えてきたため、地域全体で医療のビックデータ化し、更に検査のコストダウンを図ることが出来る。
保険レセプト解析をすると、東京は一年中、花粉症が発生していることが分かる。
○まとめ
原則、データの時代となった。IOTはデータの生成源。100年後を見たとき、今がそのスタート。GAFAnomics。Google, Amazon, Facebook and AppleのIT巨大企業が経済を動かしている。
日本はどこを狙うか?
- 医療分野:グーグルは持っていない大量のデータを日本は持っている。病気になってから治すのではなく、病気になる前に直すことが必要。
- 障がい者分野(超ダイバーシティ=高齢者):AIを活用してよりきめ細やかな事業を。
- 災害対応:水害などの災害からのリカバリーの速さは日本の強み。
- 教育分野:可能性などを含めて、ビックデータの一番面白い領域は教育の分野。
・研究者にお金をあげるよりは、国の持っているデータを提供した方が効果的。その方が、優秀な論文を発表することが出来る。
・医療、環境含めて様々なデータを一か所に集めることが重要。
・アルゴリズムの開発も必要。関連予算は継続してつける必要。
・様々な分野を予算面含めてまとめる調整役の構築も重要。欧米勢に対抗していくには。
※イギリスは情報の集約地域としては世界一だという売り込みをしている。日本もデータ集積の分野で世界一というのPRしていくべき。
今後、議連としては、今年の骨太方針の中身に政策提言を盛り込むべく年央に向けて方向性を出していきます。また、それにとどまらず次から次へと新しいものにも対応していくこととなります。
また追ってご報告させて頂きます。
衆議院議員 石崎徹
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