家族を事故で亡くし、心を閉ざすようになった高校生・朝野太陽。クラスメイトからの印象は「超・人見知り」。唯一、話せるのは幼なじみの夜桜六美、ただ一人だった。けれど六美にはあるヒミツが!?彼女の正体は代々続くスパイ一家当主で、様々な敵から命を狙われていたのだ!しかも彼女の兄・凶一郎は最凶のスパイで、異常なほど六美を溺愛していた。太陽は、そんな凶一郎から「排除」ターゲットとして命を狙われることに…!六美と自分の命を守るため、太陽のとった手段とは…六美と結婚して夜桜家に婿入りすること!?太陽、六美、そして夜桜さんちの家族を巡る前代未聞の「大作戦」から目が離せない!!

作戦1「桜の指輪」

極度の人見知りの高校生・朝野太陽は、事故で家族を亡くして以来、他人と関わることを極端に避けていた。そんな太陽にとって、幼なじみの夜桜六美は唯一気を許せる特別な存在だった。ある日の放課後、昼川先生に呼び出された太陽は教頭室を訪れる。そこで見せられたものは六美の隠し撮りコレクションで、陰からずっと彼女を見守ってきたという。昼川の異常さに危機感を覚える太陽。突如ナイフを突きつけられ...。


「(六美)はぁ〜、相変わらずのぼっち…太陽が一生このままなんじゃないかと思うと、私心配だわ」
「(太陽)お前は、俺のおふくろか。なんだよ?六美だって3年の田中先輩の告白、断ったんだろ?」
「ん?ああ〜、うん…」
「頭いいしイケメンだし、サッカー部主将だろ?なのに、なんで…」
「ふふん。あら?太陽って、私のお父さんだっけ?」
「いい返ししたって顔、やめろ」
「ふふっ」
不幸な身の上ながら、ちゃんと学生生活を送ってる太陽くん!可愛い幼なじみもいることだし、ゆっくり周囲との距離を縮めていけば…って、あまりに展開が急すぎてついていけないわよ?みんなスパイって言葉の意味を、もう一度考えたほうがいいんじゃないかしら…!?