皆さんは刑務所に行ったことはありますか? 

1日413円。これは新潟刑務所の受刑者一日あたりの食費です。別添写真がとある日の食事です(許可を得てアップしております)。

受刑者の日々の生活をご存じない方が殆どかと思いますが、私は昨年10月に自民党刑務所出所者等就労支援強化特命委員会の視察団の一員として地元新潟の新潟刑務所、そして更生保護施設新潟川岸寮を視察してきました。

現在、関連の予算審議が始まっている時期ですので(予算に関連のない国会質問も多いですが)、今回はその時の視察で得た情報をもとに、知られざる実情をお伝えします。

144周年を迎える新潟刑務所は、もともと新潟市中央区西大畑の「地獄極楽小路」にある新潟屈指の料亭行形亭さんの向かいにありました。
「地獄極楽小路」というのも、刑務所にいる受刑者が料亭の宴会の音を聞くことが出来たといったところから生まれた名前です。

660名程が収容されている新潟刑務所は、最大で1028名(本所・支所合わせ)を収容できます。過去最大収容人員を記録した平成17年の1112名から、毎年収容人員は減少しておりますが、社会一般と同様に収容者の年齢は高齢化しており、平均が50歳で、60歳以上の高齢者が153名、全体の25.8%となっています。
最高齢は87歳です。

4.8回。これは受刑者が入所する平均の回数です。累犯と呼ばれる何度も犯罪を犯す人が多いということが分かります。なんと、最高で20回の入所回数を記録する受刑者もいます。

35.6%が窃盗犯。覚せい剤犯が31.3%。併せて66.9%と3分の2が窃盗犯か覚せい剤犯です。
平均刑期も3年10か月です。いわゆる死刑囚や無期懲役のような凶悪犯は1人だけです(新潟ではなく他の刑務所に入所します)

6:30に収容者は起床し、7:00に朝食、7:50から所内で主に工作物の製作や、様々な職業訓練を受けます。また、再犯の防止に向けた教育が施されたりしています。
17:00に夕食、18:30に仮就寝、21:00に完全に就寝しなければなりません。

平均年齢が50歳となっているなど高齢化や、築40年を超える施設の老朽化によって、パソコン作業など社会の実態に合った職業訓練を行う環境が不足しており、今後施設の更新と共に対応を行う必要があります。
(写真をアップすることは出来ませんが、かなり内部は老朽化でボロボロの部分が多かったです)

また、高齢化で医療の必要性が高まっている反面、医師は定員2名のうち1名が長らく欠員となっており、対処が必要です。(提携先の民間病院に救急搬送するケースも増えています)

次に、刑務所を出た受刑者はどうしているのか? 新潟市内には川岸寮という更生保護施設も設置されています。年間の入寮者は70名から100名で、刑務所などを出た後、社会に復帰するための入所施設として多くの人々の更生を支えています。

最年少は16歳ですが、川岸寮でも入寮者の高齢化が進んでおり最高齢の方は84歳だそうです。高齢者の入寮にも対応できる施設にする等、改造が必要であると考えています。
(近隣の町内会の皆さまの支援にも支えられています)

現在審議されている平成27年度補正予算と平成28年度予算には合わせて323億円の刑務所の施設の老朽化対策や更生保護の強化のための予算が盛り込まれています。
老朽化の進む中、災害などが起きた場合のリスクを考えると築40年以上の老朽化対策は市民の安全を考える上で必要です。

また、上記のとおり、平均入所数が4.8回という累犯の多さ、などを考えた場合にも川岸寮などの更生施設と人員の充実も必要です。
新潟の皆様の生活の安全を守るべく、新潟刑務所、川岸寮への適切な予算配分が行われるよう尽力していきたいと思います。

衆議院議員 石﨑とおる