統合失調症が、脳分泌の異常による障害
というのは広く知られているところです。
この病気を学ぶ上でかかせないのが、
脳で分泌される「セロトニン」と「ドーパミン」、
2つの神経伝達物質。
この2つは互いに関与しあっています。
ドーパミンには、
気持ちを緊張させたり興奮させたりといった作用があります。
統合失調症がある人の場合、
このドーパミンが過剰に分泌されていると言われており、
その証拠にドーパミンの分泌を抑える薬剤を投与すると、
陽性症状が落ち着くことがわかっています。
一方、セロトニンは陰性症状に関与していると
言われています。
セロトニンが増えると、陰性症状が増すんですね。
では、セロトニンを分泌を押さえる薬剤を投与すれば
陰性症状が落ち着くのか……といえばそうではなく。
セロトニン分泌を抑える薬を使う場合は、
ドーパミンを抑える薬と一緒に用いることで、
初めて効果を発揮するそうです。
単独では効果がないと言うこと。
つまり、ドーパミン→セロトニンという
分泌のされ方をするのではないかと。
ドーパミンは親、セロトニンは子。
それぞれ別の存在だけども、
子どもは親の影響をすごく受けるんです。
これを、セロトニン仮説と言うそうです。
ドーパミンとセロトニンは相反する関係だと思いこんでいたので
セロトニン仮説を知ったときは
驚いた記憶があります。
脳の話はすごく奥が深く、
勉強するたびに頭がこんがらがります。
とくに、神経伝達物質やホルモンは、
内臓系みたいに1足す1、1ひく1みたいな
単純な関係ではなく、
1かける100みたいな反応をすることがあるので、
一筋縄では行かない印象があります。
脳の勉強はこれからも続けていこうと思います。