やっぱり亀が好き 番外編 その3
「種」と「亜種」って何が違うのだろう?
生物学等でみると、「亜種」というのは、「種」の下にランクされる区分で、「種」とするほどには違いがなく、形質に差が見られない場合に当てはめられます。
動物の場合、「亜種」は地理的に隔離されている場合に使われます。「種」の下に「亜種」という分類区分を作った場合、その種は全て、いずれかの「亜種」になります。「亜種」の全体が「種」なのです。動物の亜種というのは交雑できるので、同所的には存在できないものです。
また、種と亜種は分類学において論理的な定義があります。それは別種を交配しても生殖が出来ず、亜種は生殖が出来るという違いです。ですが、種も亜種も多くの場合は人間が見て解る形質で分類している、そして分類は流動的という事です。現在は亜種の無い種についてもこれから亜種に細分化される事も、逆に亜種がまとめられなくなり、それぞれが種になる事もありえます。
最近は、DNA分析などにより明確に分割されたり、または統合されています。見た目は異なっていたけど、DNAレベルでは同じであったとか。見た目は同様に見えたけど、DNAレベルでは異なっていたなどです。
チズガメ属とダイヤモンドガメ属
チズガメはチズガメ属で13種に分類されています。ダイヤモンドガメはキスイカメ属(ダイヤモンドガメ属)で7亜種に分類されています。この2種実は近縁なんです。ミトコンドリアDNAの塩基配列の分子系統学的解析結果からチズガメ属とキスイカメ属近縁であるとされています。
ではなぜ、両種の分類が「種」と「亜種」になっているか。恐らく、生息分布域によって分断されているか、繋がっているかの違いのようです。ダイヤモンドガメ属は、生息地域が連続で繋がっていて、境界付近では明らかに混雑した個体も見つかっています。チズガメ属は河川や特定の地域など、生息域が不連続のため、「種」として分けられているようです。
化学的な分析(ミトコンドリアDNAの塩基配列の分子系統学)からの検知なので、見た目での判断ではないので、より確かなのかもしれません。
自分の好きな亀を見つけたら、その亀の属や亜科、科、目などを調べると、どんな亀と近縁なのかわかります。近縁ということは、雑種ができやすい(交雑)って事にも繋がりますので、興味を持って調べてみると面白いですよ。
この2種が近縁?、ちょっとなんとも言えないですね。