連休中に行われた「リレーフォーライフ」で伺ったがん対策についての心配の声について、早速、厚労省からヒアリングを行いました。

今日は、北斗晶さんが乳がん摘出手術をされたというニュースがなされていますが、このシルバーウィーク中、新潟では「リレーフォーライフ」というがん征圧チャリティイベントが初めて開催され、多くの皆さまが参加されておられました。



そこで、参加しておられたサバイバー(がん経験者)の方から、重粒子線治療のための補助が減額される方向ということでご心配のお声を直接、会場で伺いましたので、本日、東京に戻り、厚生労働省から我が国のがん対策についてのヒアリングをしました。


重粒子線治療の有効性については、厚生労働省の先進医療会議で現在議論を行っているところであり、86日の同会議で、日本放射線腫瘍学会から重粒子線治療が他の治療と比べて優位性を示せていないという報告が行われ、それを受けて重粒子線治療が先進医療から外されるという懸念を示す報道があったそうです。


ただ、実際のところは、重粒子線治療での治療効果は出ているものの、他の治療を受けた場合との比較が十分にできておらず優位性を明確にすることは困難であり、学会からの報告を受けて現在治療の効果や有効性について精査している段階であることなどから、現時点においてすぐに国の助成費が減らされるということではないとのことです。



助成等を変更するには、最終的には保険点数を決める中央社会保険医療協議会に諮っていく必要が出てくるため、来年4月の診療報酬改定に向けて、年内をめどに何らかの方針が出される可能性があります。



ところで、国のがん対策については、健康局がん対策・健康増進課というところが所管をしています。がん対策は、研究戦略で昭和594月に「対がん10か年総合戦略」を策定したのが最初です。その後のがん対策の流れは以下の通りです。

平成64月   がん克服新10か年戦略

平成164月  第3次対がん10か年総合戦略

平成186月  がん対策基本法成立

平成194月  がん対策基本法試行

平成196月  がん対策推進基本計画 閣議決定

平成246月  第2期がん対策推進基本計画 閣議決定

平成2512月  がん登録推進法成立

平成264月  がん研究10か年戦略

平成276月  がん対策推進基本計画 中間評価

今年6月から現在がん対策の結果を検証していく中で、がんによる死亡者の減少の目標という全体目標が現在の減少傾向では十分に達成できない(がんによる死亡者20%減少が目標のところ、現在のペースだと17%減少にとどまる)ことが分かってきました。


そこで、本来の目標を達成するため、年内に「がん対策加速化プラン」を策定することや、来年6月頃までにがん対策基本法の改正を行うことが重要となっていきます。そして、平成296月頃に第3期がん対策推進基本計画を閣議決定することなども当面の大きな動きとなります。


また、現状で全体目標が未達となる見込みであるのは、喫煙率が十分に減少していないことや、がん検診受診率が上がりきっていないことが原因と考えられています。年末までに策定する加速化プランでは、受動喫煙の防止などを含め、成人の喫煙率をさらに低下させることや、市区町村が実施するがん検診などの受診率を高めることを主な内容としていく方針です。

今後も、「がん対策加速化プラン」の策定や「がん対策基本法」の改正等が実効的なものになるよう、地元のがん患者さんの皆さまのお声を踏まえて、私石崎とおるも党の厚生労働部会等での活動含めて、全力で様々に取り組んで参りたいと思います。


 平成27924日  衆議院議員 石﨑徹