TVや新聞広告等で、まるで微生物が全くいないことが清潔で現代的であり健康にも良いと解説されているのをよく見かけます。
例えばお店に入る度に手に消毒液を使ったり、あらゆる公共施設で消毒を徹底したりして、滅菌・除菌をしているのではないでしょうか。
【微生物が分解者として果たす役割とは】
微生物の働きは、有機物(生命自体や生命が生み出したもの)を無機物(物質)に分解し、再び生物が利用できる様にする事です。
簡単に言うと、不要な生命を地球(土)に戻し、新たな生命が生まれる様にする事です。つまり微生物は「分解者」として地球に存在しています。
最も重要な事は、何でも無秩序に分解しているのではなく、不健全なもの(死んでしまったもの、病気のもの、傷んだもの、役割を終えたもの、必要のないもの等)を優先的に分解しているのです。
微生物は、不健全なものを分解し、健全なものには「生きる力」を助ける働きをしています。
地球の大きな循環(分解と創造)のかなめであり、無くてはならない存在なのです。
人に害をなす微生物(病原微生物)も確かにいますが、全体の極々わずかです。
そして、例え病原微生物であっても、本来は地球全体の循環の為に意味があって存在しているのでしょう。
【微生物の排除が病気を増やす】
次に、微生物と病気の関係について解説します。
たった50年程前は、アレルギー(花粉症・アトピー・喘息など)は千人にひとりの病気でした。
しかし現在はふたりに1人以上です。
ちょっと増えている…というレベルではありませんね。
短期間の内に非常に増えているのはアレルギーだけではなく、かつては膠原病といった「自己免疫疾患」(リウマチ、バセドウ病、クローン病、潰瘍性大腸炎など)も増えました。
さらに「生活習慣病」(がん、高血圧、糖尿病、高脂血症など)「うつ」「自閉症を含む発達障害」なども、です。
私はこれらを全てまとめて『現代病』と呼んでいます。
重要なのは、現代病はすべて同じパターンで増えており、根本の原因は同じだということです。
この根本の原因は、私たちの現代生活が微生物を必要以上に遠ざけていること、つまり、清潔すぎる生活をしているからなのです。
私たちの免疫系の正常な発達と維持には「微生物との接触が必要」なのです。
以上をまとめると、
微生物には大切な役割があり、私たちの敵であるどころか、必要不可欠な存在である、ということです。