毎年恒例になっているのだけれど、今年も

K.バレエの「くるみ割り人形」を観に行った。

ポスター


K.バレエの「くるみ割り人形」は今や世界一だと僕は思う。

(もちろん他の演目も)


あれほどの繊細でわかりやすい演出と舞台装置、大道具や小道具、

すべて群を抜いている。

こういう正統な古典ものはよく時代と共に変化して

やたらとシンプルな舞台になったり、削ぎ落とされた演出で演じられたりすることが多い。

でもそうなってしまったらもはやそれは古典ではなくなる。

正統ではなく前衛に近くなってしまう。

実は古典こそがいつの時代にも新しく、ワクワクさせるロマンに満ちあふれているのに。

そんな力と価値観があるから、歴史に残り、続くのだ。

その価値観をまさにしっかりと継承しつつ、現代だからこそ出来うる技術を加えてさらに夢溢れる作品に仕立てられているのがK.バレエの凄いところ。

熊川哲也は 天才だ!

身体表現はもちろん、プロデュースや演出能力に於いても天才!

日本にこんなヤツがいるのは大きな誇りだ。

ところで、ちっち(小学1年生の息子)は幼稚園のころからバレエを観るのが好きで、

特に「くるみ割り人形」は大好き!

哲也の踊るDVDを何度も何度も観ていた。

いつの間にかシーンと音楽もすべて把握して、

CDで音楽だけかけていると、

「あ、ここはどこそこの場面で誰それがなになにをしているところ」とか

「これはアラブの人たちがこんなふうに踊っているところ」と言いながら振りまで真似て見せてくれる。

そして凄いと思ったのは、

数年前に観に行ったとき、中国の踊りの場面で、ちっちは僕に耳打ちした。

「今日のはいつも聴いているのとテンポが違う。ほんのちょびっと遅い」と。

僕には同じにしか聞こえなかったけど、あとで確認したら、

なんと、

DVDで哲也君が踊っていたものはナマのオーケストラの伴奏で、

実際にちっちと観に行ったのは 録音された別の音源を使っていた舞台。

だからほんの若干のテンポの違いがあるのだ。

そして、確かにナマの方より音源がほんのわずかに遅かったりする部分が有るそうだ。

僕は驚いた。ちっち、恐るべし!

凄いじゃないか! いいぞ!


で、それから毎年のようにこの時期になると楽しませてもらっている。

何回観ても楽しい。ステキだ。

いつも楽屋を訪ねさせてもらって、しばらく哲也君と談笑する。

彼とはとても気が合う。

お互い無邪気に屈託なく話し合えるし、ものすごく刺激し合える。

大好きな、大切な友達。

そしてちっちも哲也が大好き。

哲也とちっち1

ネズミとちっち

いつも楽しく遊んでくれるし、やはりあの踊りのすごさやセンスはちっちにもちゃんと伝わっているのだと思う。

哲也とちっち2

今年もいいクリスマスだったよ。




TOGI