2005年3月5日、新下関駅にて。
訓練用車両として置かれていた、0系Q3編成の22-1047。
JR西日本博多総合車両所内で保管されてきた、0系先頭車・22-1047について、13日から解体作業が始まっているという情報が、ネット上で流れてきた。
昨日14日には、重機で解体されている様子も捉えられているようだ。
22-1047は1980年1月に東急車輛(現・総合車両製作所横浜事業所)で製造され、「こだま」用のK77編成16連に連結されていた。
その後、12連化(Sk10編成)されて国鉄分割・民営化を迎え、JR西日本へ承継。その後さらに6連化(R26編成)を経て、4連編成に組み込まれ(Q3編成)、2001年10月ダイヤ改正で運用を離脱。その後車籍を抹消された。
車籍抹消後に、Q3編成は新下関駅構内に設置された新幹線乗務員訓練センターで教習用車両として使用されることになり、2009年に100系P2編成と交替するまで新下関駅構内で過ごした。
Q3編成は、2009年1月に100系に牽引されて博総へ取り込まれていた。3両は解体されたが、22‐1047のみが化粧直しされて、車両所の一般公開の際などに姿を見ることができていた。
新下関にいたQ3編成の全景を撮ってたのを思い出した。2006年9月27日撮影。さすがにこの頃はもおうとそうもボロボロだったなぁ・・・。 pic.twitter.com/4XPxLiderL
— 遠森一郎 (@tohmori_train) February 14, 2024
以前の↓の記事でも紹介しているけど・・・。
22-1047は、2004年と2014年の2回、ドラマ出演を果たしている。
2004年はテレビ東京系「新幹線をつくった男たち」、2014年にはNHK「妻たちの新幹線」、どちらも、高橋団吉著「新幹線をつくった男 島秀雄物語」を原作としたドラマで、2004年のときは編成で走行する姿も見ることができたし、2014年のときは1000形試作B編成仕様に改装されて登場していた。
そんな22-1047が、東海道新幹線開業から60年になる今年、消えていくことになった。ネット上でもいろいろ指摘されているように、現存する0系の保存車は初期の大窓車が多くて、マイナーチェンジで小窓化された1000番台、それもオリジナルに近い先頭車の完全体での保存は、この22-1047が最後の1両となっていた。(台湾に行った21-5035も、1000番台からの改造ではあるけどもね)
奇しくも昨日14日にはJR西日本から、N700系の16両編成を8両編成に短編成化し、2026年度末までに500系4編成を置き換えるという方針も発表された。今回の22-1047の解体も、それと関連があるのでは、という見方もネット上では囁かれている。世代交代の流れのなかで、いろいろな動きが出てきているというのは確かだと思う。
今回の解体の報に接して、ワタシもとにかく最初は言葉が出てこなかった。それくらいショックだった。同車は末永く保存されるものと思っていたので。
これもテレビの話になるが、2015年10月に放映されたNHK「ブラタモリ」で、博総を訪ねたタモリさんが、保存されている22‐1047を見ながら、芸能界入りするために新幹線で上京したときのエピソードを生き生きと語る一幕があった。
この解体の報を聞いたら、タモリさんもさぞかしがっくりされるんじゃないだろうか。
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