第六回 ゆらぎのディゾナンス

修学旅行もあっという間に終わり、コンクール府大会メンバーを決めるオーディションが近づいてきた。部員たちが練習に励む中、真由は転校してきたばかりの自分がオーディションを受け、コンクールの舞台で吹くことに対して申し訳なさを感じているという。北宇治は実力主義であると説く久美子だったが、真由は納得した様子はなく……。そして運命のオーディション当日を迎える。


「(久美子)奏ちゃん」
「(久石奏)はい」
「(真由)今の付点四分音符、短かったよ」
「(奏)え!?ほんとですか」
「(真由)うん。ターン、タタ」
「(奏)あ、はい。ありがとうございます。さすが部長、敵に塩を送るなんて器が大きい」
「(久美子)…」
「(真由)敵?」
「(奏)はい。オーディションはこれからですから、クラとかバチバチらしいですよ。1年に、うまい子入ってきたとかで」
「(真由)だよね…」
オーディションに向けてピリピリしてきた、北宇治高校吹奏楽部!1人温度の低い真由ちゃんは、部にとっての不協和音になっちゃうのかしら?ほんの小さなノイズが、全体の調和を乱すこともありそうよね…!?