血圧を下げることは意味がなくむしろ危険である。以前は高血圧の基準は160/95であったが、ちょっと前は130/85にまで引き下げられている。ここでもなぜ引き下げられたのか?その真の理由を考えねばならない。以下は血圧を下げることによるリスクのデータ。
  
① 1980年に日本で実施された国民栄養調査
降圧剤なしの人は、下が90~99までの人で自立者の割合が最も高かった。また上が180未満なら降圧剤の服用者のどの値の人よりも自立者の割合が高かった。
  
② 1992年~1998年まで実施された比較試験
70歳以上の高齢者で血圧が160~179ならば、降圧剤を使用しないほうが脳卒中や心筋梗塞にかかる率に差はなく、癌になった人は少なかった。
  
③ 1992年~1997年に欧米で実施された比較試験「HOT研究」
130/85未満でよかったのは、心筋梗塞にかかる人が減ったことだけで、下の血圧を80近くまで下げると、90未満を目標にして下げるよりも死亡率が高くなった。この130/85の通りに下げようとすると、要治療者が増え、日本で年間一兆円の医療費が余分に必要になり、しかも数万人が余計に死亡する危険性があると推測できる。
  
④ 日本で実施された比較試験「JATOS試験」
収縮期血圧160以上で、平均172/89程度の高齢者4418人を降圧薬を用いて140未満にする群と、140~160に緩やかに下げる群で比較。その結果、脳梗塞の発生や心筋梗塞の発生には差がなく、総死亡数は前者が後者より3割近く多かった。
  
⑤米国フラミンガムで1948年から長きにわたって行われた大規模調査。この大規模研究では人が年齢を重ねる上で、血圧が上がっていくのは当たり前であり必然であるという結論に至っている。
    
代表的な降圧薬はカルシウム拮抗薬とARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)になるが、これらの代表的な降圧薬が癌の発生率を増す。カルシウム拮抗薬が長期的には心不全を増やすこと、ARBが心不全に使われた場合も突然死が起きる。ことも、これらの降圧薬は、明らかに血圧が高すぎて恒常性を逸脱しているものに限って一時的に使うべきであり、基本的に使えば使うほど体は悪くなっていくことを知らねばならない。