5月30日(日)、日本成年後見法学会
第7回学術大会が
法政大学外濠校舎で開催されました。
第1分科会は、現行成年後見制度の問題点と改正に向けた課題
第2分科会は、能力制限の廃止・縮減ー能力制限なき後見支援の可能性を求めてー
第3分科会は、高次脳機能障害への支援
第4分科会は、公的支援システムの確立に向けて
に分けて議論されました。
私は、第1分科会に出席しました。
第1分科会の冒頭で、現行成年後見制度の以下の3つの基本的視点が述べられました。
1.判断能力不十分者の財産管理制度・代理制度であるための問題
2.早期・迅速な運用改善が図られた結果、鑑定の省略が行なわれているための問題
3.被後見人死亡後の後見人の管理権限の消滅の問題
私も以上3点の基本的視点を共有しています。
しかし、一般的には、制度の素晴らしい面、副次的な面のみが受け入れられて、
制度が誤解されている傾向もあります。
たとえば
1点目では、判断能力は十分であるが、母子二人で母なき後の子の就職の保証人に
後見人がなってくれるのではなかろうかとの誤解などもあります。
社会的孤立への対応として
成年後見制度が利用できるのではなかろうかとの勘違いと思います。
2点目は、鑑定の省略の問題です。
現在3割以上の鑑定の省略があり、医師の診断書のみをもとにして、
安易に行為能力の制限、選挙権の剥奪などの問題が発生しています。
この問題については、介護保険法の主治医意見書と訪問調査票による介護認定をイメ-ジしつつ、
日本成年後見法学会の先生方の賛成は得られにくいでしょうが、
鑑定が省略されたとしても、注意深い医師の診断書と裁判所の調査官による綿密な面接調査票をもとにして、
判定できないものだろうかと考えました。
財産管理能力や契約能力などの法的事務能力・生活能力は
診察室における診察ではわかりにくいだろうと考えたからです。
そして、その面接調査票は少なくても後見人には公開していただきたいものだと思いました。
全体会議の時に、表現が上手くできなかったのですが、その旨の発言をしました。
それに対し、鑑定省略は容認できない。
鑑定が省略されれば調査官による面接調査も省略されるのだ、とのご指摘を頂きました。
へえー、そうなんだ。
制度や仕組み、実務をよく知らないとわからないことです。
ひとつのことを知ることができました。後で役に立つでしょう。
失敗しても勉強になりました・・・ああ、よかったです。勇気(言う気)を出して、なんとか発言できて・・・
3点目は、死後事務、すなわち葬儀、埋葬、未払い金の支払い、相続人調査、
相続財産の引き渡しなど、多岐にわたる問題です。
この問題への対応は、後見人の職務権限を明確にして、
役割分担、チーム対応で、
後見人だけに責任が集中しないようになればいいなとつくづく思った次第です。
今回の学術大会で強く感じたことは、
制度のいい面だけでなく、悪い面・改正を要する面も積極的に一般に公開する
必要があるということでした。
今後、研修を受け、自覚をもち意欲的に活動されるであろう市民後見人の方々のためにも
そうあって欲しいものだと思いました。

10月には、成年後見法世界会議が横浜で開催されます。
外国語に弱い私ですが、世界の情勢を知ることができると、
今から楽しみにしています。
皆さん、もしよろしかったら、是非ご参加ください。おわり
成年後見法世界会議