統合失調症は、早い時期からの治療が大切だといわれていますが、


それは、早ければ早いほうがいいようです。


私は今まで、発症してから治療するものだと思っていたのですが、


最近では、まだ発病にまで至らない「前駆期」という時期に、


治療が出来ればベターだといわれているようです。


前駆期とは、発症の前触れ。あきらかな症状は出ていないけど、


イライラしたり不安が強くなったり、「なにかおかしいな」という時期のこと。


でも、この時期に「統合失調症だ」と診断できることって、


ほとんど奇跡に等しい気がします。


もちろん、私たちも振り返ってみれば、「あれが前駆期だ」というのは


明確にあったのですが、


その時点で、「統合失調症かも?」なんて夢にも思いませんでした。


ちょっと体調が悪いのかな、なんかおかしいな、いつもと違うぞ、


とは思ってましたが、あの時に精神科の門をたたくことは、


よほどの専門家じゃないと無理ではないかと思う次第。


それに、統合失調症には、レントゲン検査とか血液検査がないから、


やはり診断は、体の科に比べたら曖昧になるわけで、


確信がないうちに、診断を受けて投薬するなんていうのは、


リスクが大きすぎる気がするんですよね。




とはいえ、前駆期がこの病気にとって重要な時期には間違いありません。


ただ私達のケースでは、一番分かっていたのは、姉本人だった気がします。


症状に巻き込まれていく一方で、冷静に、「これは精神の病気だ」と


理解していたようなフシがあるんですよね。


第六感というか、うまく言えないけど・・・。




私などは、冷静さをかくだけだったので、今思えば、


足手まといだっただろうなと思います。


家族って、時に治療を混乱させる存在だなと思うのはこんな時です。


「理解してる」つもりが、とんでもない勘違いだったりするんですよね。


前駆期であっても、どこかで本人は自覚があるような気がしてなりません。


できることなら、あの時もっとサポートしたかったなあ・・


どうして気づかなかったんだろう。


小さな後悔のひとつです。





最近我が家では、「医療費」がひそかなテーマです。


なぜかというと、近ごろ何かと物入りのため、


食費やローンなんかを見直し始めているのです。


この病気は経過が長いので、多くの方が「自立支援」と「障害年金」を


セットで受けているのではないかな~と思ってます。


うちの場合、退院するときに、


自立支援をケースワーカーさんに勧められました。


当時はそれどころじゃなかったので、言われるがままに


手続きをしたのですが、


最近余裕が出てきて、いろいろ調べてみると、


自立支援を申請することによって、医療費が通常の3割負担から


1割負担になるのですが、


どうやら「上限」があるらしく。そしてそれは、所得に応じるらしいのですね。


とはいえ、


「そんなのたいした差はないだろう」


と思ってたんですが、他の患者さんに聞くとうちとは額が違う。。


よくよく調べてみると、所得(というか市民税)に応じて、


ひと月の上限額が、


2500円、5000円、10000円、20000円~とそれぞれあるそうです。


所得とは別に、高額治療継続者(「重度かつ継続」)か否かでも、


変わってくるそうですね。




う~ん。。。


障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を


申請していないうちにとっては、


上限をもう少し下げたいところなんですよね。








はじめて”電気”について聞いたのは、精神科病棟の実習のときでした。


電気というのはもちろん、ECT通称「電気けいれん療法」のこと。


賛否両論の多いこの治療方法、


実は(というわけではないですが)、多くの病院で現役で行われています。


私自身、電気について詳しくないので、なんとも言えないのですが、


「自殺企図のある重症なうつ病」の方には、もうそれしかないのかな、


と思う時があります。


というか、私が重度のうつ病になったら絶対やって貰いたいと思います。


ほんとうに辛いですから・・多分わらにもすがる思いで希望すると思う。


実際に、知り合いの統合失調症の患者さんが電気を受けておられましたが、


その人は気に入っていたようです。


たしか、年に1度、数週間入院して何クールかECT療法を受けていました。


もちろん、本人の希望です。


その人は、ECT直後は軽い健忘になってたと思います。


病院によって行うところと行わないところがあり、


これほど意見の別れる治療も無いだろうな、と思います。


ECTは人権侵害だとする団体もあるそうですし。


ただ、薬物と違って作用機序が明確でない、職人技?のような治療の印象があるので、


適応をかなり選ぶのではないか、


打つ手が無い時におこなわれるのかなどと考えています。


ちなみにうちの場合は、


急性期でもECTを打診されるシチュエーションは一度もありませんでした。




ECTを、「脳の初期化」と言う方もいますが、


私個人はなんとなく違和感を覚えるコトバではあります。。



ECTについて詳しく知りたい方は、kyupin先生のブログをどうぞ

・ECTと人権保護団体

・ECTによる治療と回復過程