職場の先輩が好きだという佐藤優さんの「自壊する帝国」を一読しました。鈴木宗男さんの事件で連座し、起訴された方です。そのあたりを描いた「国家の罠」が、第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞しています。

 この本は、佐藤優さんが、外務省時代に体験したソ連の崩壊していく姿を生々しく描いています。2008年出版、今から13年前です。

 とてもスリルがあり、興味深かったです。半分はフィクションだとは思うのですが、登場人物のセリフに熱量がありますね。

 私も、機会があれば、一度、モスクワの空気を吸ってみたいと思いました。佐藤優をまねて、お土産は、チョコのモロゾフですね。

 この本を読んで、いろいろなことに思いを馳せ、妄想しました。また宇宙と交信していると家族から言われました。とりあえず、休憩の一冊を挟んで、もう一度、読みたいと思います。

 本を紹介してくれた先輩には、また面白かった本があったら、教えてくださいと伝えました。

 

 心に残った佐藤優さんの言葉、登場人物のセリフは、以下になります。多いですね。見返すと僕の偏り方がわかる気がします。

 

・日本の国家そのものが耐震強度偽装マンションのようになっているのではないかという印象が私の頭から離れないのである。

・しかし、もし国民国家として純化した今の日本がガラガラと崩れていたとしても、もはや内側から復興の核となる原理は見つからないだろう。おそらく日本人の大部分は、日本が崩壊するはずはないと思っているだろうが、国家というのはある日、突然に崩壊することもあるのだ。

・国家の崩壊は、その領域に生きる人々に多くの痛みと災いをもたらす現実を私はこの目で見た。真の改革のためには大川周明が言うように「国民的生命のうちに潜む偉大なもの・高貴なもの・堅実なるものを認識し、これを復興せしむること」だと私は思うのだが、現代の日本人にとってそれが具体的に何であるかはまだ私には見えていない。

・国家に訴え出れば、何か出てくるという発想自体が間違いだ。ロシア人はもう一度生産に目を向けなければいならない。

・あいつらは、神も悪魔も信じていない。嘘を作り出してそれを信じるのがあいつらは楽しいんだ。楽しいし、面白いから嘘とシニズムで塗り固められた国家を作り上げた。そんな遊びに巻き込まれたロシア民衆には迷惑な話だ。

・人間は宗教なくして生きることができない。自覚しているがどうかは別として、みんな宗教を持っている。共産主義だって宗教だ。資本主義だって宗教だ。ファシズムだって宗教だ。歴史とは宗教と宗教の戦いだ。

・守旧派幹部たちは、国家も民族もその基礎に神話がなくては維持できないことをよく理解していた。そして、ゴルバチョフが唱える「人類共通の価値」とか「新思考外交」などという普遍的な価値観がソ連・ロシア帝国の神話になりえないと考えていたのである。

・ソ連崩壊により東西冷戦が終結してから十五年経つのに、いまだ日本の論壇には「左」と「右」という「バカの壁」がある。

・世俗化が徹底的に進行すると、逆に決して世俗化されない領域が見えてくる。ここから僕たちは超越性を感じるのだと思う。

・本当によい本は独特の魔力がある。友人にその本を読ませたくなるのである。