統合失調症は、早い時期からの治療が大切だといわれていますが、
それは、早ければ早いほうがいいようです。
私は今まで、発症してから治療するものだと思っていたのですが、
最近では、まだ発病にまで至らない「前駆期」という時期に、
治療が出来ればベターだといわれているようです。
前駆期とは、発症の前触れ。あきらかな症状は出ていないけど、
イライラしたり不安が強くなったり、「なにかおかしいな」という時期のこと。
でも、この時期に「統合失調症だ」と診断できることって、
ほとんど奇跡に等しい気がします。
もちろん、私たちも振り返ってみれば、「あれが前駆期だ」というのは
明確にあったのですが、
その時点で、「統合失調症かも?」なんて夢にも思いませんでした。
ちょっと体調が悪いのかな、なんかおかしいな、いつもと違うぞ、
とは思ってましたが、あの時に精神科の門をたたくことは、
よほどの専門家じゃないと無理ではないかと思う次第。
それに、統合失調症には、レントゲン検査とか血液検査がないから、
やはり診断は、体の科に比べたら曖昧になるわけで、
確信がないうちに、診断を受けて投薬するなんていうのは、
リスクが大きすぎる気がするんですよね。
とはいえ、前駆期がこの病気にとって重要な時期には間違いありません。
ただ私達のケースでは、一番分かっていたのは、姉本人だった気がします。
症状に巻き込まれていく一方で、冷静に、「これは精神の病気だ」と
理解していたようなフシがあるんですよね。
第六感というか、うまく言えないけど・・・。
私などは、冷静さをかくだけだったので、今思えば、
足手まといだっただろうなと思います。
家族って、時に治療を混乱させる存在だなと思うのはこんな時です。
「理解してる」つもりが、とんでもない勘違いだったりするんですよね。
前駆期であっても、どこかで本人は自覚があるような気がしてなりません。
できることなら、あの時もっとサポートしたかったなあ・・
どうして気づかなかったんだろう。
小さな後悔のひとつです。